Vulnerability…?
先週、ノニト・ドネアはその強打と打たれ強さをあらためて証明しました。
ボクサーが加齢、経年劣化する中で失われる能力で、最後に残るものがパワーというのは100年以上も前から広く知られていました。
そして、その事実はジョージ・フォアマンやノニト・ドネアらによって上書きされ続けています。
今夜のお話は、この打たれ強さ。
もちろん、加齢と経年劣化の中で「パワー」と「打たれ強さ」が全く減退しないわけではありません。
ドネアから反射とスピード、状態の柔らかい動きを根こそぎ奪った「時間」という魔物でも、ファイターから喪失させるのに時間がかかる能力なのです。
ドネアについて「反射とスピード」も持ち合わせていた2011年バージョンと、それが奪われ「パワー」と「打たれ強さ」を全面に被弾しながら一発をブチかます瞬間を追求する2021年バージョン、どちらが強いか?
このテーマは、別の機会に。
今夜の「梅割りキンミヤ25度」の肴は「打たれ強さ」。
中谷正義や亀海喜寛、ドネア、パッキャオらを見てしまうとアジア人は打たれ強いとも考えがちですが、長谷川穂積や西岡利晃、内山高志らグラスジョーのファイターも珍しくありません。
また、痛撃のカウンターの餌食になりがちなしなりを効かせたパンチを多用するミゲール・ベルチェルトのようにスタイル的に打たれ弱いファイターもいますが、ここでは生理的な打たれ弱さにフォーカスします。
ドネアや中谷の顎の骨は分厚いのでしょうか?あるいは骨密度が違うのでしょうか?
単純なスピードやパワーは鍛錬によって向上の余地が残されていますが、打たれ強さこそは天性とも言われます。
その一方で、フロイド・メイウェザーが一族に貼られた〝打たれ弱い〟〝勝負弱い〟というレッテルを引き剥がすべく厳しい鍛錬で打たれ強さを手に入れたグレートも存在します。
また、フライ級で打たれ弱いと言われたマニー・パッキャオがウェルターでは打たれ強いと評価される、非常にレアなケースも目撃されています。
コロコロ転がってもケロッと立ち上がって来るアッサン・エンダムのような〝起き上がり小法師〟は打たれ弱いのでしょうか?それとも打たれ強いのでしょうか?
一般的に打たれ弱いボクサーは「プラグが抜かれやすい」と表現されます。
電源を脳。脳に繋がるコンセントに差されているプラグとコードを神経に例えているわけです。
プラグが抜かれた状態、よくいう生まれたての子鹿状態が続くと、レフェリーに試合を止められてしまいます。
エンダムは「プラグが抜かれやすい」けど「すぐにまた接続される」というタイプです。
長谷川や内山は「プラグが抜かれやすく、抜かれたプラグを再び差し込むまでにも時間がかかる」タイプ。長い間足に効いている、という感じです。
フライ級のパッキャオは過酷な減量でプラグが抜けやすく、骨の強度も低かったのかもしれません。
誰もが引き抜けなかったフォアマンのプラグを引っこ抜いたモハメド・アリは、やはり尋常じゃないレジェンドといえます。
さすがのエンダムも村田のパワーには抜かれたプラグを元に繋げず、体格差のあるスーパーミドルのカラム・スミスにも破壊されました。
ドネアもバンタムでは頭抜けた打たれ強さを見せているものの、フェザー級なら世界トップ基準のパンチャーとは言えないニコラス・ウォータースの拳に簡単にプラグを引き抜かれまくりました。
ただ、エンダムもドネアも適正階級では非常に打たれ強いボクサーです。
ボクシングは、対戦相手に脳震盪を起こさせることを狙うスポーツです。ラグビーやアメフト、サッカー、ときには野球でも脳震盪が引き起こされることがありますが、それは故意ではありません。
ラグビーではテンプルやチン、ジョーを狙ってタックルするわけではないのです。
その意味で、ボクシング廃止論者が「ラグビーや登山よりも安全というのは詭弁。悪意を持って人間の急所を狙うボクシングは殺人ゲームと同じだ」と非難するのは的外れとは言い切れません。
脳震盪、Concussionについて、さらに深く入り込んで行きます。
先週、ノニト・ドネアはその強打と打たれ強さをあらためて証明しました。
ボクサーが加齢、経年劣化する中で失われる能力で、最後に残るものがパワーというのは100年以上も前から広く知られていました。
そして、その事実はジョージ・フォアマンやノニト・ドネアらによって上書きされ続けています。
今夜のお話は、この打たれ強さ。
もちろん、加齢と経年劣化の中で「パワー」と「打たれ強さ」が全く減退しないわけではありません。
ドネアから反射とスピード、状態の柔らかい動きを根こそぎ奪った「時間」という魔物でも、ファイターから喪失させるのに時間がかかる能力なのです。
ドネアについて「反射とスピード」も持ち合わせていた2011年バージョンと、それが奪われ「パワー」と「打たれ強さ」を全面に被弾しながら一発をブチかます瞬間を追求する2021年バージョン、どちらが強いか?
このテーマは、別の機会に。
今夜の「梅割りキンミヤ25度」の肴は「打たれ強さ」。
中谷正義や亀海喜寛、ドネア、パッキャオらを見てしまうとアジア人は打たれ強いとも考えがちですが、長谷川穂積や西岡利晃、内山高志らグラスジョーのファイターも珍しくありません。
また、痛撃のカウンターの餌食になりがちなしなりを効かせたパンチを多用するミゲール・ベルチェルトのようにスタイル的に打たれ弱いファイターもいますが、ここでは生理的な打たれ弱さにフォーカスします。
ドネアや中谷の顎の骨は分厚いのでしょうか?あるいは骨密度が違うのでしょうか?
単純なスピードやパワーは鍛錬によって向上の余地が残されていますが、打たれ強さこそは天性とも言われます。
その一方で、フロイド・メイウェザーが一族に貼られた〝打たれ弱い〟〝勝負弱い〟というレッテルを引き剥がすべく厳しい鍛錬で打たれ強さを手に入れたグレートも存在します。
また、フライ級で打たれ弱いと言われたマニー・パッキャオがウェルターでは打たれ強いと評価される、非常にレアなケースも目撃されています。
コロコロ転がってもケロッと立ち上がって来るアッサン・エンダムのような〝起き上がり小法師〟は打たれ弱いのでしょうか?それとも打たれ強いのでしょうか?
一般的に打たれ弱いボクサーは「プラグが抜かれやすい」と表現されます。
電源を脳。脳に繋がるコンセントに差されているプラグとコードを神経に例えているわけです。
プラグが抜かれた状態、よくいう生まれたての子鹿状態が続くと、レフェリーに試合を止められてしまいます。
エンダムは「プラグが抜かれやすい」けど「すぐにまた接続される」というタイプです。
長谷川や内山は「プラグが抜かれやすく、抜かれたプラグを再び差し込むまでにも時間がかかる」タイプ。長い間足に効いている、という感じです。
フライ級のパッキャオは過酷な減量でプラグが抜けやすく、骨の強度も低かったのかもしれません。
誰もが引き抜けなかったフォアマンのプラグを引っこ抜いたモハメド・アリは、やはり尋常じゃないレジェンドといえます。
さすがのエンダムも村田のパワーには抜かれたプラグを元に繋げず、体格差のあるスーパーミドルのカラム・スミスにも破壊されました。
ドネアもバンタムでは頭抜けた打たれ強さを見せているものの、フェザー級なら世界トップ基準のパンチャーとは言えないニコラス・ウォータースの拳に簡単にプラグを引き抜かれまくりました。
ただ、エンダムもドネアも適正階級では非常に打たれ強いボクサーです。
ボクシングは、対戦相手に脳震盪を起こさせることを狙うスポーツです。ラグビーやアメフト、サッカー、ときには野球でも脳震盪が引き起こされることがありますが、それは故意ではありません。
ラグビーではテンプルやチン、ジョーを狙ってタックルするわけではないのです。
その意味で、ボクシング廃止論者が「ラグビーや登山よりも安全というのは詭弁。悪意を持って人間の急所を狙うボクシングは殺人ゲームと同じだ」と非難するのは的外れとは言い切れません。
脳震盪、Concussionについて、さらに深く入り込んで行きます。
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フシ穴の眼
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