SATURDAY, JULY 17

San Antonio, Texas (Showtime) 

12 rounds – junior middleweights 
(for Charlo’s Ring/IBF/WBA/WBC and Castano’s WBO title)

ジュニアミドル級のストラップが全てステイクされた大一番。

オッズはチャーロが4/11(1.36倍)、カスターニョ21/10(3.1倍)。

オッズや両者の戦力分析からカスターニョにもチャンスがあると思うのですが、専門家予想はジャーメル勝利に一気に傾いています。

年齢は31歳で同じですが、キャリアはジャーメル35戦(34勝18KO1敗)、カスターニョ18戦(17勝12KO無敗1分)とテキサスのIron Manが約2倍。 

何よりも、対戦相手の質が違います。このあたりがジャーメル有利の根拠です。 

ジャーメルの身長180㎝/リーチ185㎝ に対して、カスターニョは身長・リーチともに171㎝と体格差は明白。

第1ラウンド。互いに左リードを伸ばし合う偵察戦から、アルゼンチン人がプレッシャーをかけてジャーメルがロープを背負う。10−9でカスターニョ。

第2ラウンドはカスターニョの攻勢にジャーメルが左フックで迎撃、一気にラッシュ。決定的な場面はなかったものの、ジャーメルのラウンド。

第3ラウンド、ロープ際の攻防でカスターニョの左がジャーメルの顎を直撃。ロープに腰掛けるようにジャーメルがダウン寸前。カスターニョのラウンド。

第4ラウンド。チャーロの警戒心が上がる。カスターニョがロープ伝いにジャーメルを追う。この回もカスターニョ。

第5ラウンド。ジャーメルはロープを背負っちゃダメですが…このラウンドもカスターニョ。

第6ラウンド。下がりっぱなしのジャーメルをどう評価するか。攻勢をとるならこのラウンドもアルゼンティーナ。前半戦は59-55でカスターニョ。
 
第7ラウンドもカスターニョの攻勢が目立つ。ジャーメルは厳しい。この展開だと、スタミナも消耗します。 

第8ラウンド。カスターニョの右が良く当たります。ジャーメルは「リング中央で戦え」というコーナーの指示を最初の1分くらいしか実践できません。 

ジャーメル、倒さないと勝てません。 

第9ラウンド。同じ展開。ジャーメルはアクセルを踏み込まないと、もう後がありません。

第10ラウンド。激しい打撃戦にジャーメルが打ち勝つ。この試合で初めて攻勢を見せる。明白にジャーメル。

チャンピオンシップラウンド。 激しいパンチの交換、ジャーメルに分があります。

ラストラウンド! 難しいラウンド。個人的には116-112でカスターニョ。
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オフィシャルは… スプリット!

ジョー小泉の「スプリットデジションというアナウンスは間違い。引き分けならスプリットドローと言わなきゃ」という指摘はある意味正しく、ある意味間違い。

「スプリットデジションは決着がついた場合」というのは狭義ではその通りですが、ドローでも普通にアナウンスされます。

何よりも、リングアナウンサーがスコアを読み上げる前に「ドロー」と発したらダメです。というわけで、これはジョー小泉の間違い。

「正解」があるとしたら、スプリットデジションと言わずにスコアカードを読み上げることでした。



オフィシャルはカスターニョから見て114−113、111−117、114−114 。

まさかのドロー(試合内容はドローでも納得の範囲内です)。ジャーメルが3ラウンドしか落としてないというネルソン・バスケスのスコア117-111は、どうなんでしょうか?

Undisputed Champion誕生ならず。

ジャーメルが人気出ないのはわかります。簡単にロープに詰まる、チャンスに行けない。 

ESPNのマイク・コッピンガーは「That 117-111 score among the worst I've ever seen. I had it 117-111 for Castano(117−111は見たこともない最低のスコア、私のスコアはカスターニョの117−111だ」。


それでも、まー、緊張感のあるいい試合でした。 ジャーメル、近いうちにどっかで負けますね。