昨夜は、皆既月蝕でした。

東京からは見えませんでしたが、地球と月と太陽による3年ぶりの天体ショーを楽しんだ方もいるんじゃないでしょうか。 

国立天文台のHPによると、皆既月蝕の間は月が完全に地球の間に入り込むものの、月が見えなくなるわけではありません。

太陽の波長の長い赤い光だけが届くためで、赤銅色に見えるのです。

このことを初めて知ったのは、高校時代の図書室です。そのとき「カムイ伝」の名場面を思い出しました。
 
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「資本論」よりも遥かに面白い、共産主義者のバイブル「カムイ伝」で、崖の上に立つ抜け忍カムイが月を見上げてこうつぶやくのです。

「今夜の月はめっぽう赤いぜ」。

カムイが見てたのも、もしかしたら月蝕の月だったのかもしれないということが、ものすごい発見のように勝手に感じて興奮してしまったのを覚えています。



というわけで、どういうわけかわかりませんが「キンミヤ25」をガブ飲みしながら、気まぐれな新シリーズ【ボクマガを並べて思いに耽る】の始まり、はじまり。
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第1回は2021年と1991年の5月号。

現在、日本ボクシングをリードするのはリング誌PFP2位につける井上尚弥。

30年前の1991年は、WBAフライ級王者のレパード玉熊がエルビス・アルバレスに敗れて二度目の防衛に失敗。世界王者はWBCジュニアフェザー級の畑中清詞だけになっていました。

ただ、当時は辰吉丈一郎が世界への一本道を疾走、レイ・パショネス戦を控えていました。また、鬼塚勝也も日本ジュニアバンタム級王者として傑出したパフォーマンスを見せ、ボクシングファンは新しい時代の足音をしっかりと耳にしていました。

世界ではマイク・タイソンが復活ロードで、後付けながら微妙な実力者レーザー・ラドックに手こずりながらも7ラウンドTKO勝利。

破竹の74連勝を飾った、ジュニアウェルター級王者のフリオ・セサール・チャベス。

ウェルター級の団体統一戦でIBFのサイモン・ブラウンがWBCのモーリス・ブロッカーを10ラウンドで強烈に倒した非情の親友対決。

などがピックアップされていますが、ページを大きく割いているのはヘビー級の3団体完全統一王者イベンダー・ホリフィールドに挑むジョージ・フォアマンの戦前特集。

42歳のビッグ・ジョージの存在を、まだ「冗談」だと多くのファンが笑っていましたが、今から考えるとヘビー級の42歳、しかもフォアマンです。強豪を倒してタイトルマッチの舞台に帰ってきたのです。

あの頃、フォアマンは若かった。間違いなく若かった。

日本ではマイナー団体だったためIBFはRegional champions(地域王者)として、王者だけが記載されていましたが、ウェルター級のブラウンの他にも、バンタム級のオルランド・カニザレス、ミドル級のマイケル・ナンら実力者が台頭していました。

試合を離れた記事では「熱病的思考法」(香川照之)。この号では「ボクシング・ブーム到来は実に喜ばしい…」としながらも、後楽園ホールに試合が集中することで「スシずめホールのエビゾリ観戦」を嘆いています。

郊外にはもっと広い会場があるのにそこを使うべき、という提言はその通りでした。

私のように立ち見席3000円でプラッと見る人にとっては、ホールのアクセスの良さはありがたかったですが。
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******「並べて思いに耽る」という趣旨で書いてみたものの、ただの30年前回想になりました。そりゃそうなるわなあ…。

でも、続きます。
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持ち札では「40年」あたりが最大でしょうが↑【ボクマガを並べて思いに耽る】だけでなく【リング誌を並べて思いに耽る】【リング誌とボクマガを並べて思いに耽る】など、広げてゆきます。