現在、日本で最も待たれる格闘技のマッチアップは「那須川天心vs武尊」でしょう。

この2人のキックボクサーをメインに添えるイベントが3月14日、東京ドームで開催されるというのです。
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米国のUFCもそうですが、年数回のイベントにスター選手を散りばめるRIZINと、ほぼ看板一枚で興行をいくつも打つボクシングを単純比較することは出来ません。 

とはいえ、村田諒太や井上尚弥のゲート収入や視聴率を上回る可能性も高いとみられています。

そして、米国ボクシングでテオフィモ・ロペスと並ぶ未来のスーパースター候補ライアン・ガルシアの口からも「MMA挑戦」が飛び出しました。

22歳の'King Ry'は「ボクシングは26歳で引退、そこからMMAでもチャンピオンを目指す」というのです。
 
"If they say, 'OK you've beaten everybody in the ring' [and] somebody goes 'this ain't real fighting -- real fighting is legs, choking, submissions, all that,'" Garcia said. "

「ボクシングで王者になっても『それはリアルファイトじゃない』と文句をつけるヤツもいるだろう。キックも締め技も何でもあり、それが本物のファイトだと」。


Ryの言葉は、わかるような、わからないような…。

「ボクシングが最強格闘技」だと思ってる人は、誰もいないでしょう。まさか、そこにこだわるボクサーがいるとは驚きでした。

実際はそれだけでなく、日本とは違い米国では〝市民権〟を得ているMMAの存在感、注目度や報酬はボクサーでも無視できないほどに大きなものです。

ボクシングの〝歴史的アドバンテージ〟がほとんどない女子では、MMAがすでにNo.1格闘技です。最大のスター選手の1人、クラレッサ・シールズは今年からMMAに参戦します。

もちろん、日本のキックや総合格闘技は〝市民権〟を目指していないことは一目瞭然ですが、那須川らトップ選手の報酬はほとんどのボクシング世界王者を凌駕しているでしょう。

ビッグイフですが、明日にでもキックやMMAが日本でもスポーツとしての〝市民権〟を得たら、一般紙や一般ニュースも大特集を組んで「天心vs武尊」を盛り上げ、ファンも急増することは間違いありません。

「日本ではボクシングがNo.1格闘技であり続けて欲しい」。

そう願うボクシングファンはいるかもしれませんが、多くはボクシングだけが好き、ボクシング以外の格闘技には一切興味がない、というわけではないでしょう。

彼らが〝市民権〟を得ることは、ボクシング界にとっては大きな脅威ですが、多くのボクシングファンにとっては楽しみでしかないはずです。

もちろん、その「楽しみ」には両者の健全な交流が含まれていることは言うまでもありません。