今年はマニー・パッキャオがついに一度もリングに上がらず、カネロ・アルバレスもドタバタのカラム・スミス戦と、パンデミックの影響をまともに食らった一年になってしまいました。
来年は「東京2020」が無事に開催され、ボクシングでもメガファイトが普通に見れる一年になりますように。
…まだ、11月だというのに、完全に忘年会モードです。
さて、来年見たいカード、Potential Odds としてブックメーカーも期待するカードから独断と偏見で10試合を取り上げてみました。
個人的には「井岡一翔vs田中恒成」と「ローマン・ゴンザレスvsファン・フランシスコ・エストラーダ」の勝者が激突、延期の末に一旦白紙の「井上尚弥vsジョンリール・カシメロ」ですが、残念ながらジュニアバンタムとバンタムは欧米での関心・人気が極端に低い階級だけにPotential Oddsが出ることは、まずありません。
ちなみにPotential Oddsは参考賭け率、実際に試合実現すると仕切り直し、大きく変動した数字が叩い上がることも珍しくありません。
▶︎まずは茶番劇から行っちゃいましょうか。
「マイナースポーツ」「ゴルフやテニスのようにギアを購入する広い競技人口が富裕国に存在しない」「敗北イメージで失うものが多い」…などの理由からスポンサーがつきにくいボクシング。
その常識を覆したのが、ジョシュアです。The World's Highest-Paid Athletesでは19位、選手報酬3600万ドルにエンドースメントは1100万ドル、合わせて4700万ドルを獲得しました。エンドースメント比率は23.4%。
このランキングの常連フロイド・メイウェザーはHUBLOTが大スポンサーに名乗りをあげるまでは、エンドースメント0(ゼロ)が長らくデフォルトだったのは極端にしても、ボクサーとして考えられない数字です。
まだ31歳。ヘビー級というクラスを考えるとあと10年トップ戦線で戦い続けても不思議ではありません。
そして、5700万ドルを稼いでボクサー最高の11位にランクされたのがジプシーキング。このうち、エンドースメントは700万ドル、12.3%。ジョシュアには劣るものの、ボクサーで10%超えるなんてありえません。
英国でもボクシングはメジャーとは言い切れませんが、全階級がマイナー競技の米国と違うのは「ヘビー級王者はサッカーのトップ選手と並ぶ人気」という点でしょう。
オッズはWBA/WBO/IBF王者ジョシュア17/11(2.55倍)、WBC王者フューリー4/7(1.57倍)。Potential Odds とはいえ、生々しい妥当な賭け率です。
世界中のボクシングファンが待望した、無敗の巨人対決でした…寝かしてるうちに二人ともキズものになっちゃって商業価値は目減りしたものの、超弩級のメガファイトになるのは間違いありません。
このワイルダーも「Forbes Fighter」で、4650万ドルを稼ぎ出し19位ジョシュアに次ぐ20位。
しかし、エンドースメントは50万ドルにとどまり1.1%、途端に普通のボクサーの割合になりました。
「ヘビー級なら米国ではなく英国」と思い知らされる事実です。もちろん、米国人のワイルダーが英国を主戦場にしてもエンドースメントは伸びないでしょうが。
それにしても、ジョシュアとワイルダー。まばたき厳禁、KO決着が濃厚すぎるコテコテのマッチメイクです。
ジョシュア13/18(1.72倍)、ワイルダー5/4(2.25倍)。オッズはジョシュアですが、完全に50:50の試合です。
フューリーの1勝1分けで迎える決着戦。
オッズはジプシーキング2/7(1.29倍)、ワイルダー11/4(3.75倍)。
2試合で痛烈なダウンを応酬した両者ですが、賭け率は英国人に傾いています。
今年2月の再戦でボクシングIQの差を見せつけたフューリー有利という見立てへの反論は、ほとんどないでしょう。
決着の第3戦で、フューリーがセコンドに選ぶのはシュガー・ヒルか?それともベン・ダビソンの戻すのか?あるいは再三の男か?
そして、ワイルダーはまたしても被り物をして入場してくるのか、それともおとなしくガウン一枚羽織ってくるのか?
プロモーショナルツアーでのフューリーの大暴れも含めて、試合前から楽しめそうです。
ジョシュア1/2(1.5倍)、ウシク6/4(2.5倍)という賭け率は、かなりウクライナ人に好意的に映ります。
〝ヘビー級の完全体〟ジョシュアの巨軀を〝クルーザー級あがり〟から抜け出せないウシクが、どうさばくというのか?
ヘビー級での2試合の内容からは、ウシクが勝つ展開が想像できません。
ヘビー級の夢を諦めた米国ボクシングファンが最も求めるカードです。
オッズはWBO王者クロフォードが18/11(2.64倍)、IBF/WBC王者スペンス5/4(2.25倍)。いわゆる、レイザーシン・オッズ、カミソリ一枚の僅差です。
確かに、ウェルター級での対戦相手の質は2団体王者に軍配が上がります。
しかし、来月のダニーガルシア戦でスペンスがもたつくようなことがあると、このオッズは大きくひっくり返るでしょう。
これは「MUST!=義務」がつきまとう試合です。
とにかく、この試合は、やらなければなりません。
リングサイドにはもちろん、パッキャオを呼びつけなければなりません。
そして、パッキャオは、スーパースターの継承権を得た勝者の〝挑戦〟を受けなければなりません。
この試合の勝者vsパッキャオ。
究極のバトル・オブ・エイジで、生きる伝説は久しぶりのアンダードッグでリングに上がるのは確実です。
アンダードッグが、やはり久しぶりにパックマンに昇華すると予想します。スーパースターのトーチはスペンスやクロフォードには、ちと荷が重すぎます。
地味だけど激戦区のジュニアウェルター級の頂上決戦。
もし、実現ならテイラーがIBF/WBA、ラミレスがWBC/WBOと4つの領地をがっぷり分け合った形で激突する無敗王者同士の完全統一戦になります。
WBSSが企画できたように「ジュニアウェルター級はレベルは高いが人気クラスではない」(リング誌)のが現状です。
もし、完全統一王者が誕生しても「第二のクロフォード」になるだけという揶揄も聞こえてきますが、この試合はまさに Style Make Fights が当てはまりそうで、予想が全くつきません。
オッズはテイラー13/18(1.72倍)、ラミレス6/5(2.54倍)。テイラーの高度なスキルが、ラミレスの暴風を封じ込めると見られていますが…。
なんとしても実現してほしい、マニア垂涎のカードです。
▶︎ここからは、一般的なボクシングファンの関心が下がるライト級以下の「軽量級」。
このあたりのマッチアップは、テオフィモ・ロペスも絡めて多く出ていますが、あえてこのマッチアップで。
オッズはロマチェンコの4/6(1.67倍)、タンク10/11(1.91倍)。このPotential Oddsは、おそらく「ロマvsロペ」前に出たままです。
今なら、タンク・デービスに予想は傾いているでしょう。
と、考えたところで、レオ・サンタクルスを攻めあぐむ時間もあったタンクにロマチェンコを攻め落とすことができるかどうか、疑問です。思い直しました。
さらに、タンクの相手はまともな相手が少なすぎて、鮮やかなKO勝利が素直に受け入れられないのも事実です。
「ロマvsタンク」が実現したら…ロマがどんなコンディションでリングに上がるのかが、焦点になりそうです。
来年は「東京2020」が無事に開催され、ボクシングでもメガファイトが普通に見れる一年になりますように。
…まだ、11月だというのに、完全に忘年会モードです。
さて、来年見たいカード、Potential Odds としてブックメーカーも期待するカードから独断と偏見で10試合を取り上げてみました。
個人的には「井岡一翔vs田中恒成」と「ローマン・ゴンザレスvsファン・フランシスコ・エストラーダ」の勝者が激突、延期の末に一旦白紙の「井上尚弥vsジョンリール・カシメロ」ですが、残念ながらジュニアバンタムとバンタムは欧米での関心・人気が極端に低い階級だけにPotential Oddsが出ることは、まずありません。
ちなみにPotential Oddsは参考賭け率、実際に試合実現すると仕切り直し、大きく変動した数字が叩い上がることも珍しくありません。
▶︎まずは茶番劇から行っちゃいましょうか。
【①】マニー・パッキャオvsコナー・マクレガー
オッズはパッキャオ1/7(1.14倍)に対して、マクレガー9/2(5.5倍)。
この試合は両陣営が交渉のテーブルについており、来年実現する可能性は十分です。
揉めるとしたら体重でしょう。マクレガーとしてはフロイド・メイウェザー戦のジュニアミドル級=154ポンドが理想のラインですが、パッキャオはウェルター級147ポンドを要求するはずです。
来月42歳を迎えるパッキャオは、ウェルター級最強と目されるテレンス・クロフォードが開口一番に名前を挙げる〝ライバルから最も人気のあるボクサー〟。
伝説の物語を終わらせる役目を「俺に任せろ」と誰もが、渇望しています。
万一、マクレガーに負けて引退となるとファン以上に残念至極な感情に蹂躙されるのはウェルター級のトップ選手たちでしょう。
〝勝ち逃げ〟は許されません。
この試合は両陣営が交渉のテーブルについており、来年実現する可能性は十分です。
揉めるとしたら体重でしょう。マクレガーとしてはフロイド・メイウェザー戦のジュニアミドル級=154ポンドが理想のラインですが、パッキャオはウェルター級147ポンドを要求するはずです。
来月42歳を迎えるパッキャオは、ウェルター級最強と目されるテレンス・クロフォードが開口一番に名前を挙げる〝ライバルから最も人気のあるボクサー〟。
伝説の物語を終わらせる役目を「俺に任せろ」と誰もが、渇望しています。
万一、マクレガーに負けて引退となるとファン以上に残念至極な感情に蹂躙されるのはウェルター級のトップ選手たちでしょう。
〝勝ち逃げ〟は許されません。
▶︎そして、フォーブス誌のThe World's Highest-Paid Athletes100傑に三人も送り込んだヘビー級の最強決定へのラウンドロビンからも目が離せません。
【②】アンソニー・ジョシュアvsタイソン・フューリー
自宅前の銀杏並木から拾ってきた銀杏をむいて焼いて酒のつまみにしてると家族から「臭い!」と厳しく叱られてしまいました…。↑↑↑大ぶりで美味しいのに…。「マイナースポーツ」「ゴルフやテニスのようにギアを購入する広い競技人口が富裕国に存在しない」「敗北イメージで失うものが多い」…などの理由からスポンサーがつきにくいボクシング。
その常識を覆したのが、ジョシュアです。The World's Highest-Paid Athletesでは19位、選手報酬3600万ドルにエンドースメントは1100万ドル、合わせて4700万ドルを獲得しました。エンドースメント比率は23.4%。
このランキングの常連フロイド・メイウェザーはHUBLOTが大スポンサーに名乗りをあげるまでは、エンドースメント0(ゼロ)が長らくデフォルトだったのは極端にしても、ボクサーとして考えられない数字です。
まだ31歳。ヘビー級というクラスを考えるとあと10年トップ戦線で戦い続けても不思議ではありません。
そして、5700万ドルを稼いでボクサー最高の11位にランクされたのがジプシーキング。このうち、エンドースメントは700万ドル、12.3%。ジョシュアには劣るものの、ボクサーで10%超えるなんてありえません。
英国でもボクシングはメジャーとは言い切れませんが、全階級がマイナー競技の米国と違うのは「ヘビー級王者はサッカーのトップ選手と並ぶ人気」という点でしょう。
オッズはWBA/WBO/IBF王者ジョシュア17/11(2.55倍)、WBC王者フューリー4/7(1.57倍)。Potential Odds とはいえ、生々しい妥当な賭け率です。
【③】アンソニー・ジョシュアvsデオンティ・ワイルダー
世界中のボクシングファンが待望した、無敗の巨人対決でした…寝かしてるうちに二人ともキズものになっちゃって商業価値は目減りしたものの、超弩級のメガファイトになるのは間違いありません。
このワイルダーも「Forbes Fighter」で、4650万ドルを稼ぎ出し19位ジョシュアに次ぐ20位。
しかし、エンドースメントは50万ドルにとどまり1.1%、途端に普通のボクサーの割合になりました。
「ヘビー級なら米国ではなく英国」と思い知らされる事実です。もちろん、米国人のワイルダーが英国を主戦場にしてもエンドースメントは伸びないでしょうが。
それにしても、ジョシュアとワイルダー。まばたき厳禁、KO決着が濃厚すぎるコテコテのマッチメイクです。
ジョシュア13/18(1.72倍)、ワイルダー5/4(2.25倍)。オッズはジョシュアですが、完全に50:50の試合です。
【④】タイソン・フューリーvsデオンティ・ワイルダー
フューリーの1勝1分けで迎える決着戦。
オッズはジプシーキング2/7(1.29倍)、ワイルダー11/4(3.75倍)。
2試合で痛烈なダウンを応酬した両者ですが、賭け率は英国人に傾いています。
今年2月の再戦でボクシングIQの差を見せつけたフューリー有利という見立てへの反論は、ほとんどないでしょう。
決着の第3戦で、フューリーがセコンドに選ぶのはシュガー・ヒルか?それともベン・ダビソンの戻すのか?あるいは再三の男か?
そして、ワイルダーはまたしても被り物をして入場してくるのか、それともおとなしくガウン一枚羽織ってくるのか?
プロモーショナルツアーでのフューリーの大暴れも含めて、試合前から楽しめそうです。
【⑥】アンソニー・ジョシュアvsオレクサンダー・ウシク
これも、指名試合でいつ成立してもおかしくないマッチアップです。ジョシュア1/2(1.5倍)、ウシク6/4(2.5倍)という賭け率は、かなりウクライナ人に好意的に映ります。
〝ヘビー級の完全体〟ジョシュアの巨軀を〝クルーザー級あがり〟から抜け出せないウシクが、どうさばくというのか?
ヘビー級での2試合の内容からは、ウシクが勝つ展開が想像できません。
【⑦】テレンス・クロフォードvsエロール・スペンスJr.
ヘビー級の夢を諦めた米国ボクシングファンが最も求めるカードです。
オッズはWBO王者クロフォードが18/11(2.64倍)、IBF/WBC王者スペンス5/4(2.25倍)。いわゆる、レイザーシン・オッズ、カミソリ一枚の僅差です。
確かに、ウェルター級での対戦相手の質は2団体王者に軍配が上がります。
しかし、来月のダニーガルシア戦でスペンスがもたつくようなことがあると、このオッズは大きくひっくり返るでしょう。
これは「MUST!=義務」がつきまとう試合です。
とにかく、この試合は、やらなければなりません。
リングサイドにはもちろん、パッキャオを呼びつけなければなりません。
そして、パッキャオは、スーパースターの継承権を得た勝者の〝挑戦〟を受けなければなりません。
この試合の勝者vsパッキャオ。
究極のバトル・オブ・エイジで、生きる伝説は久しぶりのアンダードッグでリングに上がるのは確実です。
アンダードッグが、やはり久しぶりにパックマンに昇華すると予想します。スーパースターのトーチはスペンスやクロフォードには、ちと荷が重すぎます。
【⑧】ジョシュ・テイラーvsホセ・カルロス・ラミレス
地味だけど激戦区のジュニアウェルター級の頂上決戦。
もし、実現ならテイラーがIBF/WBA、ラミレスがWBC/WBOと4つの領地をがっぷり分け合った形で激突する無敗王者同士の完全統一戦になります。
WBSSが企画できたように「ジュニアウェルター級はレベルは高いが人気クラスではない」(リング誌)のが現状です。
もし、完全統一王者が誕生しても「第二のクロフォード」になるだけという揶揄も聞こえてきますが、この試合はまさに Style Make Fights が当てはまりそうで、予想が全くつきません。
オッズはテイラー13/18(1.72倍)、ラミレス6/5(2.54倍)。テイラーの高度なスキルが、ラミレスの暴風を封じ込めると見られていますが…。
なんとしても実現してほしい、マニア垂涎のカードです。
「右肩が痛くて動かなくて試合どころじゃなかった。怪我がなければ、もっと明白に試合を支配できたのに」。
【⑨】ワシル・ロマチェンコvsガーボンタ・デービス
このあたりのマッチアップは、テオフィモ・ロペスも絡めて多く出ていますが、あえてこのマッチアップで。
オッズはロマチェンコの4/6(1.67倍)、タンク10/11(1.91倍)。このPotential Oddsは、おそらく「ロマvsロペ」前に出たままです。
今なら、タンク・デービスに予想は傾いているでしょう。
と、考えたところで、レオ・サンタクルスを攻めあぐむ時間もあったタンクにロマチェンコを攻め落とすことができるかどうか、疑問です。思い直しました。
さらに、タンクの相手はまともな相手が少なすぎて、鮮やかなKO勝利が素直に受け入れられないのも事実です。
「ロマvsタンク」が実現したら…ロマがどんなコンディションでリングに上がるのかが、焦点になりそうです。
【⑩】WBOジュニアライト級王者ジャメル・ヘリングvsカール・フランプトン
ヘリング4/5(1.8倍)、フランプトン1/1(1倍)。
王者がアンダードッグですが、現実に試合決定なら逆転するはずです。 それでも、オッズや予想は僅差になってしまうでしょうが…。
王者がアンダードッグですが、現実に試合決定なら逆転するはずです。 それでも、オッズや予想は僅差になってしまうでしょうが…。
ファンの目を惹くPotential Oddsが出るのは、せいぜいライト級までですが「ヘリングvsフランプトン」は、ジュニアライト級。
実際に対戦交渉が進んでいる生々しさに加えて、アイルランドの人気者、フランプトンの磁力がPotential Oddsも引きつけた格好です。
ジュニアライトは日本人にも馴染みとコネクションも強い階級ですから、彼らの戦いに絡んでいってほしいものです。
コメント
コメント一覧 (2)
あとワイルダーの暴走っぷりにもどこかで言及してほしいです。
フシ穴の眼
がしました