権威のあるフォーブス誌のアスリート長者番付を見れば一目瞭然、ボクシングは世界で最もカネが稼げるプロスポーツです。

そのボクシングの本場が、米国ネバダ州ラスベガス。
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そこではフロイド・メイウェザーとマニー・パッキャオが、たった1試合36分間で3億ドルのファイトマネーを分け合うなど、MLBや欧州サッカーのトップ選手も羨むピッグマネーが当たり前に飛び交っているのです。

先週もデオンティ・ワイルダー とタイソン・フューリーの2人がメガファイトを繰り広げたばかり。

ワイルダー とフューリーは最低保証で2500万ドルずつを手にしましたが、PPVの歩合収入がこれに加算され、さらに巨額の報酬を手にする見込みです。

この華やかなボクシングの世界で1人の日本人ボクサーが恐ろしく高い評価を得ています。

ボクシングの聖書と呼ばれる米国リング誌のPFPランキングで、日本史上最高位の3位にランキングされている井上尚弥です。

井上は、無敗のまま2階級にわたって二桁防衛を果たした伝説の名王者オマール・ナルバエスを2ラウンドで粉砕。

10年無敗王者ジェイミー・マクドネル、元スーパー王者ファン・カルロス・パヤノを1ラウンドでKO、無敗のIBF王者エマヌエル・ロドリゲスも2ラウンドで倒しました。

「体重同一時と仮定して誰が一番強いのか」をランクするPFPでは、ワイルダー やフューリーは下位にも名前が見当たりません。

ところが、井上はトップを捉えるポジションにつけているのです。

井上は昨年、「黄金」と形容されるバンタム級で展開されていた全世界注目の高額賞金トーナメントWBSSで優勝、日本人としては史上初の聖書リング誌の単独カバーまで飾りました。

この実績に飛びついた世界最高のプロモーター、トップランクと複数試合契約を締結、ついに本格的な米国進出が決定したのです。

しかも、その舞台はマンダレイベイ。メイウェザーやパッキャオらも戦ったラスベガスの聖地です。

その才能は日本の小さなボクシング市場が受け止めることなど出来るわけもなく、ラスベガスに招かれた井上は1試合て何十億円も稼ぐスーパースターになるでしょう。

その勇姿は、もう日本で見ることは出来ないと諦めていましたが、トップランクは日本のファンを慮って年末に日本での試合も予定してくれました。

ラスベガスに莫大な富をもたらす井上を、小さなマーケットの日本にわざわざ凱旋させてくれるのです。ボブ・アラムの粋な計らいに感謝です!

気になるのは、井上のラスベガス上陸という大快挙に日本国内の盛り上がりが今ひとつな点です。

日本では、THE ANSWER など一部の良識あるメディアやボクシング情報に詳しい博識なファンを除くと、世界がどれほど井上を評価しているのかを全く理解出来ていないのが現状です。

もしかしたら、規格外のスーパースターに慣れていない日本のスポーツファンやメディアは、単純に戸惑っているだけなのかもしれません。

「どれだけ凄いことなのか、世間がイマイチ分かってないのがねぇ…」と松本人志が嘆くのも当然です。