録画していた今週月曜日放送のエキマを観ました。

軽量級、特にバンタム級のレベルが決して高くない状況とはいえ、このクラスなら井上尚弥はどこに出しても怖くない超強豪チャンピオンです。

ちょっと怖い相手がいて欲しい、です。

ジョンリール・カシメロの脱落・自滅は返す返すも残念です。

井上と真吾トレーナーの「ドネア2振り返り」 も面白かった。

第1ラウンド、開始早々のドネアの左フックは「骨折した右目下に当たった」というのものの、浅いし届いていないように見えました。

残り10秒、右ショートで奪ったダウンは変なタイミングの右カウンターだったな、と思っていましたが、やっと謎が解けました。

「あれはワンツー。ジャブ(ワン)を出さなかっただけ」。

確かに体の動きは、最も得意とするワンツー。 

あれで、試合は終わりました。普通の効き方ではありません。

ドネアはしばらく回復のラウンドを作らなければなりませんが、この正直なファイターにそんな引き出しはありません。

比較してはいけないのかもしれませんが、マニー・パッキャオがアントニオ・マルガリート戦の第6ラウンド、完全にボディを効かされ逃げ回るしかなかったにもかかわらず、見事なアウトボクシングでティファナの竜巻をコントロール、1人のジャッジと多くのメディアがパッキャオの10-9と見た試合がありました。

ドネアは下がったらジ・エンドの、引き出しゼロ、Aプランでしか戦えないマイク・タイソン型。さらに、タイソンよりもディフェンスが甘い。

第2ラウンドも、とどめを刺しに迫る井上の攻撃を真っ正直に迎え撃とうとします。

愛用のエバーラストは最後まで不発のまま。第2ラウンド、井上のレイジェスに一気に攻め落とされたドネアを救ったのはマイケル・グリフィン主審でした。

井上本人も解説の西岡利晃や多くの専門家も「ドネアはリバウンドを抑えて軽く仕上げてきた。スピード重視の戦略か」と、ドネアの肉体が初戦よりも萎んでいたと見ていましたが、実際の体重はほとんど変わっていませんでした。



初戦から変わっていたのは、ドネア陣営のピリピリムード。あれだけ友好的だったドネアがグローブ問題(未開封新品を使用するルールなのに井上のグローブが開封済みだった)では If You Fuck With Me I Will Fuck With You=なめるなよ、さっさと死にやがれ!=と悪態ををつき、「米国でやるのが公平だが、軽量級の井上も私も米国では価値がない。だからと言って、井上が日本でやりたい放題するのはおかしいだろ!」と怒りをブチ撒けていました。

ドネアの怒りはもっともな気もしますが、大きく間違っています。

ボクシングには平等な対戦もありますが、AサイドとBサイドが明白に存在する〝カースト〟スポーツです。

ドネアが「米国でしかやらない」と譲らなければ、ラスベガスかどっかの小さな会場でショボい興行ができたはずです。井上も「じゃあ、米国に行く」と日本にこだわらなかったでしょう。

公平な舞台ではなく、カネを選んだのはドネアです。

そして、この手の問題が起きるとき、騒ぎ立てるのはいつもAサイド。マルコス・マイダナ戦での〝グローブゲート〟で、フロイド・メイウェザーが吠えた言葉が真実です。

「(マイダナ陣営が調達した)このグローブは全部取り替えろ。嫌なら試合は中止」。

マイダナ陣営はすぐに別のグローブを取り寄せました。

米国でもどこでも居場所のない不人気ドネアの分際で、井上が圧倒的Aサイドの日本で何を言い出すのか?

ドネアは自分の立場が分かってないのでしょうか?

カーストをぶっ壊したければ、簡単な話です。

不人気階級でウジウジせずに、パッキャオのように最も人気のあるウェルター級までノシ上がってビッグネーム狩りをすればいいだけです。

そこまで行けば、ドネアがAサイドです。

わざわざ日本に来て、嫌な思いをすることもありません。

オスカル・バルデス戦に恐怖して、ボブ・アラムに契約解除を泣きついたドネアにそんな勇気は1ミリもないでしょうが。

そして、体重は変わってないのにしぼんだ肉体、精神的な不安定…その理由をこの試合に向けていつもの〝栄養補給〟ができなかったからだと考えるのは、穿った見方でしょうか?

井上のせいでドーピングが封じられて、グローブでズルまでしやがって!

もしそうだとしたら、ドネアが頼りにするドーピング・グル、ビクター・コンテが「僕、もう1回捕まったら人生終わりなんだよ」と躊躇うほどの検査を要求した陣営のファインプレーです。