オーストラリア!オーストラリア!!オーストラリア!!!
間歇泉のように、ときどき素晴らしいファイターを生みだしてきた国だが、ここ数年はスター候補が数珠繋ぎに登場。空前の黄金時代を迎えている。
日本目線で見ると、ファイティング原田の快進撃をストップしたライオネル・ローズ、当時としては歴史的な快挙となったはずの3階級制覇を阻止したジョニー・ファメションという宿敵が。
さらに日本でも大きな人気を集めたマニー・パッキャオを下したジェフ・ホーンと、忌々しい番狂せファイターがすぐに思い浮かぶ。
また、新垣諭からボクシング界から冷たい視線を突き刺されていたIBFで、バンタム級のストラップを強奪してから一気に4階級制覇の坂を駆け上がったジェフ・フェネック、フリオ・セサール・チャベスを痛烈にストップしたコンスタンチン・チュー、心身とも頑健なファイターたちの系譜も連なっている。
井上尚弥に果敢に挑んだキム・イェジュンは国籍こそ韓国だが、練習拠点はオーストラリア。準オージーのファイターといっても良いかもしれない。
人気階級のティム・チューがメガファイト路線に乗り、やはり人気階級の玄関口・ライト級のジョージ・カンボソスも米国の王者デビン・ヘイニーを地元のリングに引っ張り上げている。
ヘビー級進出を睨むクルーザー級のジャイ・オペタイアに至っては、サウジアラビアのキングダムアリーナのリングにすでに3度も上がっている。
市場規模こそ米国には全く及ばないものの、いまのオーストラリアのリングにはとにかく勢いがある。
チューやカンボソスと比べなければ、軽量級でもジェイソンとアンドリューのモロニー兄弟も地元で一定の人気を誇ってきた。
そんなジェイソンも34歳。キャリアの着地点を探す段階に入っているが、7年前はオーストラリア軽量級のホープだった。
ちょうど、今の那須川天心のように。
ーーー2018年5月19日、豪州ビクトリア州マルバーンタウンホール。モロニー兄弟が揃い踏みするイベントのファイナル。
ジェイソンはすでに打診されていたワールド・ボクシング・スーパー・シリーズへの出場を内諾。バンタム級の強豪が集まるトーナメントに自信を持って挑戦するために選んだのが河野公平だった。
デビュー以来、16戦全勝14KOのジェイソンでも「軽量級の本場・日本の元世界王者」はキャリア最強の相手。
対戦相手の質でも亀田興毅やルイス・コンセプション、井上尚弥らと拳を交えてきた河野に対して、マロニーは貧弱な相手としか戦ってこなかった。
ただし、河野は直近5試合で2勝3敗の37歳。ジェイソンはプライムタイムのドアをノック中の27歳。
国内タイトルとアルファベト団体の地域タイトルをピックアップしながら着実にステップアップ。この日はWBAオセアニア・バンタム級王者として、河野を地元リングに引っ張り上げたのだ。
試合はオッズ(ジェイソン1.22倍/河野5.8倍)の通りにジェイソンが支配、第3ラウンドには相打ちながらダウンしたのは日本人。
第6ラウンド終了TKO負けに屈した河野は「昔の自分ならダウン後にもっと反撃できたのに」と引退を決意した。
そして、来週。
ジェイソンは7年前の立場から逆転して、那須川天心の踏み台として有明アリーナのリングに引っ張り上げられる。
オッズは26歳の天心が2/5(1.4倍)、34歳のジェイソンが19/10(2.9倍)。明白なアンダードッグ。
雑魚相手に強打で売り出したジェイソンも世界戦は5戦2勝3敗で、KO出来ないどころか二つ勝利はいずれもMDというフラフラぶり。
井上に粉砕されたのを差し引いても、まともな王者レベルにないことは誰もが認めるところ。
さらにサウスポーが苦手で、Aプランでしか戦えない不器用な34歳に上積みがあるわけもなく、劣化は時間経過と足並みを揃えている。
ところが、元王者という看板に加えて、信者らの「井上尚弥と戦ったから強い」という思い込みから強豪王者と勘違いしている人がいる。
そこも踏まえた見事な帝拳セレクションだ。
武居由樹のように強打でジェイソンをビビらせることは出来ないかもしれないが、天心にはスタミナ、ペース配分の上手さもある。武居が犯したガス欠のようなミスはしないだろう。
ジェイソンにとっては武居以上にノーチャンスの相手だけに、初回から猛攻を仕掛けるくらいしか勝算は思い浮かばない。
はたして、サウスポーが苦手でスピードへの対応力も鈍いジェイソンにそれが出来るか?

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フシ穴の眼
が
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