久しぶりにちょっと走りたくなりましたが、すぐに息が上がってしまいました。

散歩しかしてなかったのでキロ6分でも結構な負荷。

もっとゆっくり走るべきなのですが、これが難しい。「本当に強い人はキロ7分8分でも、3分切って走るのと同じしっかりしたメカニクスで走れる。走れるスピードの幅が狭いのは弱い証拠」みたいなことをどこかで聞いたのを思い出しました。

落合博満の「遅いボールをしっかり打てれば早いボールなんて簡単」というのに似てるのかもしれませんが、そんな境地は遠すぎます。

まともに刺激を入れてないから当たり前とはいえ、物心ついてから、今が最も持久力、走力がどん底的に落ち込んでいます。

それでもものすごく良い天気で、気持ち良かった。走ると暑いくらい。
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梅と河津桜は満開。ソメイヨシノは花びらも小さく色も淡すぎて、桜の仲間内ではインパクトが弱い気もしますが、花見の季節に見所を迎えるから愛されているのでしょうか?

近所の小さな侵略者の訪問を受けてガキどもを引き連れて走ったのですが、子供のエネルギーはすごい。年末に走ったときよりもはるかに速くなってました。

距離表示のある公園周回コースで「1000mと1500mの勝負をしよう」と中学の男の子と女の子が挑戦状を叩きつけてきましたが、今やったら確実に負けます。

そういえば前に勝負したのは1年近く前、そのときからこっちは劇的に体力が落ちてるというのに、奴らは劇的に向上しています。

「お前らと走ってもビジネスにならない」とメイウェザーばりの台詞で断りました。

週3日、2ヶ月くらい練習したらキロ3分がまだ遠いこいつらにはまだ負けないとは思い、もっと暖かくなって他のやつも集めて走ってあげると「ビジネスってなんだよー!」とブーブーいうガキどもをいなしました。

しかし、このなまりきった心身でそんな地道なことが出来るかどうか…。

次に勝負を挑まれたら「お前らには本気は出せない。エキシビションだ」で走って、「この負けは負けじゃない。なぜならエキシビションだから」とごまかそう。

「エキシビションってなんだよー!」と詰め寄られる未来を予想しつつ、ふと考えたのはこいつらも使ってるデジタル教科書の話。

デジタル教科書の本格導入は文部省の有識者会議によって「2024年度」と位置づけられています。

現在、デジタル教科書を使っている公立小中学校は1割もありません。

あと3年で、残り9割の整備が通信環境も含めて進むのか?という問題ではなく、そもそも「小中学校でデジタル教科書が本当に必要なのか?」を議論し尽くしていないところに行政の闇があります。

少年少女の学習効果や健康への検証をする前に「2024年度に本格導入」。これがまずありきで進められているのです。

とんでもない利権が絡んでいるのは言うまでもありません。「2024年度導入は先送り」となると、多くの関係業者が経営難に陥るでしょう。

しかし、順番が逆です。

デジタル教科書先進国の欧州では「初期教育では弊害しかない」という検証結果も出ています。
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リング誌とスポーツイラストレイテッド、ESPNマガジン。大きさが違うだけでなく、広告の入り方が全く違ったり、手触りも匂いも微妙に違います。こいつらは間違いなく、そこに存在しているのです。

「紙媒体の方が優れている」という研究結果を大々的に報じるのは、読売新聞や朝日新聞など紙媒体によって成り立っている大新聞ですから、全てを鵜呑みにはできません。

それでも、デジタル教科書のマイナス面として①視力低下②書く能力の低下③記憶力の低下は明らかです。

特に②③については、能力低下以前に、初期教育で身につけるべき自分なりの書き方、記憶のやり方を身につける前に高等教育に進むことになります。

欧州の大学で行われた実験で「紙媒体で教育を受けてきた若者」と「初期教育からデジタル中心で教育を受けてきた若者」の間には、書く能力において明白な差が生まれており、記憶能力に至ってはもはや同年代で起こりうる差ではなかった、という結果が出たといいます。

紙媒体産業が都合の良いデータを切り取って捏造しただけ、と捉えるにはあまりにも説得力のある実験結果です。 

米国の神経科学者メアリアン・ウルフは、欧州の若者17万人を対象にした研究で「デジタル機器よりも紙媒体で学習した方が理解度が高い」という結果を発表しています。

「教育ではゆっくり考え、共感力と批判的な分析力を身につけさせる必要がある」(ウルフ)ことから、脳が発達段階にある時期は紙媒体での学習が望ましいと結論付けています。

「スマホ脳」の著作で有名な精神科医アンデシュ・ハンセンも「自国のスウェーデンでやみくもに取り入れてしまったことで、学習能力が落ちてしまった。新しいことと優れていることは全く別物」と警鐘を鳴らしています。 


私の身近なところでも、若い世代の文章能力は文章問題をクリアしてきたはずの旧帝大卒でも「嘘だろ?」というくらいに酷いものです。 

文章の稚拙以前の問題で「この書き方だと相手に真意が伝わらない」というのがわからないのです。

先日、大手予備校の若い講師と話す機会があって、そういう話をすると「断片的な情報量が多い受験生は増えているが、それを有機的に組み立てたり、文章にする能力は低下している」ということでしたが、受験ビジネスとはデジタル化の波に合わせるしかありません。


紙媒体が完全になくなることはないかもしれませんが、リング誌などはプリントバージョンを廃刊とかはありそうです。あるいは、プリントバージョンの一気の値上げとか…。

考えると少しうんざりしてきます。