ジョージ・カンボソスJr.って誰だ?」。

昨年11月27日にテオフィモ・ロペスと戦うまで、多くのボクシングファンは彼を知らなかった。

マニアックなファンでも、カンボソスとは「マニー・パッキャオのスパーリングパートナー」 だった。

5年前のブリスベン。豪州の歴史上最大のメガファイトがサンコープスタジアムに5万5000人の大観衆を迎えて行われた。

WBO世界ウェルター級タイトルマッチ。王者マニー・パッキャオvsジェフ・ホーン。

この一大イベントをリングサイドで見ていたカンボソスは「俺も必ずこんな大舞台で戦う」と誓う。

周囲の誰もが失笑した。「パッキャオと同じことが出来るわけがない」「ライト(軽量)級でスタジアム興行なんて無理」「お前はパッキャオのスパーリングパートナーというのが人生のハイライト」。

しかし、カンボソスは目の前の試合を一つひとつクリアして、ついにロペス戦に漕ぎつけた。

あのとき、カンボソスが勝てたのは、ロペスが離婚騒動や難病で心身ともに弱り切っていたから、というのは的を射た分析ではない。

根性とタフネスに溢れるオージーをしてにするのは、誰にとっても難しい仕事だ。

そして、彼は約束通りに巨大スタジアムに戻ってきた。

世界初のクリケットの屋根付きスタジアム。マーベルは、ディズニー傘下のマーベルのネーミングライツ。

5年前も大番狂わせで地元のホーンが勝利。豪州史上最大の勝利の一つに数えられている。

また、大番狂わせが起こるのか?

それとも圧倒的有利と予想されるデビン・ヘイニーが予定通りに勝利を収めるのか?

あと10時間後、この巨大スタジアムの4万人大観衆が熱狂に沸騰しているのか?それとも英雄の敗北に静まりかえっているのか?

特設リングがセットされたマーベルスタジアムは、静かに明日のメガファイトを待っている。