大谷翔平が日本時間19日、来年3月に開催される第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に参加する意思を表明しました。

「出たい気持ちはもちろんあります。毎年、けがとかもあって、タイミング的に出られない年もありましたけど、出たい気持ちはもちろんありますし、自分に実力があるのであれば、選んでもらえるのであれば、プレーしたいな、という気持ちは、もちろんあります」。

正直、WBCにどれほどの価値があるのか疑問です。

出場チームの選手構成、国籍のいい加減さに、ゾンビ的に優勝できる試合形式…ツッコミどころ満載の擬似国際大会です。

特に、最強のはずの米国がそういうチームを編成するつもりが全くありません。

米国にとってWBCはMLBを盛り上げる余興に過ぎず、あの舞台がサッカーW杯のようなステイタスになることを望んでいません。

WBCに真剣に取り組んでいるように見える日本ですら、MLBのチーム事情で有力選手が参加出来ないのは仕方がないにせよ、選手選考も最強軍団を意識しているとは到底考えられません。

そもそも、監督が栗山英樹、その前が稲葉篤紀です。これがサッカーならサポーターが大反乱を起こすでしょう。

スポーツの面白さは、アスリートが全力を尽くすことに集約されます。そして、それには、ふさわしい舞台が絶対必要です。

日本にとっては「本気のアメリカ」が絶対条件です。かつて巨人でもプレーしたジョンソン監督が「元娘婿の結婚式」という、普通に考えるとどうでもいいにも程がある結婚式に出席するためにチームを離れたように、彼らは舐めきっています。

もちろん、栗山監督の日本も、選手編成に異論を巻き起こさないメディアやファンも、この大会の本質を知っているはずです。

どうせまた日本チームは東京ドームをメインに、決勝は米国なんでしょう。米国では全く注目されていないので、主催者のMLBの本音は全部東京ドームでやりたいのでしょうが。

それでも、この大会を世界最強決定戦と注目するファンもいます。

WBCの本質を理解した上で、世界最強決定戦ではないのに、それでも力の限り応援するファンもいます。

それは、WBCの先に「本気のアメリカ」を引っ張り出す可能性を期待しているだけでなく、欠陥だらけの舞台にも関わらず、日本や韓国の選手たちは命を削るようにプレーしているからです。

スポーツの面白さはトップアスリートがどこまで真剣に取り組むか、全力を尽くすかに集約されます。

日本を優勝に導いたイチローは、MLBシーズンを絶不調でスタートしました。WBCに照準を合わせて調整したからです。

馬鹿としか言いようがありません。

日本のスポンサーから大金をせびり取るのが目的のボクシングWBCも真っ青な野球WBCなんかに出て、シーズンに影響があったら目も当てられません。

ましてや怪我でもしようものなら…。

WBCなんか惨敗でいいし、アマチュア最強チームで戦え、大谷には「本気のアメリカ」と戦えるMLBで一つでも多くの大きなタイトルを獲って欲しい…ファンの総意はそれに近いのではないでしょうか。

大谷の貴重な全盛期の時間を、茶番トーナメントなんかに使って欲しくない…。

それでも、彼らは真剣に戦ってくれるのです。

「スポーツの面白さは、アスリートが全力を尽くすことに集約されます。そして、それにふさわしい舞台が絶対必要です」なんて書いてしまいましたが、朝の通勤電車でまだ寝ぼけていたようです。

訂正します。

スポーツの面白さは、アスリートが全力を尽くすことだけで十分です。それにふさわしい舞台など、どうでも良いのです。

イチローや大谷は今更ながら素晴らしい。素晴らしすぎます。

来年の3月9日に、東京と台湾でグループA、Bが開幕、決勝の舞台はマイアミです。

アジアだけでやろうぜ、とも思いますが、それではMLBは関係なくなり、大会の旨味を吸えません。

日本と韓国と台湾で、目にモノ魅せてやりましょう!

勝っても「アメリカが本気でない野球大会に優勝してもどこまでの意味があるのか」とフシ穴どもに揶揄され、負けたら負けたでボロカスに非難される。

報酬やタイトルが懸かる大切なペナントレースには、悪影響しかない。

そんなハイリスク・ローリターンの勝負に全力を捧げる…賢いサラリーマンには考えられません。賢いサラリーマンには出来ません。



羨ましいです。

賢い生き方を選ばない男たちが羨ましいです。