ガブリエル・ガルシア・マルケス原作の映画「コレラの時代の愛(Love in the Time of Cholera)」を見直していたら、リング誌でも南アフリカの奮闘を描いた記事が目に入りました。

小説も読み直してみようっと。



5月24日付けリング誌電子版から〜。南アフリカも苦しんでいます…。

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ノーベル賞作家のマルケス、結構好きな作家です。

とにかく、何よりも名前が素晴らしい。

ガブリエル・ガルシア・マルケス。

ジュニアフェザー級あたりの世界ランキングに名前が載ってそうです。無骨で打ち合い上等のメキシカンですね。


※マルケスはコロンビア人



 

新型コロナ感染のパンデミックは南アフリカ経済にも大きな打撃を与えている。

3月27日から実施されたロックダウンは5週間延期され、厳戒態勢は日々の生活に必要な最低限の業種を除いてあらゆる産業の操業がストップするレベル4に引き上げられた。

全面的な外出禁止令は5月1日に緩和されたが、外出制限は続いている。

一方で、南アの警察当局が22日に発表した犯罪統計は外出禁止令の期間で殺人が前年同期比63%減の1072件(ということは昨年同期は約3000件)、性的暴行が同82%減の919件(約5100件)、強盗が67%減の5397件(1万4600件)。犯罪件数は激減している。

その最大の原因は人の移動が抑制されたからではなく、主要都市に武装した軍や警察が大量配備されたから。

一方で、マスクや防護服が空港などで盗難に遭う事件が多発している。国内はまだ、大混乱の最中だ。
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そして…。当然のことながらボクシングイベントの再開は、全産業の再始業後のことになる。

ボクサーは自宅練習で出来る限りのトレーニングに励んでいるが、ジムは封鎖されスパーリングなどの対人練習は出来ていない。

クルーザー級のケビン・レレナのトレーナー、スミスは「4〜6回戦のボクサーなら、4〜6週間の時間で準備できるが、ケビンのようなコンテンダーレベルになると最低でも8週間は欲しい」と、トップ選手が出場するイベントはロックダウン解除から最短でも2ヶ月後になると語っている。

「選手のレベルやキャリア、ボクシングの人生における位置づけは十人十色。普通のボクサーなら年4試合はこなしたいだろうし、トップでも最低で2試合はリングに上がりたい」。

WBCクルーザー級王・マカブのトレーナー、ダミアン・デュラントも「誰にとっても最悪」と嘆き「特に、多くの経験を積みたい20代前半のホープや、キャリア終盤で集大成の試合を考えている時間の無いベテランにとっては本当に最悪」と同情している。

残された時間が限られているベテラン、37歳になるIBFフライ級王者モルティ・ムザラネはその典型だ。

南アの現役ボクサーで最も大きな業績を積み重ねているムザラネにとって、このパンデミックは最悪のタイミングだった。

前リング誌ジュニアフライ級王者ヘッキー・ブドラーも、もう一花咲かせたいと燃えていた。1年以上ブランクを作っていたプドラーはようやく試合が組まれていたが、ロックダウンによって直前で中止に追い込まれた。

前IBFストロー級王者ヌコシナチ・ジョイもジョーイ・カノイから印象的な勝利を収め、さらなるピッグファイトを狙っていたが、36歳の未来には分厚い雲が垂れ込めてしまった。

ランブル・アフリカ・プロモーションズのノムフェセン・ニャゼラ最高責任者は「(政府が終息宣言を出すまで)待って、イベントを再開する」 と慎重だが、公式の「解禁」を待たずに試合を行う動きも出てきている。
ムザラネとブドラーをマネジメントするコリン・ネイサンは「UFC249を青写真にした取り組みが求められている。無観客試合とそこから当然帰結する選手報酬のカットは避けられない」と当面の方針を語る。

しかし、ネイサンは「前を向いて進まなければならない。長いスパンで考えると悪いことばかりじゃないだろう。ソーシャルディスタンスから1000人の会場に30%しか観客を入れることができなくても、テレビやネットでの視聴者増える可能性が大きい。この国には5500万人の人がいる。面白いマッチメイクをすればテレビを見る人は間違いなく増える」とタダでは転ばない構えだ。


若いホープたちに躍動のリングがいつ開放されるのか。

ムザラネとブドラーには最後の花道が用意されるのか。

 Only time will tell.

今は、誰にもわからない。





南アフリカというと、最近だと井上尚弥との対決が期待されたゾラニ・テテ、私が現役時代を知っているボクサーでもブシ・マリンガ、ブライアン・ミッチェル、ブヤ二・ブング、フィリップ・ヌドゥ、コーリー・サンダース、ゲーリー・コーツィー、フランソワ・ボタ…結構ぞろぞろ思い出すことができます。

人間の愚かさが紡いでしまった悲惨な歴史を持つ国です。こういう世界的に過酷な試練が余計に重くのしかかってしまうのも、この国です。

今更ながら、日本は相当に恵まれた国です。