'This Should Be the Biggest Scandal in Sports'

これはスポーツ界最大のスキャンダルに発展するかもしれない。


1990年代のステロイド時代以来の大スキャンダルが2021年シーズンを揺るがしています。

先週、ナショナルリーグのダグアウトに持ち込まれた三つのボール。

粘着性の物質が付着したボールに手の平に乗せて、逆さまにすると…ボールは落ちなかった。

もう一つのボールには投手の指、指紋の跡が付いていて、どうやって投げたのかがよくわかった。

三つ目のボールの付着物を剥がそうとすると、3インチの縫い目も一緒に引き裂かれた。

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ここ2、3年、投手がボールに “sticky stuff”(粘着剤)を違法に塗布することが当たり前に広がっているとされています。

最近引退したある投手は、80〜90%の投手が何らかの形で “sticky stuff”を使用していると証言。

この “sticky stuff”はスピン量を増やし、ボールの変化を大きくし、打者を幻惑するとされています。

リーグ全体の打率が.236と歴史的な低さになるなど、かつてない投高打底の傾向が強まっています。

Sports Illustrated誌は20数人の関係者に話を聞きましたが、そのほとんどは匿名を条件に現状を語りました。

あるアメリカンリーグの監督は、相手投手の投球時に「聞いたことがない摩擦音が聞こえた」と語り、ある投手は「バンドエイドを引き剥がしたような音」と表現しています。

MLBがファールボールなどを調査、MLBのロゴが皮から剥がれたボールがいくつも見つかったと報告しています。

MLBのルールではボールに異物を付着させて投球することを禁止していますが、ナショナルリーグのある中継ぎ投手は、コーチから「効果があるのはあきらか」と使用を勧められたそうです。

スポイラ誌がStatcastのデータを分析したところ、ワールドチャンピオンのロサンゼルス・ドジャースがスピン回数で他球団を圧倒していることが判明しました。
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鐘の鳴る球とされるフォーシーム・ファストボールのスピン率の前年比上昇率が、ドジャースはどのクラブよりも明らかにに高いのがわかるでしょう。

ドジャースのフォーシームのスピン率は、Statcast時代の他のどのチームよりも高くなっているのです。

現時点で、ドジャースがボールを加工しているという証拠はありませんが、ほぼ全体的に、今シーズンはその球種のスピン率が昨シーズンよりも有意に上昇しています。

ドジャースの広報に質問状を送りましたが、現時点で回答は届いていません。

にちろん、スピン数の増加はドジャースに限った傾向ではありません。

帽子のつばや靴ひも、靴の中に“sticky stuff”を隠している投手もいます。

しかし、ほとんどの投手はコソコソするようなマネはしません。野球中継では、投手が投球の合間にグローブを覗き込んで、自分の好きな成分をボールに塗っているのを普通に見ることができるでしょう。

「あからさまだ、露骨だ」とある監督は嘆きます。

長いメジャーの歴史の中で、今年の平均打率は最低になるかもしれません。

メジャーのボールが滑りやすいことは広く知られています。

投手はマウンドに置いたロージンバッグをボールにつけて滑り止めにしてきました。
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しかし、ここ数年でロージンバッグ以外の“sticky stuff”が使われているというのです。
昨年末、エンゼルスのクラブハウスで解雇された従業員が起こした訴訟では、ヤンキースのゲリット・コール、ナショナルズのマックス・シャーザー、アストロズのジャスティン・バーランダーらがロージンバッグ以外の“sticky stuff”の使用者であると主張。

この訴訟は却下されましたが、控訴されています。


Statcastによると、スピン数が増えたことで。今年は平均的なフォーシームの落下距離が18年に比べて2インチ近く減少し、打者にはホップしているように見えるといいます。

2021年の今のところ、1分間に2,499回転以下で投げられる真ん中の速球を前にした打者の打率は.330。2,500回転以上の速球を真ん中に投げられた打者の打率は.285。高回転の速球の割合は、15年からの6年間で3倍に増えています。


ボールに細工するのは、今に始まったことではありません。

100年前から選手がボールを加工していたとしたら、なぜ今になってこのような騒ぎになっているのでしょうか。

今回の取材でほぼ全員が、一人の投手の名前を挙げています。ドジャースの右腕、トレバー・バウアーです。