The British Boxing Board of Control(英国ボクシング管理委員会=BBBofC)は、コナー・ベンにドーピング陽性反応が出たため、8日にロンドン・O2アリーナで開催予定だったクリス・ユーバンクJr.との試合の承認を差し止めました。

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薬物検査の結果でベンのサンプルから検出されたのは、クロミフェン(不妊治療薬)の痕跡。

BBBofCの差し止めにもかかわらず、マッチルームのエディ・ハーンと両選手は試合決行を表明。

日時と会場はそのままに、ルクセンブルク・プロボクシング連盟か、英国・アイルランド・ボクシングオーソリティの統括・承認のもとに公式戦として開催する腹づもりでした。

BBBofCは、WBOバンタム級王者ジョンリール・カシメロvsポール・バトラーの世界戦も「サウナ問題」で中止に追い込んでいます。

ルクセンブルクやアイルランドが承認するという飛び道具は、今回の試合が人気階級の人気選手による注目ファイトだから海外コミッションが受け皿になっているのです。

カシメロのときは、不人気階級のバンタム級。たとえ世界戦でもほとんどウマミがないので、どこも手を出しませんでした。

2012年7月にはドーピング陽性のデレク・チゾラと、デビッド・ヘイの試合がルクセンブルク・プロボクシング連盟承認のもと、ロンドンで決行しています。

まあ、無茶苦茶です。それにしても、なんでもありです。

JBCが統括団体の日本のファンが偉そうに言えることではありませんが。


この試合はご存知の通り、90年代の英国ボクシングシーンを盛り上げたナイジェル・ベンとクリス・ユーバンクの〝息子対決〟。

26歳のベンはウェルター級(147ポンド)、ユーバンクJr.はミドル級(160ポンド)が主戦場でしたが、157ポンドのキャッチウェイトで合意していました。

日本時間の今日になって、ベンをプロモートするハーンと、ユーバンクのカレ・ザウアラントは試合の延期を認めました。

可哀想なのは楽しみにしていたファンと、ピッグイベントのアンダーカードに出場予定だったボクサーたちです。