人気階級に殴り込んだ中谷正義。

そのトライアンフを祝して、新シリーズです。…そして、書きかけのものがどんどん増えてゆくのですが、どのお話も必ず続きます。

誰も口にしないことを書くのがこのブログのテーマです。「軽量級賛歌」はその重要な柱ですから「ウェルターが高貴で、フライバンタムは下卑 」なんて無知蒙昧な欧米目線とは一線を画します。

日本のファンにとっては「フライバンタムが花」で「ウェルターなんて知らねぇよ」です。
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それはいつ生まれたのか、誰も知らない。一つの細胞がやがて3つに分かれ、さらに8つに分かれ、さらに、そしてさらに、またまたさらに17まで増殖したのであった…。というわけでボクシングは妖怪の巣食う世界になってゆくのでした。

おさらいですが、ボクシングに限らずあらゆる格闘技はもちろん、水泳だってきっと最初は無差別級(自由形)から始まったはずです。

ボクシングのケースは、無差別級時代に王者になれなかった小さな才能の記録が、多く残されています。彼らは現代ならPFPキングでした。

無差別級しかなかった19世紀後半までの「ワイルド1」の時代から、ミドルとライトが生まれることでヘビーも名付けられた「プレミア3」、そして混沌の超軽量級がフライ・バンタム・フェザーと細分化されることで完成した「オリジナル8(8クラシック)」。

ヘビー級が今も特別であり続けている理由は誰にでも理解できるでしょう。

しかし、ヘビー級以外のクラスで、欧米における軽量級の存在感が文字通りの「存在が耐えられない軽さ」になってしまったのは、80年代からです。

井上尚弥についてもESPNが「コアなマニアのアイコン」と書くのはまだしも「ボクシングファンでも誰も名前も知らない」とまで切り捨てることに、日本のボクシングファンは憤りよりも先に戸惑いを覚えているかもしれません。

「PFP2位だぞ!」「黄金のバンタムだぞ!」「WBSS優勝だぞ!」と。

このブログの読者の方なら、お察しでしょうが「PFP」「黄金のバンタム」「WBSS」…この全ては米国での〝不人気キーワード〟です。

〝翻訳〟すると「日陰階級の救済措置」「掃き溜めに鶴」「(欧州が仕掛けた米国で人気の無い)空気階級トーナメント」です。

すでに、別のお話で支流的にいくつも書いてきたテーマですが、THE BUBBLEを弾けんばかりに揺るがした中谷正義の勇気のおかげで、ついに合流する時がやってきました。