山縣亮太が100m日本記録を9秒95まで更新しました。

ニュース速報も流れるビッグニュースでしたが「驚異的な日本記録」などの報道は一切見られませんでした。

陸上ファンからしても「予定通りじゃ!」な記録更新です。この程度では、わしらはもう驚かないのです。

素晴らしいことです。

1998年のバンコク・アジア大会で伊東浩司が10秒000を叩き出したとき、9秒台突入は時間の問題と思われました。

しかし、バンコクで伊東が刻んだ時計はその後19年間も止まったままになってしまうのです。

そして、2017年に桐生祥秀が9秒98を出すと、堰を切ったように9秒台が続きました。

まさに、バニスター現象です。

https://fushiananome.blog.jp/archives/4855508.html

人類にとって最大の敵は生理的限界などではなく、心理的限界です。

日本人が世界ヘビー級王者になるのは不可能。日本人がウサイン・ボルトに勝つのは不可能。

全部まやかしです。
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なんだか人が多いなあと思ったら、大規模接種センター行きのバス乗り場に向かうに人たちでした。
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しかし、そして、もしかしたら〝逆バニスター現象〟なるものも
存在するのかもしれません。

やはり昨日、新潟で行われたグランプリシリーズの男子走り幅跳びで
橋岡優輝が8m23㎝の好記録で優勝しました。
男子走り幅跳びには自己ベストが日本記録8m40㎝の城山正太郎、歴代2位の8m32㎝の橋岡、歴代4位8m23㎝の津波響樹がすでにオリンピックの参加標準記録を突破、100mを遥かに凌ぐ世界基準のタレントが集まっています。

リオデジャネイロ2016の優勝記録は8m38㎝ですから、日本勢は金メダルを獲ってもおかしくないポジションにつけているのです。

一方で、リオの男子100m優勝タイムは9秒81ですから、この種目で日本人が金メダルに輝くことは、常識的には考えられません。

ちょうど30年前のバルセロナ1992の100m優勝タイムは9秒96、山縣が出したばかりの日本記録を100分の1秒下回っていました。

これをもって、山縣らが当時の五輪に出場していれば金メダルもありうる、と考えるのは早計ですが、決勝進出は十分可能性がありました。

30年前は溜息ついて見上げるしかなかった記録でも、十分手が届くようになるのです。

とはいえ、人気種目である男子100mはいつもレベルが高く、マイナーなトラック種目や、そもそも人気のない走り幅跳びなどのフィールド種目は退化のうねりに飲み込まれる傾向が続いています。

走り幅跳びはメキシコ1968でボブ・ビーモンが8m90㎝の驚異的な世界記録を樹立。空気抵抗の低い高地で追い風2.0mという完全無欠の条件下での大跳躍だったとはいえ、その後23年間も凍りついたままでした。

この〝アンタッチャブル〟を融解したのが1991東京世界陸上で8m 95を跳んだマイク・パウエル。

23年後にやっと更新された走り幅跳びの世界記録でしたが、バニスター現象は起きず、8m95㎝は31年経った今も更新されないままです。

この世界的な低迷も、日本人のチャンスを広げる一助になっているのかもしれません。



そして、男子100mも幅跳びも、水泳などの記録競技全般で、今季は注目すべき大きな異変が起きています。

五輪前の年から沸騰する記録ラッシュが見れないのです。五輪前というのに記録が低調のままなのです。

パンデミックの影響で大会が激減したこともありますが、それ以上にアスリートがモチベーションの持って行き場を見失っているのが最大の原因でしょう。

こういう世界情勢を聞くと日本のスポーツファンは「え?日本のアスリートはそんなことないよね?陸上も水泳も好記録が出てる」と、不思議に感じるかもしれません。

自国の五輪だから気合の入り方が違う?それもあるかもしれませんが、私にはこれが日本人の規律の高さだと確信しています。

体重超過して「このクラスにいつまでもいるわけじゃない」(エイドリアン・ブローナー)なんて見苦しい開き直りのセリフ、日本人の口からは絶対に出てきません。

日本人なら減量に負けた自分を恥じ、何より対戦相手に申し訳ない思いで一杯になるでしょう。



東京2020には、世界中の強豪が集まらないかもしれません。来日した強豪選手も本調子ではないかもしれません。

それをあげつらえて「こんな金メダル、世界一じゃない」とが言い出すバカが蛆虫のように湧いてくるかもしれません。

もうすでにそんなゲロを吐いてる暗愚な輩もいます。



…冗談じゃない。

この環境下で一番強いやつこそが、本物の世界一なんじゃ!


さてさて!あと46日!

五輪の舞台で輝け!日本のアスリート!!!がんばれニッポン!!!