今日10月10日は何の日?

「体育の日」だと思ってました。

しかし、今年から「体育の日」は「スポーツの日」に名称が変わり、10月の第二月曜日に設定されました。

そして、五輪イヤーの今年は、「スポーツの日」を開会式の7月24日に前倒しすると昨年12月27日に内閣官房 東京オリンピック競技⼤会・東京パラリンピック競技⼤会推進本部事務局から発表されていました。

「スポーツの日」は聞いたことがありましたが、7月24日に前倒されたこと、10月の第二月曜日ということは、いまの今まで、知らなんだ。

だから、今日は「体育の日」でも「スポーツの日」でも無いのです。

では、今日10月10日は何の日でも無いのか!と思いきや、スーパーの鮮魚売り場でこんなものを発見。
IMG_4394
日本かつお・まぐろ漁業協同組合によると…。

▶︎今から1300年ほど昔の奈良時代に、山部赤人(やまべのあかひと)という歌人がいました。この山部赤人が、西暦726年(神亀3年)の10月10日に、奈良の大仏を建立したことで有名な聖武天皇(しょうむてんのう)のお共をして兵庫県の明石地方を訪れたときに、まぐろ漁で栄えているこの地方をたたえて読んだ歌が残っています。

この山部赤人の歌は、日本人とまぐろの深いかかわりをしのばせる、昔から有名な歌で、山部赤人がこの歌をよんだとされる日にちなんで、毎年10月10日は「まぐろの日」とされています。▶︎


ということでした。

51J094wRnML._SX352_BO1204203200_

「きょうの今まで知らなんだ」的な話としては 、有斐閣から発行されている「ジュリスト」誌が、かつて月2回発行だったのが、ずいぶん前から月刊誌になったようです。

先日、仕事先の方との雑談で、話題になったのですが、そんなことも知らなんだ…。

大学生や法律関係のお仕事に就いていないと、馴染みの薄い雑誌ですが、時代の先端を捉える判例紹介誌は非常に興味深く、もはや法律とかは関係なく夢中で読み耽ったものでした。

この事件がどう裁かれたか?を透明なカメラレンズだけを通して精査してゆくのが物語としても面白いのです。

裁判も、そこに至る事件も人間同士の摩擦によって引き起こされるものです。

そこには、ドライで断片的な証拠や事実関係だけでなく、生々しか脈動する人間関係を見つけ出す「情状酌量の余地」が蠢いており、それが判決に少なからず影響を与えるフェイズは、まさにドラマのクライマックスに他なりません。

 

そんなジュリスト誌の名解説のように、ボクシングの判定を考察したいと始まった、発作的突発シリーズも今日で5回目。

前置きが長くなりましたが、日本時間のお昼に行われたエマヌエル・ナバレッテvsルーベン・ビラ。

序盤に2度のダウンを奪ったナバレッテが支配していた内容でしたが、中盤からビラがボクシングに徹底して「どちらが科学的か?」という訳のわからない物差しが持ち出されたのか、二人のジャッジは114−112とわずか2ポイントしか25歳のメキシカンにアドバンテージを与えませんでした。

もう一人も115−111で、ナバレッテが5つのラウンドを失ったと見ました。

Boxing News24は113−113とドローとスコア、ダウンが一度だけならビラが勝っていたという見立てです。

Punch Stats
PUNCHESNAVARRETEVILLA
Total landed163131
Total thrown674607
Percent24%22%
Jabs landed3273
Jabs thrown257372
Percent13%20%
Power landed13158
Power thrown417235
Percent31%25%
-- Courtesy of CompuBox


Boxing News24は113−113とドローとスコア、ラウンドでは7−5でビラ、ダウンが一度だけならビラが勝っていたという見立てで「ナバレッテはアントニオ・マルガリートの劣化縮小版」と突き放してもいます。

さらに「このユナニマスデジションは驚くに値しない。なぜならトップランクがスターにしようとしているナバレッテは負けないようになっている。KOされない限り彼は負けない」とも。

He’s the guy that Top Rank is trying to turn into a star, and he wasn’t going to lose unless he was knocked out.

Boxing News24の見立ては、行き過ぎです。これを「議論を呼ぶ判定」とは誰も言いません。

ただ、私の目とラスベガスのジャッジはやはり乖離が特に大きく感じました。

これは①攻勢を評価する日本的な見方と②ジャブを評価するラスベガス、の差です。さらに「トップランクの陰謀」ではなく、ESPNの解説もナバレッテ圧勝を煽る内容で、バイアスになったかもしれません。
スクリーンショット 2020-10-10 16.59.30
「フェザー級でもあなたは強かった」。「パワーパンチの命中数の差は131−58でビラを圧倒」。「ナバレッテの131発のパワーショットはビラの全ヒット数と全く同じ数字だった」。


パンチスタッツではパワーパンチで大差がついたのと裏返しに、ジャブのヒット数では32−73とダブルスコア以上でビラに軍配が上がっています。

「ボクシングはSweet Science」。しかしそれをあまりにも短絡的に捉えているのは納得できません。

空振りを厭わずブンブン振り回す攻勢は科学から程遠いから、減点対象にもなっているのかもしれません。

両者ともに決定打がなければ、攻勢を続けるファイターよりも、効果のないジャブを下がりながら打つスタイルにポイントが流れる傾向があるようにも思えます。

ブンブン振り回すのは科学的じゃなく、臆病にジャブを突いて後退するのが科学的…。ボクシングは格闘技です。格闘技における科学は、そんな薄っぺらいものじゃないでしょう。

現行のスコアは10−10を付けることを極端に嫌う傾向も問題です。

どちらにも振れない微妙なラウンドを10−10にしていれば今日の試合はもっと現実に即した採点結果になっていました。

10−10がほとんど付けられないこと、10−9の幅が大きいことの問題は明らかです。これは、10−9の中に実は多くの「10−10」が紛れ込んでいることが原因です。

また、2度のダウンを取るなら1ラウンドにまとめる(10−7=3ポイント)よりも、別々のラウンドで取る(10−8*2=4ポイント)方が得、というのも訳がわかりません。

もちろん、必ずしもジャブを評価しない「カネロのラスベガス採点」は黒い疑惑を抑えきれませんが、ジャッジに特別な思惑があるということは事実が発覚しない限り論じるべきではありません。

そして、ジャッジの仕事が〝免許更新〟などの研修・試験が課せられない永久就職であることは、もっと深刻な問題かもしれません。