試合が終わると30ポンド近くも体を膨らませ、次の試合が近づくとほとんど絶食。その繰り返し。試合中は無茶な減量の影響で、関節の痛みや足の痙攣に悩まされる…。

井上尚弥のことではありません。かつてのノニト・ドネアです。

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「フィリピーノ・フラッシュは試合が終わるとフィリピーノ・ファット(フィリピンのデブ)になっていたんだよ」と本人が自虐する過酷な減量・コンディショニングは、テコンドー黒帯4段の妻レイチェルから「減量で消耗しきってリングに上がるなんて何をやってるんだかわからない!」と否定され、抜本的に改善させられます。

ドネアは大好きなコメを控え、食事と練習方法を大幅に変えました。

今では、試合がないときでも130(約59㎏)〜132ポンド(約60㎏)をキープ。

試合が決まると練習と軽い食事制限でバンタム級=118ポンド(53.52㎏)まで自然に落としているといいます。

2019年11月の井上との初戦では、前日計量を0.5ポンドアンダーの117.5ポンドで余裕のクリア。

驚くべきは当日体重。なんと116ポンドだったというのです。

現代の常識的なボクサーでは考えにくい、リバウンドどころかリミット割れ。

約5㎏(約11ポンド)リバウンドする井上は当日約130ポンドまでリバウンドしますから、ドネアとの差は14ポンド(6.35㎏)近かったことになります。

ドネアは、今回の再戦でもリバウンド無しでリングに上がるのでしょうか。

それにしても、信じられません。

ドネアが口にする肉体改善の話は、夫婦愛に溢れる2人きりのラブストーリーです。
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私たちが興味のあるのは、もう1人のビクター・コンテがどんな役割を演じているか、なのですが、それは秘密のようです。

どんなサプリメントを、どのタイミングで、どれくらいの量を服用するかは、もちろん企業秘密なので、そこまでオーブンにできないのはわかりますが…。

ヘビー級に挑戦したスピンクスとマッキー・シルストーンや、ウェルター級を主戦場にした8階級制覇のパッキャオとアレックス・アリザとは違い、ドネアは欧米の不人気階級にとどまっているから情報が少ないーーそういう一面もあるかもしれませんが…。

もちろん、コンテは世界のスポーツ界を揺るがした史上最大のドーピング犯罪の首謀者ですから、あまり表に出ないようにしているのかもしれません…。