バンタム級のビッグファイト。
ビッグファイトの定義を「HBOやSHOWTIMEのPPVメイン」「どちらかのファイトマネーが現在の貨幣価値で10億円以上」とくくってしまうと、バンタム級ではそんな試合は歴史上一度もありません。
PPVを外して、ファイトマネー2億円にすると、60年代でファイトマネー6000万円、現在の価値なら2億円以上を稼いでいたファイティング原田、両者合わせて3億4000万円のバンタム級史上最大興行を戦った辰吉丈一郎と薬師寺保栄の3人が入ってきます。
五指で十分の1試合1000万ドルを稼ぐPPVファイターは、人気階級の人気選手限定です。
米国で見向きもされないバンタム級では、そんなことは起こり得ません。
しかし、そんな米国基準のメガファイトなど、日本のボクシングファンにとってどうでも良いことです。
現在のバンタム級は、井上尚弥の完全統一が注目されていますが、まだファンが期待するような試合は行われていません。
今から約10年前に、このバンタム級最強と目された長谷川穂積が対立王者の1人、WBOのストラップを持つフェルナンド・モンティエルとの決戦のリングに上がった試合は、日本ボクシングにとって画期的なメガファイトでした。
間違いなくメガファイトでした。
リングサイドで「ここまで張り詰めた世界戦は初めて」と感動していた亀田興毅の言葉が全てを物語ってくれています。
のちに長谷川と同じ評価を得た井上は、階級最弱王者モンティエルではなく、最強ライバルと言われたエマヌエル・ロドリゲスを2ラウンドで破壊していますから、彼こそが21世紀日本で文句無しの最強バンタムです。
それでも、あの日の武道館の超弩級の緊張感と、長谷川を粉砕したモンティエルがマンダレイベイで予告KOに沈む惨劇、この2試合は日本のボクシングファンにとっては、井上のどの試合にも優るビッグファイトでした。
2010年4月30日、日本武道館。
それまでも、後楽園ホールはもちろん武道館や国技館を満員札止めにするビッグファイトを何度も見てきましたが、あの日の空気は全く異質でした。
他のビッグファイトは「ヒーローを見たい」という興奮でしたが、あのときの武道館には「長谷川が最強を証明する第一歩」という高揚感だけでなく「審判の日」の冷たく固い緊張が会場に凍てついていました。
そして、2011年2月19日のラスベガス。最強の長谷川を失神させたモンティエルが、予告KO通りの2ラウンドで倒されてしまいます。
あの試合もまた、日本のボクシングファンにとっては「審判の日」でした。
10年前に起きた二つの「審判の日」を振り返ります。
ビッグファイトの定義を「HBOやSHOWTIMEのPPVメイン」「どちらかのファイトマネーが現在の貨幣価値で10億円以上」とくくってしまうと、バンタム級ではそんな試合は歴史上一度もありません。
PPVを外して、ファイトマネー2億円にすると、60年代でファイトマネー6000万円、現在の価値なら2億円以上を稼いでいたファイティング原田、両者合わせて3億4000万円のバンタム級史上最大興行を戦った辰吉丈一郎と薬師寺保栄の3人が入ってきます。
五指で十分の1試合1000万ドルを稼ぐPPVファイターは、人気階級の人気選手限定です。
米国で見向きもされないバンタム級では、そんなことは起こり得ません。
しかし、そんな米国基準のメガファイトなど、日本のボクシングファンにとってどうでも良いことです。
現在のバンタム級は、井上尚弥の完全統一が注目されていますが、まだファンが期待するような試合は行われていません。
今から約10年前に、このバンタム級最強と目された長谷川穂積が対立王者の1人、WBOのストラップを持つフェルナンド・モンティエルとの決戦のリングに上がった試合は、日本ボクシングにとって画期的なメガファイトでした。
間違いなくメガファイトでした。
リングサイドで「ここまで張り詰めた世界戦は初めて」と感動していた亀田興毅の言葉が全てを物語ってくれています。
のちに長谷川と同じ評価を得た井上は、階級最弱王者モンティエルではなく、最強ライバルと言われたエマヌエル・ロドリゲスを2ラウンドで破壊していますから、彼こそが21世紀日本で文句無しの最強バンタムです。
それでも、あの日の武道館の超弩級の緊張感と、長谷川を粉砕したモンティエルがマンダレイベイで予告KOに沈む惨劇、この2試合は日本のボクシングファンにとっては、井上のどの試合にも優るビッグファイトでした。
2010年4月30日、日本武道館。
それまでも、後楽園ホールはもちろん武道館や国技館を満員札止めにするビッグファイトを何度も見てきましたが、あの日の空気は全く異質でした。
他のビッグファイトは「ヒーローを見たい」という興奮でしたが、あのときの武道館には「長谷川が最強を証明する第一歩」という高揚感だけでなく「審判の日」の冷たく固い緊張が会場に凍てついていました。
そして、2011年2月19日のラスベガス。最強の長谷川を失神させたモンティエルが、予告KO通りの2ラウンドで倒されてしまいます。
あの試合もまた、日本のボクシングファンにとっては「審判の日」でした。
10年前に起きた二つの「審判の日」を振り返ります。
コメント