北京2022が閉幕しました。

日本選手団は冬季大会史上最多のメダル18個(金3・銀6・銅9)の大成果を挙げてくれました。

大活躍の大きな要因には種目数が増えたことが考えられますが、パフォーマンスの科学解析や食事の改善、強化費の増大、報奨金の充実など官民一体の支援体制が選手を後押しした大会でした。

スピードスケートではソチ五輪後に招聘したオランダ人コーチ、ヨハン・デビッドの一貫指導が平昌、北京と大会を重ねるごとに明白な効果を見せています。

また、小林陵侑と平野歩夢が金メダルを獲得したスキーの場合はメダリストには所属先からの報奨金とは別に、JOCから金メダリストへ500万円、全日本スキー連盟(SAJ)から300万円が贈られます。

SAJの報奨金は金メダル300万円、銀メダル200万円、銅メダル100万円。金メダリストの場合はJOCと合わせて800万円、ここに所属企業やスポンサーからの報奨金が上乗せされます。

シンガポールの金メダル8480万円は別格にしても、世界的にはけして少ない金額ではありません。
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また、スポーツ庁発足当初の2015年度には74億円だった強化費(競技力向上事業費)は年々増加し、昨年度は100億円を突破しています。

科学的な練習環境を整備し、優秀なコーチを招き、十分な成功報酬を用意する。そして成功の暁には、国民的英雄になれる。

広義の強化費を分厚くすることで、選手のモチベーションは間違いなく上がります。強くならない道理がありません。

サッカーや野球、メジャースポーツは日常的に充実した〝強化費〟が注入されています。

翻って、マイナースポーツ。例えば、日本のプロボクシングでは優秀なコーチはいるでしょうか?十分な成功報酬が期待できるでしょうか?その成功の暁には栄光が待っているでしょうか?

…マニー・パッキャオの場合、この3つが劇的レベルで揃っていました。

日本人がウェルター級で世界王者になれない最大の理由は、世界のレベルが高いからでも、体格が劣るからでもなく、優れた指導者がいない、成功したときに与えられる報酬や栄光が全く見えてこないからなのかもしれません。

もし「ウェルター級王者養成プログラム」を立ち上げたら、アルファベット王者なら簡単に生み出せるでしょう。