The Ring magazine 。

高校〜大学時代は図書館で毎号欠かさず愛読、社会人になってからもほとんど途絶えることなく定期購読してきました。

かれこれ約35年、400号以上のお付き合いです。

そんな愛すべきリング誌ですが、最近は言うに及ばず、初めて手にしたときも「素晴らしい雑誌だ!」というよりも、日本のボクシングマガジンなどと比べると「これがリング誌?ショボいな」というのが正直な感想でした。

週刊のスポーツイラストレイテッド誌と比べると、中学生でも「リング誌の経営状況って良くないんだろうな」と想像出来ました。スポイラを比較対象にするのが間違いとはいえ、です。

経営難から何度も身売りを繰り返し、約5年前には月間体制を維持できず年9回発行に陥るなど、廃刊まで噂されていました…過去形じゃないですね、いまだその可能性が危惧されています。

米国ボクシングの凋落、相対的にも絶対的にも完全マイナースポーツ化、そしてスポイラをも飲み込むデジタル・インターネットメディアの台頭にリング誌が耐えることなど出来っこありません。

そして「メイウェザーvsパッキャオ」という史上最大の興行が打たれた2015年からページ数減、月刊体制崩壊の道を辿ったのは、全く皮肉な話でした。

日本でもボクシングのマイナー化は歯止めがかからず、「村田諒太の日本史上最大の戦い」に「井上尚弥のPFPキング」という輝かしい年に、悲しいかな、ボクシングマガジンが休刊してしまいます。

不吉なコジツケはしたくありませんが、ボクマガは値上げ・紙質変更からしばらくして休刊しました。

実はリング誌も昨年から値上げ・紙質変更しています。年間購読してる私からすると、とりあえず今年は得した気分です。

とはいえ、値上げするのは経営的に苦しいから。紙質変更も、コストダウンが目的でしょう。

ボクマガは親会社ベースボールマガジン社のリストラにあった形で、どこかに買収する目はなかったのかもしれません。

ボクマガもThe Ring magazine JAPANとして創刊、もちろん最初は年4回発行の季刊誌として新しいスタートを切るなど新しいスタートを切れないものでしょうか。
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先日、古本屋で見つけた1979年10月号のボクシングマガジン↑を読んでいると「リング誌売却」のニュースを見つけてしまいました。

それでも、前しか向かねぇ!

リング誌というのは半世紀以上も売却・倒産慣れしているタフな雑誌なのかもしれない、きっとそうだ!そうに違いない!廃刊危機を何度も切り抜けるダイハード・マガジン、それがリング誌なのだ!!!と心強く思うのでした。

1979年の身売りはランキングのスキャンダルで信用が失墜、〝身内〟のバート・シュガーらが100万ドル、当時のレートで2億円で買収したものでした。リング誌が、当時の2億円とはいえ、安い、安すぎる…。

このときは、最盛期の発行部数20万部が14万部まで落ち込んでいたそうです。

リングジャパン(ジョー小泉が代表をつとめる代理店)の広告では「全世界で100万部」と喧伝していた気がしますが、現在は何部まで落ち込んでいるのやら…。

クロフォードのPPV売り上げよりも怖いから、リング誌の発行部数なんて調べたりしません…。