7月9日にジェリー・フォレストとのヘビー級10回戦に出場予定だったジャレル・ミラーがVADAの検査で陽性反応を示し、試合は中止になりました。

ミラーは昨年6月にアンソニー・ジョシュアと三団体のタイトルを懸けて戦う予定でしたが、ここでも薬物検査に引っかかり試合は中止、WBAから6ヶ月の活動停止処分を受けていました。

ジョシュア戦ではキャリアハイの487.5万ドル、約5億円が保証されていましたが、これももちろんパァ。

ミラーの代打アンディ・ルイスJr.が歴史的な大番狂わせを起こしたことで忘れられがちですが、暗愚なビッグダディはこれまでに何度もドーピングを繰り返してきた常習犯。頭は子供以下の幼稚さです。

本当は「ドーピングの常習犯」なんて存在してはいけない言葉です。
WBC-VADA-Clean-Boxing-Program-300x173

ミラーは元キックボクサーで、2014年にミルコ・クロコップ戦で判定負けしたときも尿サンプルから禁止薬物が検出され、試合を統括したカリフォルニア州アスレティック・コミッションからライセンス停止と罰金の処分を受けています。

そこから数えて、ドーピングによる試合中止は、これが3試合目。

さらに、昨年4月からはVADAのランダムテストで4度も陽性反応を示していましたから、フォレストのプロモーター、ルウ・ディベラが、ミラーにも厳正な検査をするようVADAに要請していました。

もう、とっくの昔に許容範囲を超えています。

これでニューヨーク州に続いてネバダ州でもライセンス停止の罰則が適用されるでしょうが、他の州では交付される可能性は十分あります。

ライセンスが交付されて世界王座挑戦権や地域タイトルを争うとなれば、アルファベット団体は喜んで承認するでしょう。

日本でドーピングと聞くとルイス・ネリが思い浮かびますが、ドーピングに関しては前科一犯(だから許されるわけではありませんが、ボクシング界では前科一犯は珍しくありません)。

しかも、日本から事実上の永久追放処分を受けたことから、軽量級のネリがビッグファイトのメインイベントに立つことはありません(目立たなけりゃいいという問題でもありませんが、無名のネリを処分するよりもミラーに厳しい罰則を科すことが、はるかに大きなボクシング界への見せしめ効果・抑止力になるはずです)。

陸上競技で最も厳しい8年資格停止でも甘いです。

といっても、世界的な統括団体が存在しないので地域や承認団体限定の処分しか下せないのが、もどかしすぎます。

地域や承認団体も、他の地域やライバルに抜け駆けを喰わないよう大甘の処分しか出来ないでしょう。