日本時間の今日早朝、IBFジュニアライト級王者・尾川堅一がジョー・コルディナの右ストレート一撃で沈められてしまいました。

日本人にとって130ポンド、ジュニアライト級は、直下のフェザー級が継続的に世界王者を生み出すことができていませんが、世界王者を輩出してきた「上限階級」です。

これまでも1967年に沼田義明がフラッシュ・エロルデを攻略してUndisputed Jr.Lightweight championに就いて以来、小林弘、柴田国明、上原康恒、畑山隆則、粟生隆寛、内山高志、三浦隆司、伊藤雅雪、そして尾川堅一と55年間で10人の世界王者をリレーしてきました。

尾川は短命王者になってしまいましたが、上原と伊藤に並ぶ米国で王者獲得した印象に残るチャンピオンでした。

この〝伝統〟のジュニアライト級、尾川の他には主要団体で世界ランキングに食い込めていません。

「11人目」の誕生は、しばらく先の未来になりそうな気配です。
  
105
 
  階級世界の
競技人口
日本の
競技人口
 
 1ストロー20859 
 2ジュニアフライ34152 
 3フライ64681 
 4ジュニアバンタム665114 
 5バンタム879117 
 6ジュニアフェザー1218125 
 7フェザー1447111 
 8ジュニアライト1520132 
 9ライト215175 
 10ジュニアウェルター205581 
 11ウェルター198966 
 12ジュニアミドル191321 
 13ミドル146128 
 14スーパーミドル13766 
 15ライトヘビー11830 
 16クルーザー11250 
 17ヘビー12853 
      
今日6月5日現在の世界と日本の階級別競技人口です(BoxRecより)。

日本はストロー級からジュニアフェザー級までの6階級で、世界の10%以上を占める軽量級大国であることがわかります。 

この10%ラインを割り込むフェザー級から、日本人の世界王者獲得の難易度は跳ね上がってしまいます。

それでも、日本ではジュニアライト級は全階級を通じて最も層が厚いクラスの一つです(今日の数字では一番)。

ジュニアフェザー以下の超軽量級では常時複数の世界ランカーが見つけることができるのに対して、フェザー以上になると王者はもちろん、アルファベット団体のランカーすら見当たらないことも珍しくありません。

ましてや、リング誌やESPNのまともな世界ランキングにおいてはフェザー級でランクされたら、マニアにとってはニュースです。

ストロー、ジュニアフライよりも競技人口が多く、オリジナル8の長い歴史的付き合いがあるはずのウェルター級では未だに一人のアルファベット王者すら生み出せていないという悲劇的な状況が続いています。 

「日本人の体格が貧弱だから」というのは、競技人口の分布からは理由になりません。

「世界のレベルが上がる」「欧米の富裕国で人気がある」から「日本の思い通りにタイトルをコントロール出来ない」 「必然的に挑戦のチャンスも激減する」ということです。

現在7位までしか日本ランキングを形成出来ないウェルター級では、そもそも世界と戦う態勢が整っていないとも言えますが、この階級で王者を出せない最大の理由は「世界の壁が高すぎる」のではなく「挑戦チャンスが少なすぎる」ということです。



4月8日まで、日本の最重量王者はミドル級の村田諒太でした。

しかし、今朝、尾川が王座を追われて、わずか2ヶ月足らずで最重量王者はバンタム級の井上尚弥になってしまいました。

栄養事情が劣悪でだった半世紀以上も前よりも、ことボクシングのトップシーンに限っては日本人の体格はより矮小になっています。

このまま、日本の世界王者はどんどん小さくなっていくのでしょうか?