ボクシングとはヘビー級でした。

飛び抜けて人気があって、飛び抜けて報酬が高いクラス。それがヘビー級です。

ライトヘビー級やクルーザー級のファイターがヘビー級に憧れるのは当然でしたが、彼らの中でも選ばれし者しか挑戦は許されず、その選ばれし者ですら無残な結果に終わるのがほとんどでした。

他のクラスでは、複数階級制覇が散歩のついでのように行われるというのに、ヘビー級がらみの複数階級制覇は今なお難攻不落の狭き門です。

ストロー級からジュニアフライ級、フライ級で圧倒的なパフォーマンスを見せたローマン・ゴンザレス、ジュニアフライ級からジュニアバンタム級、バンタム級とクラスを上げながらパンチャーの性格を色濃くした井上尚弥。

彼らのような存在はヘビー級では考えられません。

人気、実力、報酬、あらゆる面でヘビー級は別格であり続けました。
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それはボクシング限定ではありません。あらゆるスポーツの中で、モハメド・アリがいた時代まで世界ヘビー級チャンピオンは別格だったのです。

アリがリングから去った80年代、世界ヘビー級チャンピオンはあらゆるスポーツの中で別格ではなくなります。

それどころか、ボクシングという狭いスポーツの中ですら、必ずしも特別な存在ではなくなってしまうのです。

私がアメリカとボクシングに惹き寄せられた、あの80年代、ヘビー級に何が起きたのか?

ヘビー級に勝った男たち、もう一つの7人に迫ります。