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TITLES

タイトル問題:現在、主要4団体と呼ばれる承認団体はいずれも「世界タイトル」を階層的に設定しています。

「インターナショナル」「インターコンチネンタル」「ユース」…。

さらに、WBAとWBCは「スーパー」「ゴールド」「フランチャイズ」「ダイアモンド」など、どのタイトルが最上位なのかわからない世界タイトルを乱発。

承認団体にとってタイトルとは「増やせば増やすほど承認料の課金機会が増える」「上位タイトルを作ることで高い承認料を支払う余裕のある人気階級や人気選手を囲い込める」と、良いことづくめです。

しかし、IBFとWBOは上位タイトルを設定していません(WBOがスーパーを承認する場合はセカンドタイトルは設けない)。この2団体は暫定王者に対しても、先行2団体が隙あらば暫定王座決定戦を実施するのに対して、納得出来る背景があるケースがほとんど。

指名試合については、4団体の中でIBFが良い意味で最も厳格で、悪い意味で最も融通が利きません。

4団体統一のUndisputed Champion の誕生を阻害する要素は数多くありますが、IBFの頑迷な政策もその一つになっています。

IBFの頑固で猶予の無い姿勢がなければ、最近でもヘビー級やミドル級などの人気階級でUndisputed Championが生まれていたはずです。




RAKINGS

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ランキング問題:90年代中盤から2000年代初めにかけて、IBFは大きなスキャンダルに揺れます。

1999年11月、初代会長のロバート・リーSr.がプロモーターやマネージャーから賄賂を受け取り、ランキングを操作していたことで糾弾されたのです。

後発団体のIBFはその誕生から、米国や韓国選手を優遇、書類上の手続きでスター選手を囲い込むなど、ランキングや王者の正当性に疑問が突きつけられる宿命的課題を抱えていました。

2000年8月、リーはマネーロンダリングと脱税の罪で有罪判決を下され、懲役22ヶ月の実刑が科せられました。

IBFの腐敗は1999年3月の「イベンダー・ホリフィールドvsレノックス・ルイス」のヘビー級統一戦にまで遡ります。この試合は誰もがルイスの優勢に見えましたが、判定は三者三様のドロー。

唯一、ホリフィールド勝利とスコアしたユーゲニア・ウィリアムスはIBFの任命を受けたジャッジだったのです。

後発団体の宿命的課題と、リー・スキャンダル。

現在のIBFの神経質なまでのランキングや指名試合への執着は、二つの十字架の重みの反動・後遺症かもしれません。

現在のランキングで目を引くのは1位と2位の空位が異常なまでに多い点です。この気持ち悪いランキングから垣間見えるのは、世界挑戦権が絡むポジションに対して必要以上に神経質なIBFの姿勢です。

当日計量のリバウンド制限が105ポンド級でも200ポンド級でも同じ10ポンドという、頭の固さを通り越した算数も出来ない頭の悪さも不気味に映ります。

WBAやWBCのように開き直って腐敗を極めるよりも、病的であっても潔癖症の方がマシ、とあなたが考えるなら、それはきっと間違っています。

それが承認団体である限り、潔癖性だろうがなんだろうが必ず腐敗しているのですから。




DRUGS

ドーピング問題 :IBFでは試合後のドーピング検査が義務付けられています。

ただし、WBCのように五輪式のランダムテストは奨励されていません。 

一方で、ドーピングを犯したボクサーへのペナルティは4団体の中で最も明確です。

各国(各州)のコミッションからドーピングによりライセンス停止されたボクサーは1年間のランキング追放処分、再犯の場合は永久追放となります。 

もちろん、このことはIBFのタイトル戦に出場できない、ということしか意味しません。 


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【階級表示】IBFはジュニア表記が基本。108ポンドは「ジュニアフライ」、105ポンド級は「ミニフライ」。ちなみに女子の102ポンド級は「ジュニアミニフライ」。

※WBAとWBCはスーパー表記。108ポンドは「ライトフライ」、105ポンドはWBAが「ミニマム」、WBCが「ストロー」。女子102ポンド級はWBAが「ライトミニマム」、WBCは「アトム」。

※WBOはジュニア表記。200ポンド級は「ジュニアヘビー」、105ポンド級は「ミニフライ」。女子102ポンド級は「アトム」。