昨日は、仕事を終えてめったにやらない、キャンプ。仕事先の近くにキャンプ場があるからという、短絡的な発想です。

先週、大阪の焼肉屋さんで牛テールの話になり「良かったら送りますよ」と言われたような記憶があるのですが、酔っ払ってたのではっきり覚えてませんでした。

クール便が届いて「あ!」と思い出した次第。
IMG_6296
巨大な肉塊です。よく見ると、引き込まれるほど美しい。

キャンプに誘われ、態度を保留してたのを思い出して、これを振舞ってやろうと参加しました。

レシピが動画で送られてきたテールスープに挑戦。

大量の長ネギと生姜、ニンニク、肉と骨髄から染み出した旨味だけで、塩や醤油は要りません。コトコト煮込む時間がないキャンプでは、圧力鍋が必須です。

午前中は仕事で見れなかった箱根駅伝予選会が行われました。ネットニュースで結果だけチェックしてましたが、キャンプに行った仕事仲間にも見てる人が結構いました。

そんなに人気があるのか、とあらためて驚きです。

30年前は本戦ですら大きな注目を集めることはなく、大学スポーツではラグビー、野球に続く3番手グループ。

当時の大学ラグビー人気は関東の1リーグに過ぎない対抗戦グループに偏ったもので、世界に通用するラガーマンを育てるという視点が欠落した、ラグビー人気ではなく「対抗戦グループ人気」が実態で、対抗戦や大学日本一でお腹一杯になる、薄っぺらいものでした。

それは、今の箱根人気も変わりません。関東ローカルの大会でありながら、全国的な人気を集め、箱根優勝で完結する…非常に酷似したムーブメントです。

ただし、現在の箱根と当時のラグビーの大きな違いは、箱根には予選会があるということです。対抗戦は六大学野球のように固定メンバーですが、箱根は9位以内に入ると来年の出場権を得られますが、再来年の保証は何もありません。本戦9位に入れなかった大学は、予選会に回って出場権を争わなければなりません。

予選会は各校から12人が出走、上位10人の合計タイムを争うシステムです。走る距離は、従来の20㎞から、2018年にハーフマラソン=21.0975kmに変更。

距離が違うので、私たちの時代と単純比較は出来ませんが、関東の大学長距離のレベルは飛躍的に上がっています。

私たちの時代は上位10人の合計タイムが11時間を切ると、本戦出場がほぼ確実のレベルでした。1位通過の大学でも10時間40分前後だったと記憶しています。

1位通過で一人当たり1時間4分、本戦出場で1時間6分。5大会ごとのキレの良い大会では出場枠が拡大され、そのときは11時間10分、1人1時間7分で走れば本戦が約束されていました。

私たちの時代は20㎞ですから、ハーフマラソンよりも約1100メートル短い距離です。

この1100メートル分を3分40秒として加算すると、私たちの時代なら1位通過で11時間16分40秒(1人1時間7分40秒)、本戦出場は11時間51分40秒(1時間11分40秒)で許された計算です。

昨日トップ通過の明治大学が10時間33分22秒(1時間3分20秒)。10位ギリギリで出場権を獲得した国士舘大学10時間45分41秒(1時間4分34秒)。

隔世の感があります。

昨日、涙を飲んだ11位以下の下記24校は、私たちの時代なら余裕で本戦出場できていたわけです。赤文字の大学ならトップ通過もありえました。

(11)拓大 10時間46分36秒
(12)大東文化大 10時間48分8秒
(13)筑波大 10時間48分14秒
(14)上武大 10時間49分29秒
(15)城西大 10時間49分32秒
(16)立大 10時間53分7秒
(17)流通経大 10時間53分21秒
(18)東農大 10時間53分27秒
(19)慶大 10時間54分30秒
(20)東京経大 10時間54分36秒
(21)日大 10時間57分50秒
(22)亜大 11時間38秒
(23)日本薬科大 11時間1分13秒
(24)武蔵野学院大 11時間4分59秒
(25)芝浦工大 11時間5分36秒
(26)育英大 11時間5分48秒
(27)関東学院大 11時間8分11秒
(28)麗澤大 11時間8分38秒
(29)桜美林大 11時間9分33秒
(30)明治学院大 11時間22分4秒
(31)立正大 11時間25分9秒
(32)平成国際大 11時間30分51秒
(33)湘南工科大 11時間40分14秒
(34)東大 11時間46分23秒

時代とともに技術は洗練され、何よりも注目度が劇的に上がれば、レベルが飛躍的に向上するのは当然です。

来年の本戦は第98回。再来年が第100回の記念大会です。かつては東大や慶応は記念大会を狙ってしっかり予選通過していましたが、5年に一度の大会に向けた断続的・短絡的な戦略ではどうしようもないレベルになっている気がします。

優秀な高校生ランナーを「スカウト」して、しっかり「育てる」ことが必須。大前提として、大学側は優秀な高校生ランナーが行きたいと思う「環境と大学としてのステイタス」を作り上げなければなりません。

一切のセレクションをしなかった東大や、かつての慶応のやり方では予選会突破は不可能です。


さて、こんな時間にキャンプ地から帰宅したのはゆっくりジュニアライト級の世界戦を見るためです。

シャクール・スティーブンソンがスターになれるかどうかのリトマス紙は、今でも怪しい色彩を帯びていますが、これから出されるのはレッドカードか?それとも?