ボクシングファンの皆様に対しては釈迦に説法ですが、CompuBOXは試合の実像を映す鏡ではありません。

参考数字としても使えないケースも、よくあります。

ただ、今回の「ゲンナジー・ゴロフキンvs村田諒太」に関しては、現実の試合をなぞる数字になっていました。

PUNCHESGOLOVKIN MURATA
Total landed257144
Total thrown629592
Percent41%24%
Jabs landed10722
Jabs thrown308233
Percent35%9%
Power landed150122
Power thrown321359
Percent47%34%
-- Courtesy of CompuBox
 

ゲンナジー・ゴロフキンのパンチスタッツは257/629、的中率は41%。村田諒太は144/592、24.3%。パンチの精度は2倍近くも引き離されてしまいました。

内訳をみると、パワーパンチ(利き手)ではゴロフキン150/321、46.7%。村田は122/359、34%と差は縮まりますが、ジャブになるとゴロフキン107/308、34.7%。村田は22/232、9.4%と4倍の差。

ジャブは全てのラウンドでゴロフキンが手数・精度ともに上回りました。

そしてパワーパンチは6ラウンドまで村田の手数が上回り、7ラウンドに逆転されると8、9ラウンドは一方的に。

トータルの手数は、4ラウンドまでは村田がリードする流れでしたが、5ラウンドで逆転。

村田が明白にラウンドを支配したのは第3ラウンドでしたが、直後の4ラウンドでゴロフキンがギアを上げ、第5ラウンドにはペースを掌握するという、実際の試合の流れをスタッツの数字も反映していました。
スクリーンショット 2022-04-09 22.43.31

3ラウンドまでの流れにゴロフキンが危機感を覚えて攻勢に出たのか、あるいは3ラウンドまでで村田の攻撃パターンを読みきったのか、あるいはその両方なのかはわかりませんが、勝負への嗅覚の鋭さは流石としか表現できません。

そして、敗れた村田。上田晋也は「再戦が見たい」と語りましたが、村田サイドに再戦条項があるわけもありません。

再戦が見たいか?と聞かれると、正直、微妙です。

しかし、村田はこれで引退か?と考えると、引退して欲しくない気持ちが強いのですが、世界ミドル級です。簡単に、また挑戦とはいきません。

ゴロフキンと戦い、ゴロフキンに敗れた今、村田に引退して欲しくないと思っても、ではここから何を目指すのか?となると、答えに詰まってしまいます。