Saturday 18, June 2022
 
Madison Square Garden Theater, New York, New York, USA  

Feather Contest, 10 Rounds
 

大手プロモーターが大枚叩いて契約したホープがいきなりズッこける。残酷なボクシングファンの楽しみの一つです。

ロベイシ・ラミレスは、2012ロンドン(フライ級=52㎏)、2016リオ(バンタム級=56㎏)と2大会連続で金メダルを獲ったエリートアマ。

トップランクと大型契約を結んでプロ転向。そのデビュー戦でアダン・ゴンザレスに まさかの完敗。その後はゴンザレスに雪辱、ここまで9勝(5KO)1敗とキャリアを立て直していますが、どの対戦相手が生き生きとして見えるのは、ゴンザレス戦から「俺も食ってやろう」という意気込みが強いからでしょう。

それにしても、やりにくさを感じさせないサウスポーです。

五輪連続金メダルとはいえ、ラミレスはワシル・ロマチェンコや同じキューバのギレルモ・リゴンドーとは別の、ゾウ・シミンのリーグに分類されます。

五輪でシャクール・スティーブンソンやムロジョン・アフマダリエフ、マイケル・コンラン、アンドリュー・セルビーらを競り落とした28歳は、未だにテストマッチを続けています。

今回、キューバ人にフェザー級10回戦試験で出題されるのは、同い年のエイブラハム・〝スーパー〟・ノバ。

同じ名を持つリンカーン大統領を真似たようなヒゲが特徴的な叩き上げのプエルトリカン。戦績は21戦全勝15KO。主戦場は、NABA北米王座を獲得するなど1階級上のジュニアライト級。

全戦全勝とはいえ、スーパーノバ(超新星)と言われると戸惑うしかない貧弱な対戦相手のオンパレードです。


前日計量はラミレスが125.8ポンド、ノバが125.4ポンドで一発クリア。

ノンタイトルと思いきや、WBOグローバル・フェザー級王者決定戦だそうです。オッズはラミレス勝利が1/5(1.2倍)、ノバ10/3(4.33倍)。

ラミレスがカムバック路線を順調に消化して世界王者になる頃には、現在29歳の井上尚弥がフェザー級に乗り込んでいるでしょうか?

そうはならずに、ラミレスはまたどこかでズッこける気がしてなりません。