昨日、東京地検特捜部が電通などを捜索しました。

本番前に実施されたテスト大会で、入札業社の間で談合があっという疑いが強まったからです。

テスト大会は計56回行われ、警備体制などの確認を行う業務。1件あたりの受注額は400〜600万円、総額は5億円を超えるそうです。

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1967年まで電通本社だった、電通銀座ビル。

談合疑惑が持ち上がったのは、ADKマーケティング・ソリューソンズがリーニエンシー(課徴金減免)制度に基づき、談合があったと公正取引委員会に自主申告していたのがきっかけ。

分かりやすく言うと司法取引です。

この談合がより悪質に映るのは、受注側だけでなく、発注者側の組織委員会までが関与していた疑いが濃厚だからです。

組織委員会には、電通などの広告会社から複数の社員が出向していましたから、なあなあの関係になっていたと考えるのが自然でしょう。

総額5億円。大きな金額ですが、捜査のメスが向かっているのはもちろん本大会。そんな数字ではすみません。

「テスト大会では談合したけど、本大会は公正に入札業務を進めました」なんて、誰も信じません。

テスト大会は〝談合のテスト大会〟でもあったはずです。

不正と無関係の巨大利権など、そもそも存在しないのかもしれませんが、五輪やサッカーW杯のような超巨大利権では、ベールに包まれた招致活動を経て開催地が決定されます。

招致活動イコールロビー活動、誤解を恐れずに書くと買収活動です。

東京2022の招致活動は、電通社員らが「みなし公務員」として出向した組織委員会が行なっていましたが、電通が肩代わりして行ったと書いても誤解は招きません。

招致するまでは汚濁に塗れていても構わない、しかし、招致後は公正にクリーンに、なんてそっちの方がおかしい気もしてきます。

スポーツビジネスの巨大利権は、例外なく招致活動から汚濁に塗れていきます。

そうです。松本人志らが提唱しているように、招致活動をやめれば良いのです。

地球的なスポーツに膨張したサッカーは難しいかもしれませんが、五輪は毎回アテネ開催にしてどんな弊害があるでしょうか?

高校野球の甲子園も、競争入札で会場を決定することになると、不正が蔓延るかもしれません。

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ボクシングの場合は、ラスベガスのカジノがサイト・フィー(招致料)をプロモーターに支払ってビッグファイトを引っ張り込んでいますが、あれはそれなりに公正な競争入札です。

1990年代、MGMの札束攻勢にラスベガスの城主を追い出されたシーザース・パレスは「MGMの金の出し方は異常。これ以上は付き合わない」と、メガファイトから撤退しましたが、両者の招致合戦からは「少しでも多くの金を出した方が勝ち」という、オークションのような透明性が感じられました。

何よりも、金の流れがカジノからプロモーター、テレビ局というわかりやすい一本道です。

ボクシングに限っては「世界戦はマディソン・スクエア・ガーデン」なんて一本化は不要ですし、階級とタイトルが多すぎるボクシングではMSGで毎日ボクシング興行をやらなければならなくなります。


巨大利権に群がるカネの亡者たちは「招致したら好き放題」とでも思っていたのかもしれません。生馬の目を抜くような、ロビー活動を勝ち抜くには特別なコネクションや、特別な金額の費用が必要になったことは容易に想像できます。

東京1964は公明正大・清廉潔白だったのか?現在開催中のW杯も、透明で正義に基づく手続きを経てカタールに決定したのか?

そもそも、なんの不正もない巨大利権が絡むスポーツイベントなど存在するのか?



…しかし、今回逮捕されたり、捜索を受けている個人や企業が「俺たちは運が悪かった」と考えているなら間違いです。「成功報酬」が「好き放題」だと思っていたとしたら、あまりにも身勝手です。




コロナ禍の困難な環境で心身を鍛え、研ぎ澄ましたアスリートは五輪でも、W杯でも素晴らしいパフォーマンスを見せて世界中を感動させてくれました。

2030年冬季五輪の招致活動真っ只中の札幌にも、底なしの不正スキャンダルは逆風となっています。

アスリートは与えられた場所で最高のパフォーマンスを見せるだけ、という気持ちでしょうが、「自国開催の大会に出たい」という思いも特別でしょう…。