昨日の日経夕刊で「無敗の王者・中谷 米も注目」と特集記事が掲載、「中谷潤人の知名度は本場・米国でとどろき始めている」と報じられました。

「米国のボクシングファンなら知らない方が珍しい」というような具体的な表現ではないので、間違いではありません。

ただ「米国で最も権威がある専門誌と称されるリング・マガジン」は間違い、少なくとも誤解を誘導する表現です。この一文では「米国には複数の専門誌がある」と受け止められかねませんが、2022年にリング・マガジンが廃刊してしまい、「米国には一つの専門誌すらない」のが事実です。

「Juntoという名前は英語で発音し易いこともプラス要素」というのも、なんだかなぁな薄っぺらさです。

井上尚弥についても触れられて「米国でも本物のBuzz(熱狂)を帯び始めた」。またまた、何の具体性もない表現。「本物」「帯び始めた」というのは、いままでは本物ではなく、帯び始めてもいなかったというニュアンスも読み取れます。

「本物」が何なのか、帯び始めているのではなく「熱狂を巻き起こしている」のがどういうことかが、明らかに知られてしまったタイミングでは、可哀そうになる記事でした。