世界のバンタム級シーンを焼け野原にした井上尚弥が118ポンドにとどまらずに階級を上げ、リング誌を含めた5つのベルトと、概念上の王座 Lineal Title を返上したことで「世界で最も王者になるのが難しい階級の一つ」が「世界で最もチャンスに溢れる階級」に180度転換されました。
タイトルホルダーたちは井上が屠ったLeftovers(残飯)か、間接的に駆逐されたIndirect leftovers(間接的残飯)たち。
世界のボクシングファンから見ると、残飯たちが消えるまでしばらく興味が湧かない階級です。
しかし、日本ではバンタム級への思い入れが強いというだけでなく、ジュニアフェザー級も完全統一した井上の防衛マップに日本人が記されていないことから、122ポンドで世界を窺っていたファイターたちがさまざまな意味でより大きなチャンスに溢れている118ポンドに照準を切り替えているのです。
まずは、現在のアルファベット王者を見渡すと…。
◾️WBA:井上拓真◾️
Transnational Boxing Rankings Board(TBRB)で4位、ESPNで2位ながらリング誌では8位。ちなみにリング誌では、西田凌佑が7位…。もしアルファベットのストラップを持っていなければ、拓真は圏外だったでしょう。
〝焼け野原にした張本人〟と同じ血が流れているはずなのに、タイトルホルダーとしては少し驚くほどの低い評価に甘んじています。
2月24日に対戦するここ4年で4試合(2勝2敗)のジェルウィン・アンカハスに勝利しても、「階級歳弱王者」「誰にいつ負けても全く不思議ではない」という烙印は、消し去ることは難しいでしょうが、これ以上評価を暴落させないためにも明白な勝ち方が求められます。
◾️WBC:アレハンドロ・サンチアゴ◾️
Transnational Boxing Rankings Board(TBRB)で2位、ESPNで4位、リング誌で4位。
1−3で明白に不利と見られていたノニト・ドネア戦で大番狂せを起こした27歳のメキシカンですが、世界基準では攻撃力も防御力も経験も欠落した精神力だけが取り柄のファイター。
初防衛戦の相手は、評価が高い中谷潤人。「メディアやブックメーカーが中谷との試合をどう見てるか知っている。ドネア戦のように、奴らが間違っていたことを思い知らせてやるだけだ」と強気ですが、全盛期に差し掛かっている中谷と、完全劣化版ドネアとは全く違う種類のボクサーです。
少しの希望を見出すとすれば、中谷は1年10か月でフライ級からジュニアバンタム級に上げ、今回がバンタム級デビューという一点でしょうか。
「中谷でもタフなサンチアゴには苦労するかもしれない」という声も聞かれますが、勝敗への興味は薄く、サンチアゴは7か月に満たない短命王者で終わるのが確実と見られています。
◾️IBF:エマヌエル・ロドリゲス◾️
ボクシング王国プエルトリコで、かつては未来のホープ10人に数えられた逸材でしたが…。
キャリアの傷は、井上に破壊された黒星と、レイマート・ガバリョにどっちとも取れるSDで敗れた二つだけ。
世界戦までの無敗のキャリア、ノンタイトルマッチでは生き生きとするロドリゲスがタイトルマッチでは煮え切らない試合が目立つのは、この職業に向いていないという重度の弱気だけではなく、実力的な問題も孕んでいます。
それでも、圧倒的不利と見られ、噛ませ犬扱いだったゲイリー・アントニオ・ラッセルとの無冠戦で鮮やかな勝利を収めると、IBF王者決定戦では世界的には二線級のメルビン・ロペスを完封、自信を取り戻しつつあります。
Transnational Boxing Rankings Board(TBRB)で1位、ESPNで1位、リング誌で2位。
西田凌佑との指名試合が競争入札、亀田プロモーションに敗れて日本開催が決定。
パディパワーのオッズはロドリゲスが4/9(1.44倍)、西田が9/5(2.8倍)。弱含みの2−1で有利と出ています。経験とパンチ力が欠けている27歳の西田ですが、キャリア初の完全敵地であのロドリゲスがどんな精神状態でリングに上がるのか?
◾️WBO:ジェイソン・モロニー◾️
那須川天心が選びそうなサウル・サンチェスに薄氷の勝利、WBO決定戦に勝利。
井上に粉砕されてから、腰を落としてしっかりと打っていた、強気のパワーパンチは影を潜めてしまいました。
Transnational Boxing Rankings Board(TBRB)で3位、ESPNで3位、リング誌で1位。
クロスゲームを演じたロドリゲスと並ぶ階級最強候補ですが、最強と呼ぶには33歳のオージーは欠点を巻き散らしており、誰に負けても誰も驚きません。
LeftoversとIndirect leftoversが、焼け野原からアルファベットタイトルの残骸をピックアップした現在のバンタム級シーン。
この中から、Undisputed champion、Lineai champion、Ring -magazine championに相応しいファイターは見当たりません。
さて、さて、では次に。
現在のバンタム級シーンの〝主役〟は、モンスターが食い散らかしたタイトルホルダーたちではありません。
タイトルホルダーたちは井上が屠ったLeftovers(残飯)か、間接的に駆逐されたIndirect leftovers(間接的残飯)たち。
世界のボクシングファンから見ると、残飯たちが消えるまでしばらく興味が湧かない階級です。
しかし、日本ではバンタム級への思い入れが強いというだけでなく、ジュニアフェザー級も完全統一した井上の防衛マップに日本人が記されていないことから、122ポンドで世界を窺っていたファイターたちがさまざまな意味でより大きなチャンスに溢れている118ポンドに照準を切り替えているのです。
まずは、現在のアルファベット王者を見渡すと…。
◾️WBA:井上拓真◾️
Transnational Boxing Rankings Board(TBRB)で4位、ESPNで2位ながらリング誌では8位。ちなみにリング誌では、西田凌佑が7位…。もしアルファベットのストラップを持っていなければ、拓真は圏外だったでしょう。
〝焼け野原にした張本人〟と同じ血が流れているはずなのに、タイトルホルダーとしては少し驚くほどの低い評価に甘んじています。
2月24日に対戦するここ4年で4試合(2勝2敗)のジェルウィン・アンカハスに勝利しても、「階級歳弱王者」「誰にいつ負けても全く不思議ではない」という烙印は、消し去ることは難しいでしょうが、これ以上評価を暴落させないためにも明白な勝ち方が求められます。
◾️WBC:アレハンドロ・サンチアゴ◾️
Transnational Boxing Rankings Board(TBRB)で2位、ESPNで4位、リング誌で4位。
1−3で明白に不利と見られていたノニト・ドネア戦で大番狂せを起こした27歳のメキシカンですが、世界基準では攻撃力も防御力も経験も欠落した精神力だけが取り柄のファイター。
初防衛戦の相手は、評価が高い中谷潤人。「メディアやブックメーカーが中谷との試合をどう見てるか知っている。ドネア戦のように、奴らが間違っていたことを思い知らせてやるだけだ」と強気ですが、全盛期に差し掛かっている中谷と、完全劣化版ドネアとは全く違う種類のボクサーです。
少しの希望を見出すとすれば、中谷は1年10か月でフライ級からジュニアバンタム級に上げ、今回がバンタム級デビューという一点でしょうか。
「中谷でもタフなサンチアゴには苦労するかもしれない」という声も聞かれますが、勝敗への興味は薄く、サンチアゴは7か月に満たない短命王者で終わるのが確実と見られています。
◾️IBF:エマヌエル・ロドリゲス◾️
ボクシング王国プエルトリコで、かつては未来のホープ10人に数えられた逸材でしたが…。
キャリアの傷は、井上に破壊された黒星と、レイマート・ガバリョにどっちとも取れるSDで敗れた二つだけ。
世界戦までの無敗のキャリア、ノンタイトルマッチでは生き生きとするロドリゲスがタイトルマッチでは煮え切らない試合が目立つのは、この職業に向いていないという重度の弱気だけではなく、実力的な問題も孕んでいます。
それでも、圧倒的不利と見られ、噛ませ犬扱いだったゲイリー・アントニオ・ラッセルとの無冠戦で鮮やかな勝利を収めると、IBF王者決定戦では世界的には二線級のメルビン・ロペスを完封、自信を取り戻しつつあります。
Transnational Boxing Rankings Board(TBRB)で1位、ESPNで1位、リング誌で2位。
西田凌佑との指名試合が競争入札、亀田プロモーションに敗れて日本開催が決定。
パディパワーのオッズはロドリゲスが4/9(1.44倍)、西田が9/5(2.8倍)。弱含みの2−1で有利と出ています。経験とパンチ力が欠けている27歳の西田ですが、キャリア初の完全敵地であのロドリゲスがどんな精神状態でリングに上がるのか?
◾️WBO:ジェイソン・モロニー◾️
那須川天心が選びそうなサウル・サンチェスに薄氷の勝利、WBO決定戦に勝利。
井上に粉砕されてから、腰を落としてしっかりと打っていた、強気のパワーパンチは影を潜めてしまいました。
Transnational Boxing Rankings Board(TBRB)で3位、ESPNで3位、リング誌で1位。
クロスゲームを演じたロドリゲスと並ぶ階級最強候補ですが、最強と呼ぶには33歳のオージーは欠点を巻き散らしており、誰に負けても誰も驚きません。
LeftoversとIndirect leftoversが、焼け野原からアルファベットタイトルの残骸をピックアップした現在のバンタム級シーン。
この中から、Undisputed champion、Lineai champion、Ring -magazine championに相応しいファイターは見当たりません。
さて、さて、では次に。
現在のバンタム級シーンの〝主役〟は、モンスターが食い散らかしたタイトルホルダーたちではありません。
コメント
コメント一覧 (1)
拓真は…ウーバーリ戦の印象が良くないですね。もはやモンスターではなくディザスター(災害)と呼んでもいい井上尚弥に負けるならどんな負け方でもあまり変わりませんが、相手はウーバーリ。それもその後、ドネアに負けてしまうウーバーリ…階級最弱王者かどうかは分かりませんが、最強とは程遠い評価になるでしょうね。
バンタムは井上尚弥が焼け野原にし、一つの世代、時代が終わったんじゃないかなと思います。ここからはニュージェネレーションの時代になる、のかな?それとも、焼け野原に残った消し炭が再度燃え上がるのか。
フシ穴の眼
がしました