日本期待のフェザー級、WBC8位の堤駿斗が、WBA9位のアンセルモ・モレノを迎えた〝世界挑戦への足場固め〟の一戦でまさかの体重超過。

さらに日本時間の今朝早くには、WBCジュニアウエルター級王者デビン・ヘイニーに挑戦するライアン・ガルシアがやはりリミットを守れず。

堤はフェザー級(126ポンド)を3.5ポンド(約1.6kg)、ガルシアはジュニアウエルター級(140ポンド)を3.2ポンド(約1.45kg)もオーバーする大失態。

体重超過というと日本で最も悪名高いルイス・ネリが山中慎介との再戦に臨んだときに超過したのは、3ポンド(約1.36kg)でした。

IMG_2856

東日本ボクシング協会のセレス小林会長は堤の失態を受けて「異常事態。体重で区切られているスポーツの根本が揺らいじゃうと競技として成り立っていかない。昔はいなかったですからね、失敗する人なんて。意地でも死んでも落とすっていう気持ちがあった」と、根性論に立つコメント。

体重超過の大きな原因と考えられる水抜きについては「
水抜きはするなって言っても今は多分無理」と無責任に語ってしまいました。

堤のケースは直前にコロナに感染した不運はあったにしても、減量方法と意識に問題がなかったとは考えられません。

IMG_0445 (1)

ボクシングの世界チャンピオンが、プロ野球で活躍している選手よりも知名度やステイタスが下になってしまったのは90年代でしょうか?

いまや、世界チャンピオンというくくりで、ボクシングよりもステイタスの低いスポーツを探す方が難しいかもしれません。

このブログでは当初から繰り返しているように、減量とは、基本的に「より弱い相手を選ぶために自分も弱体化する行為」です。

長谷川穂積や井上尚弥のように、試合中に脱水の影響から足が痙攣するなんて、他のスポーツではあり得ません。

ボクシングでも軽量級でよく見られる、情けない現象です。


もう少し、踏み込んでお話を進めましょう。