2月20日(土)に開催されるPPVイベント、フロイド・メイウェザーvsローガン・ポールのエキシビション。

興行規模という一点だけなら、下手すると今年最大の試合になりかねません。

しかし、それまでの1ヶ月足らずの間でも、見るべき真剣勝負、大勝負が数多くセットされています。

そんなエキシビションではない、大一番をご紹介。
 
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Saturday 23, January 2021
 Mohegan Sun Casino, Uncasville, Connecticut, USA

USA Showtime 

WBO世界ジュニアフェザー級タイトルマッチ12回戦



王者レオの初防衛戦は、無敗同士の米国人対決。

レオとフルトンは共に26歳。さらには新型コロナで陽性反応を示し、試合を流したことまで共通しています。

オッズは王者が5/4(2.75倍)、挑戦者4/6(1.67倍)で王者交代を支持しています。

対戦相手の質は、IBOやWBOインターコンチネンタルのタイトルをコレクションしてきたフルトンがやや上です。とはいえ、パウルス・アムブンダ(亀田和毅に完敗)やアイザック・アベラル、アーノルド・ケガイと微妙な相手に勝ってきただけ。

世界基準では明らかに決定力に欠ける2人、どちらに転ぶかわからない一戦です。

王者は「アンダードッグは気にしていない。逆に燃えるキッカケになる。リングの上で私が世界王者である理由を証明する」。

挑戦者は「フィラデルフィアから世界を掴むことに人生のすべてを賭けてきた。それでも重圧はない」。

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【試合結果】119-111*2 118−110 ユナニマスデジションでフルトンが新王者に。

新型コロナの影響で、2度の延期の末に掴んだ栄光、喜びもひとしおでしょう。

「単にアウトボクシングしたわけじゃない、しっかり戦って世界王者になったことを見てほしい」(フルトン)。12ラウンドで1180発もパンチを放った回転力はさすがでした。

パンチスタッツを見ると、精度は互角かレオが上回りましたが、フルトンが手数で圧倒しました。

アクション豊富の面白い試合でした。しかし、スリリングな場面は一度も訪れず、合わせて1993発のパンチを交換した両者の非力さが浮き彫りになった36分間でもありました。

"I want champions," Fulton said. "I want to be undisputed."

「統一戦をやりたい。議論する余地のない王者になりたい」。技術と回転力、ハートも強いフルトンには完全統一王者の目もありますが、ここまで決定力がないといかに軽量級とはいえ物足りなさを禁じえません。

現在の階級マップはムロジョン・アフマダリエフがWBAとIBF、ルイス・ネリがWBCのストラップを保持。

ダニエル・ローマンとどっこいのアフマダリエフに、1階級上げてまとまりが出てきたものの迫力不足のネリ、そして今日の非力極まるフルトン。

IBF暫定王者、岩佐亮佑から見ても怖い対抗王者は見当たりません。