明日、カリフォルニア州フレスコで行われる「バージス・オルティス vs トーマス・デュローメ」のアンダーカードに出場するWBA /WBC /WBO女子フライ級王者マーレン・エスパレサが前日計量でリミットを2ポンドオーバー。リングではなく秤の上で3つのベルトを失いました。



挑戦者のガブリエラ・セレステ・アラニスは112.2ポンドでクリア。タイトルはアラニスが勝利したときだけに発動します。

元WBO王者のアラニスは「エスパレサに奪われたタイトルを取り戻す復讐の試合。相手がリミットを守れなかったのは残念だけど、私は自分の仕事を全うするだけ」と、秤を降りる〝元王者〟に冷たい視線を送りました。

2012年ロンドン五輪で銅メダリストのエスピノサはプロ15戦14勝1KO1敗。

唯一の敗北は人気のストロー級Undisputed championシニーサ〝Super Bad〟エストラーダに喫したもの。





日本人の強豪選手も控えている階級だけに、エストラーダのような選手と絡みたいところですが…その話はまた別にして、それにしても減量超過の常態化です。

どんなに優しいボクシングファンでも許容範囲を超えたアルファベット団体のランキングとそれによって生み出される王者たち。

水抜きのように直前に一気に落とす減量法だけでなく、そもそもタイトルの価値が失墜していることこそが最も深刻な問題です。

「我々の時代なら水抜きのような一種バクチの減量は出来なかった。それでタイトルを失ったら悔やんでも悔やみきれないから」と言う浜田剛史らの言葉は重く響きます。

公然と体重オーバーをしたライアン・ガルシアは「ガーボンタ・デービスとの試合で無茶苦茶なリバウンド制限を強いられた私をメディアもファンも擁護しなかった。やったもん勝ちということがよくわかったよ。サンキュー!」と吐きました。

そして、まともなボクシングファンからしたら信じられないことですが、米国メディアとファンの多くはガルシアがデビン・ヘイニーに大番狂せで勝利したことを前向きに評価しています。

これは、ガルシアを責める話ではありません。

井上の階級すら知らないのは仕方がないにせよ、ガルシアのような欠陥商品がカネロ・アルバレスを例外に最も大きな興行になる米国ボクシング界は、もう終わっています。

アルファベット団体のタイトルには、まともな価値がないのです。ESPNが「世界タイトル」と呼ぶのをやめたように。

カネロに贈られるメキシコベルトなどは、総額10万ドルレベルの貴金属が使用されていると言っていますが、井上などに売られる普通のベルトは1000ドルの価値も怪しい鉄屑です。

井上尚弥がWBSSで優勝したとき、WBCはそれまで用意していたWBSS特製ベルトを用意せず、井上陣営が興行規模(ファイトマネー)を過少申告しているとクレームをつけましたが「ふざけるな!」です。

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https://fushiananome.blog.jp/archives/20821128.html


優勝トロフィーやベルトを販売すること自体が、そもそも狂ってることにそろそろ気づけ。

そして、軽量級が馬鹿にされナメられていることに日本のボクシングファンはもっと怒れ。



マイク・タイソンとジェイク・ポールの茶番劇を上回るまともな試合を、いまのボクシング界でいくつ組めるでしょうか?

私がボクシングの魅力に取り憑かれた80年代、多くの先達から「ヘビー級を尊敬しないなんて、もうボクシングは終わった」と言われました。

それでも、あの時代の4KINGsはヘビー級よりも断然面白かったと、個人的には言い切れます。

あれから40年余り、ボクシングは私の興味を繋ぎ止めてくれました。

マービン・ハグラーの絶対王政と、シュガー・レイ・レナードの光と影、そしてAサイドにしか許されないはずのスターダムにアジア人のマニー・パッキャオが登り詰めた歓喜。

今、少なくとも米国への興味は喪失しかかっています。

もちろん、欧米に向けてのクリーンな国だという国威発揚に興味を傾けるサウジアラビアも含めたメガファイトの舞台が、日本以外にあることは認めます。

サウジの意図がそこにあることを全く理解できない暗愚な井上信者たちは「もう井上は日本では見ることができない、次はラスベガス」と妄言を繰り返していたように、サウジに軽量級の需要があるようにまた、恥ずかしい勘違いをしています。

サウジが大赤字の興行をなぜ続けるのか?

カネが有り余ってるから、何にでも投資するわけではありません。欧米への影響力がゼロのボクシング軽量級をまともに扱うことはありません。

ラスベガスに恋焦がれていた井上尚弥も、流石に気付きました。

世界でボクシング軽量級の大きな需要があるのは、日本だけ、です。

みんなで盛り上げましょう、ガラパゴス軽量級の発展を!