英国ウェールズ・カーディフ、米国ミネソタ州ミネアポリス、豪州ビクトリア州。

全ての試合が米国で生中継され、日本でも早朝から生配信されました。

そして結果は、3試合ともオッズと予想のとおり。

内容的に意外だったのは、カーディフ・モーターポイントアリーナで開催された「尾川堅一vsジョー・コルディナ」。

IBFジュニアライト級王者・尾川の速い踏み込みから放たれる右は、経験不足のコルディナを混乱させると思いましたが、まさかのワンパンチKO負け。

ラッキーパンチと呼ぶには、狙い澄ました一発でした。

今年の年間最高KO賞にもノミノートされるであろう、完璧な一打、痛烈なダウンでした。

「のまれてしまった」と語った34歳のロードウォリアーは、進退を迫られる大きな敗北を喫してしまいました。

コルディナはWBA大陸タイトルを獲得した前戦から、ずっと力強いボクシングを披露しました。





◉WBC/WBOジュニアフェザー級王者スティーブン・フルトンは、ラウンドを失ったのが一人のジャッジの1ラウンドだけというほぼ完封試合。

PUNCHESFULTON ROMAN
Total landed218113
Total thrown603673
Percent36%17%
Jabs landed10645
Jabs thrown358306
Percent30%15%
Power landed11268
Power thrown245367
Percent46%19%

CompuBoxのスタッツでは、的中率でジャブ・パワーパンチ・合計いずれもダブルスコア以上と、元王者をまったく寄せ付けませんでした。

27歳のテクニシャンが描く青写真は、WBA/IBF王者ムロジョン・アフマダリエフに勝ってこの階級を完全統一、バンタム級から上がって来たPFPファイター井上尚弥を防衛戦で撃破、そしてフェザー級転向。

ローマンと五分だったアフマダリエフとのUndisputed Championを賭けた一戦。やってみないとわからない側面が多いでしょうが、三段論法でオッズや予想はフルトンに偏るでしょう。

それにしても、世界戦は4戦全てが判定。この10戦で切り取っても3KO。スタイル、と言ってしまえばそれまでですが、10ラウンド終了間際に舌を出してローマンを愚弄したのを見ても、完全に鬼ごっこの気分でボクシングしています。

メキシコ系のファンが多いラスベガスで「実質負け」と言われたブランドン・フィゲロア戦から、ファンにとっては悪い意味でいろいろ学習したのでしょう。

あの試合は「9ラウンドKO」予告していましたが、「もう倒しに行かないぞ。だってオレ、パンチが無いんだもん。鬼ごっこを極めてやる」という感じでしょうか。

名指しされた井上にとっても、これは捕まえるのが難しい相手です。米国でやったらダメなボクサー。

ただでさえ軽量級というハンデがあるのに、メキシカンスタイル全盛の米国で人気が出ることはないでしょう。

ゲイリー・ラッセルJr.との塩ダンスは面白いかもしれませんが…。




◉日本ではジョージ・カンボソスJr.がすでにUndisputed Lightweight championであるかのような報道がされていた、デビン・ヘイニーを地元の巨大スタジアムに迎えての大一番。



左ジャブを間断なく突き続けたヘイニーの精度が試合を制しました。

カンボソスは想像通りの無策。

再戦条項が盛り込まれた契約、完敗のオージーは「11月下旬に再戦」と早くも意気を上げていますが、まったく必要ありません。

何が悲しくて、また「下手くそvsチキン」を見なきゃいけないのか。

PUNCHESKAMBOSOS HANEY
Total landed100147
Total thrown417588
Percent24%25%
Jabs landed3278
Jabs thrown215333
Percent15%23%
Power landed6869
Power thrown202255
Percent34%27%

パンチスタッツを見るとパワーパンチで互角の面白い試合に見えますが、それはよくあるスタッツのウソです。

カンボソスはノーチャンスでした。

"THIS IS NOT THE END" (これで終わりじゃない。再戦する)- GEORGE KAMBOS …頼むからもうやめてくれ。