陸上シーズンを通じて世界14都市をサーキットするダイヤモンドリーグの優勝者こそが、チャンピオンです。

162試合の長丁場を戦い抜いて優勝したLAドジャースこそが、ナショナル・リーグのチャンピオンです。

ところが、一発勝負のオリンピックや、短期決戦のポストシーズンがより大きな注目を浴びてしまうのが現実です。

特に、短期決戦のトーナメントであるMLBのPSほど運や勢いが勝敗を左右するイベントは、他にはありません。

やってることは純然たるスポーツですが、勝敗を左右するのは実力以外の部分が占める割合が大きくなります。

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ドジャースがワールドチャンピオンになるためには、ここから3度のギャンブルに勝ち抜かなければなりません。

今の時点では「ワールドチャンピオンになれるかもしれないが、なれない可能性の方が大きい」というのが正確な見方です。

日本で神の如く崇められている大谷翔平を擁するドジャースがチャンピオンになる。そんなお膳立ても、筋書きも全く通用しない、一寸の忖度も僅かな根回しも排除されてしまった、なんという残酷なトーナメント表でしょうか。

ドジャースに牙を剥いてくるのは、ナ・リーグのペナントレースで敗れたゾンビチームです。


スポーツ観戦の本質を突き詰めると、嗜虐的な好奇心に行き着きます。

さあ、今年もまたリーグ優勝を果たしたドジャースにとって、最も割に合わない、最も残酷なショータイム、つまり私たち無責任なファンにとっては最もソソられる惨劇が始まります。