スクリーンショット 2021-06-06 21.00.22

トレバー・バウアーの2019年の3月から8月までのフォーシームの平均回転数は2,358rpm。9月には2,750に跳ね上がりました。

レッズでサイ・ヤング賞を受賞した2020年には2,779回転。史上最高額の投手となる3年1億200万ドルの契約の最初の年となる今シーズンは、2,835回転まで上がっています。

バウアーのスピン率が跳ね上がる前の防御率は4.04で、被打率は.241。

上昇してからは、防御率2.31、被打率.161と劇的に相手打者を押さえ込んでいます。

The Athleticは4月に、リーグがバウアーの初登板時のボールを数個回収したことを報じました。

目に見える付着物の痕跡があり、ベタベタしていたと報告されています。

当時、バウアーは「MLBは調査のためにボールを集めているだけ。私は何もしていない。ゴシップブロガーたちが私の名前に水を差すような誹謗中傷を書いているだけ」と語っていました。

リーグは実際にすべての投手のボールを集めて分析しており、バウアーが何か悪いことをしたとは認められていません。

ある球団幹部のひとりは言う。「リーグが承認していて、体に害を及ぼすことがないという点を除けば、スピンはステロイドと同じくらい有利なもの」。

「ステロイド時代と同じことをしているだけだ」と、別の球団幹部は言う。「我々はステロイド時代と同じことをしているだけだ。時速101マイル、3,000rpmのカッターは、500フィートのホームランと同じように、不自然だと思わないかい?」。
スクリーンショット 2021-06-06 21.02.02

前出の中継ぎ投手は 「彼らはステロイドを使ってるのと同じ」と非難します。「最近のトレードを見ればよくわかる。回転数の高い投手が優遇され、低い投手は捨てられる。それでも私は卑怯なことに手を染めたく無いんだ」。

一方、リーグは打力を高めるためにルール変更を検討しています。

マイナーリーグでは「ベースの拡大」「投手打者間の距離を伸ばす」などの実験を始めています。これらが有望であれば、メジャーで採用される可能性もあります。



************* 

▶︎ダルビッシュ有が、MLBによる滑り止め粘着物質使用の取り締まりに反対の声を挙げています。試合中に、先発投手には少なくとも2度のチェックが行われることになるというものです。

「なぜ日本では滑り止めは使われないのに、MLBでは使われるのか? ボールに問題があるってMLBはわかってんのにお金のためかずっと滑りまくるボールを提供してくる。わかってるんやからそっちを先にどうにかしましょう」。

「投手がボールに異物をつけるのあかんかったら、打者も素手で何もつけずに打ってくれ。バットが滑るから何かつけないと振れないとかって理由なら滑るボール使ってるMLBのピッチャーも一緒。フェアでもなんでもない」。

田中将大も「投手ー捕手間の距離を伸ばすっていうのもおかしな話ですよね」と、MLBが現在実験中の一方的なルール改革に反対の姿勢を見せました。

メジャーのボールは長らくローリングスが提供しています。 

このボールがツルルツで滑りやすいだけでなく、個体差が大きいこともよく知られています。

投手がロージン以外の物質をつけるのも、ドーピングと違い、なし崩し的になっています。

投高打低がここまであからさまだと、どこかで線引きをしなければならない時期かもしれません。