ハッタリの賞金、選手の不満と告発、そしてスケジュール遅延が当たり前の運営、ビッグネーム不在の不人気階級で実施されたこともあり米国での関心が低く低空飛行が続いたワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)。
波乱満載のセカンドシーズンも、クルーザー級のWBO王者マイリス・ブリエディスvsIBF王者ユニエル・ドルティコス(3月21日:ラトビア リガ)でなんとか「ゴール」を迎えます。
ファーストシーズンは「クルーザー級」「スーパーミドル」、セカンドシーズンで「クルーザー」「ジュニアウェルター」「バンタム」の全5階級で展開。
「The Undisputed Champion を決定するトーナメント」を標榜していましたが、完全統一王者はクルーザー級のオレクサンダー・ウシクだけしか生み出すことが出来ませんでした。
興行的にもファーストシーズンから空席が目立つ会場が多く、その傾向はセカンドでも加速してしまいます。
それでもサウジアラビアやDAZNが手を差し伸べたことで、破綻寸前の資金繰りを立て直しました。
「不人気階級」「スター選手は参加しない」という最初から両翼をもがれた形でキックオフしたにもかかわらず、「高額賞金トーナメント」を謳い、公言していた賞金総額5000万ドル、優勝賞金1000万ドルは一度も支払われることがありませんでした。
しかし、WBSSが仕掛けた5階級のうち1階級でUndisputed Champion を決定させ、3階級で2団体統一王者を生み出した事実は十分評価できます。
そして「バンタムが不人気階級でない」経済大国の日本で「村田諒太に次ぐマネーパワーを持つ」井上尚弥の立場から見たWBSSは、両翼がもがれたトーナメントなどではなく、世界のボクシングマニアに名前を轟かせる飛躍の舞台になりました。
実際に「WBSSは日本で開催された2試合については画期的な大盛況、大成功」(リング誌)でした。
もちろん、「井上vsノニト・ドネア が名勝負になったのは結果論で、そもそもドネア(WBSS運営に関わるリチャード・シェーファーがマネジメント)が階級最強トーナメントへの参加資格を与えられるのが狂ってる」という批判は、まともなスポーツなら正鵠を射ています。
※その後、シェーファーは金銭面のトラブルから運営サイドから追放されています。
ドネアはジュニアフェザーとフェザーを迷走しながら直近3試合を1勝2敗。カール・フランプトンに完敗した時点で「ここで引退するのがベスト」と多くのメディアに書かれた当時36歳。
ドネアがバンタム級最強トーナメントに名前を連ねるのは誰が考えても違和感しかなく、実際に開幕直前の優勝オッズは参加選手中最低の50倍でした。
優勝候補の一角ライアン・バーネットに勝利しても最低オッズは変わらず、ゾラニ・テテとの準決勝でも圧倒的不利予想が立てられてしまいます。
テテの代役ステフォン・ヤング戦でやっと有利のオッズが出ますが、それも小差。無名の30歳を一発で倒したものの、完全にスピード負けしていた嫌な展開でした。
半年後の井上戦も悲惨な結果しか予想されませんでしたが…。
しかし、これがボクシングです。ドネアがトーナメントに組み込まれたことも含めて、他のスポーツではありえないことが普通に起きるのがボクシングです。
そして、もう一度繰り返しますが、WBSSは詐欺的トーナメントのダークサイド一色ではありませんでした。
特に、井上と日本のボクシングファンにとっては、間延びしまくりの杜撰なスケジュール以外は、十分に楽しめる実りあるトーナメントでした(最初に思い描いた報酬とはまったく違ったほとんどの選手は可哀想でしたが)。
これは、欧米では不人気の軽量級でも、日本や経済発展著しいアジアでは活路があるということです。
欧米目線では不人気のバンタム級でも、日本では堂々のビッグファイトなのです。
「今頃気づくな」という話ですが、バンタム級がメインで2万人以上の有料観戦者が埋まったさいたまスーパーアリーナの景観は欧米のボクシングファンはもちろん、メディアの度肝を抜きました。
リング誌2月号でもWBSSを「総括」。見開きページはフルハウスの「たまアリ」。リング誌は「全てが順調というわけではなかったが、WBSSの理念〝世界王者は1人でなければならない〟には全面的に賛同する」と評価。
そして、カレ・ザワーランドは〝 I'll be looking at two weights 〟(とりあえずは2つの階級で考えている)と「サードシーズン」にも意欲を見せています。
「フライ級(112lb)とジュニアバンタム級(115lb)。それも今までとは趣向を変えてキャッチウェイトでの実施も考えている」というのです。
目に付けどころが良いですね。全試合を日本で開催したいでしょうね。ただ、そうなるとWBSSに主導・主催させて金儲けさせてあげる必要はないとも思えますが…。
「フライ+ジュニアバンタム・キャッチウェイト構想」の詳細は明らかではありませんが、例えば114lbのキャッチウェイトでフライ級とジュニアバンタム級のトップ選手を集めてモハメド・アリ杯を争うということでしょうか。
階級の異なる王者同士の戦いとなると、どちらのタイトルを賭けるのか複雑ですが、レナード式でどっちも賭けてもらいたいですね…。
もし、フライとジュニアバンタムの4団体王者が参加すると、優勝者は8つのアルファベットのベルトをコレクション、二つの階級で Undisputed Champion の座に就くことになります。
ザワーランドはサードシーズンについて「フライ+ジュニアバンタムの他にも、ミドル級とヘビー級でも企画している」と言っちゃってますが、これはいつもの嘘ですね。言わなきゃいいのに…。
波乱満載のセカンドシーズンも、クルーザー級のWBO王者マイリス・ブリエディスvsIBF王者ユニエル・ドルティコス(3月21日:ラトビア リガ)でなんとか「ゴール」を迎えます。
ファーストシーズンは「クルーザー級」「スーパーミドル」、セカンドシーズンで「クルーザー」「ジュニアウェルター」「バンタム」の全5階級で展開。
「The Undisputed Champion を決定するトーナメント」を標榜していましたが、完全統一王者はクルーザー級のオレクサンダー・ウシクだけしか生み出すことが出来ませんでした。
興行的にもファーストシーズンから空席が目立つ会場が多く、その傾向はセカンドでも加速してしまいます。
それでもサウジアラビアやDAZNが手を差し伸べたことで、破綻寸前の資金繰りを立て直しました。
「不人気階級」「スター選手は参加しない」という最初から両翼をもがれた形でキックオフしたにもかかわらず、「高額賞金トーナメント」を謳い、公言していた賞金総額5000万ドル、優勝賞金1000万ドルは一度も支払われることがありませんでした。
しかし、WBSSが仕掛けた5階級のうち1階級でUndisputed Champion を決定させ、3階級で2団体統一王者を生み出した事実は十分評価できます。
そして「バンタムが不人気階級でない」経済大国の日本で「村田諒太に次ぐマネーパワーを持つ」井上尚弥の立場から見たWBSSは、両翼がもがれたトーナメントなどではなく、世界のボクシングマニアに名前を轟かせる飛躍の舞台になりました。
実際に「WBSSは日本で開催された2試合については画期的な大盛況、大成功」(リング誌)でした。
もちろん、「井上vsノニト・ドネア が名勝負になったのは結果論で、そもそもドネア(WBSS運営に関わるリチャード・シェーファーがマネジメント)が階級最強トーナメントへの参加資格を与えられるのが狂ってる」という批判は、まともなスポーツなら正鵠を射ています。
※その後、シェーファーは金銭面のトラブルから運営サイドから追放されています。
ドネアはジュニアフェザーとフェザーを迷走しながら直近3試合を1勝2敗。カール・フランプトンに完敗した時点で「ここで引退するのがベスト」と多くのメディアに書かれた当時36歳。
ドネアがバンタム級最強トーナメントに名前を連ねるのは誰が考えても違和感しかなく、実際に開幕直前の優勝オッズは参加選手中最低の50倍でした。
優勝候補の一角ライアン・バーネットに勝利しても最低オッズは変わらず、ゾラニ・テテとの準決勝でも圧倒的不利予想が立てられてしまいます。
テテの代役ステフォン・ヤング戦でやっと有利のオッズが出ますが、それも小差。無名の30歳を一発で倒したものの、完全にスピード負けしていた嫌な展開でした。
半年後の井上戦も悲惨な結果しか予想されませんでしたが…。
しかし、これがボクシングです。ドネアがトーナメントに組み込まれたことも含めて、他のスポーツではありえないことが普通に起きるのがボクシングです。
そして、もう一度繰り返しますが、WBSSは詐欺的トーナメントのダークサイド一色ではありませんでした。
特に、井上と日本のボクシングファンにとっては、間延びしまくりの杜撰なスケジュール以外は、十分に楽しめる実りあるトーナメントでした(最初に思い描いた報酬とはまったく違ったほとんどの選手は可哀想でしたが)。
これは、欧米では不人気の軽量級でも、日本や経済発展著しいアジアでは活路があるということです。
欧米目線では不人気のバンタム級でも、日本では堂々のビッグファイトなのです。
「今頃気づくな」という話ですが、バンタム級がメインで2万人以上の有料観戦者が埋まったさいたまスーパーアリーナの景観は欧米のボクシングファンはもちろん、メディアの度肝を抜きました。
リング誌2月号でもWBSSを「総括」。見開きページはフルハウスの「たまアリ」。リング誌は「全てが順調というわけではなかったが、WBSSの理念〝世界王者は1人でなければならない〟には全面的に賛同する」と評価。
そして、カレ・ザワーランドは〝 I'll be looking at two weights 〟(とりあえずは2つの階級で考えている)と「サードシーズン」にも意欲を見せています。
「フライ級(112lb)とジュニアバンタム級(115lb)。それも今までとは趣向を変えてキャッチウェイトでの実施も考えている」というのです。
目に付けどころが良いですね。全試合を日本で開催したいでしょうね。ただ、そうなるとWBSSに主導・主催させて金儲けさせてあげる必要はないとも思えますが…。
「フライ+ジュニアバンタム・キャッチウェイト構想」の詳細は明らかではありませんが、例えば114lbのキャッチウェイトでフライ級とジュニアバンタム級のトップ選手を集めてモハメド・アリ杯を争うということでしょうか。
階級の異なる王者同士の戦いとなると、どちらのタイトルを賭けるのか複雑ですが、レナード式でどっちも賭けてもらいたいですね…。
もし、フライとジュニアバンタムの4団体王者が参加すると、優勝者は8つのアルファベットのベルトをコレクション、二つの階級で Undisputed Champion の座に就くことになります。
ザワーランドはサードシーズンについて「フライ+ジュニアバンタムの他にも、ミドル級とヘビー級でも企画している」と言っちゃってますが、これはいつもの嘘ですね。言わなきゃいいのに…。
コメント
コメント一覧 (9)
日本が第二のラスベガスになって欲しいんですよね、カジノと合わせて賭けも解禁して、真の意味で軽量級の聖地になれば
でも日本人が興味があるのが日本人ボクサーのみで、ビッグイベントも日本人が絡まないとビッグイベントにならないというか、外人同士はどうでもよさそうで興行が成立するのかなと思います
それに軽量級のビックネームがいてもそれがあまり強すぎて日本人が勝てないとなると、リカロペのように呼んでもらえなくなります
世界中の軽量級のビックネームがしがらみなく自由に集える環境になればいいのですが
けれど軽量級と言ってもビックネームをよべるのはあくまでバンタムかsフライ以下の選手であり、レオサンタクルス以上のネームバリューになるともう呼べないレベルですよね
フシ穴の眼
がしました
2万人が素晴らしい試合を期待して、選手はその期待に応える試合をする。そして2万人が大満足して帰途につく。
そういう嘘のないリアルなボクシングの試合として、あれだけの規模で成立していたと思います。
「高額賞金トーナメント」なんて嘘は日本の興業には必要ないですね。
フシ穴の眼
がしました
王者なのにテレビ中継で単独メインが張れない拳四郎と京口は飛びつきそうですが、ただでさえ減量苦の田中は微妙ですね…
個人的には今年のスーパーフライこそトーナメントで見たいです。
フシ穴の眼
がしました
フライ、Sフライ開催なら確かに全部日本になりそうですね笑 更にそれぞれの階級の優勝者同士がエキストラステージで激突なんて企画も立ちそうです。
フシ穴の眼
がしました