フォーブス誌のThe World’s Highest-Paid Athletes 、その記念すべき初回、1990年の首位を勝ち獲ったのはマイク・タイソンでした。

「トップボクサーが稼ぎ出すカネは他のスポーツとは次元が違う」。

ジャック・デンプシーがベーブ・ルースの何倍もの報酬を手にしていたように、この年のThe World’s Highest-Paid Athletes では高額収入の代表であったF1のアイルトン・セナの3倍近いカネをタイソンは稼いでいました。

そして、2位はバスター・ダグラス、3位シュガー・レイ・レナード、9位イベンダー・ホリフィールド。米国リングはトップテンになんと4人ものボクサーを送り込んでいたのです。
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The World’s Highest-Paid Athletes は1990年から始まりましたが、それ以前から「ボクサーの時代」は100年続いていたと考えて全く差し支えありません。
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そして「2年目」の1991年。

米国リングから世界の長者番付トップテンには一人増えて5人が席捲します。タイソンは前年の2860万ドルから3150万ドルと数字を伸ばしましたが、ホリフィールドはその上をいく6050万ドル。

さらに4位ジョージ・フォアマン、ヘビー級ボクサーに包囲された3位マイケル・ジョーダンの肩身が狭く見えてきます。8位レーザー・ラドック、10位にレナード。

しかし、ボクシングにとって、米国リングにとって皮肉なことに「100年帝国」はThe World’s Highest-Paid Athletes のわずか3年目で瓦解してしまいます。

逆に見ると、The World’s Highest-Paid Athletes はスポーツ界に大きな変革が起きた時代にシンクロするように始まったのでした。

「ボクサーの時代」の100年帝国を打ち倒したのは、ボクシングにとって強烈なカウンターとなる「ENDOSEMENTの時代」でした。

ナイキが空を翔び、ユニクロが天衣となる時代の黎明が1993年。 レイジェスやエバーラストにはナイキやユニクロが果たした芸当を演出することはできません。