明日1月12日(日本時間)にゴールデンボーイプロモーションズ(GBP)と DAZN が主催するテキサス州サンアントニオ、アラモドームのイベントは、WBO世界ジュニアミドル級王者ハイメ・ムンギアがミドル級デビューする注目の一戦です。

昨年1月、井上岳志にキャリア最大の苦戦を強いられたムンギアは減量苦もあり、花形クラスのミドルへ転級。

試運転の相手はゲイリー・オサリバン。 

GBPのエリック・ゴメスは「ムンギアはビッグファイトに飢えている。オサリバンはタフな相手だが、カネロ・アルバレスやゲンナディ・ゴロフキンらビッグネームとの対戦につなげたい」と人気階級への野望を語っています。

オッズはムンギア1/25(1.04倍)、オサリバン9/1(10倍)と大差が開いています。

無敗の23歳ムンギアに対して、35歳のオサリバンは3つの敗北を喫しています。3つはビリー・ジョー・サンダース、クリス・ユーバンクJr.、デビッド・レミューといずれもビッグネーム。ムンギア相手に大番狂わせを起こせるか?


そして、このイベントに懐かしい名前も見つけました。

ファン・カルロス・ブルゴスです。

10年前の2010年11月、長谷川穂積と空位のWBCフェザー級タイトルを争ったブルゴスは32歳になりました。

あれから10年で12試合(8勝2敗2分/不運な引き分けもありました)と試合枯れしているブルゴスは2018年に1試合、2019年はついにリングに上がることなく、2015年〜2019年の5年間で4試合と半引退状態。

対戦するのは、9歳年下のWBC米国ライト級王者ヘクター・タナジャラ。

1/16(1.06倍)、ブルゴス7/1(8倍)と一方的なように、要は咬ませ犬です。

タナジャラは無敗とはいえ、18勝のうち KOはわずか5つと決定力はありません。自慢のスピードも世界基準では並み。

アマチュア時代は米国タイトルを8つ獲っているにもかかわらず、リオ五輪を目指さずにプロ転向したのは賢明な判断です。タナジャラでは、せっかくリオまで行っても手ぶらで帰ってくるのがオチでしょう。

しかし、身長178㎝/リーチ191㎝というフレームはライト級では異形です。左ジャブで距離をキープしながらポイントを積み重ねるスタイルを、ブルゴスが崩すのは難しいか。

リング誌は「タナジャラはブルゴスをKOするパワーはないが100−90の完封勝利」と、ブルゴスは何もできずに10ラウンドを終えると予想。

ブルゴスに意地を見せて欲しいですね。大番狂わせを期待します!

16歳でプロデビューしたブルゴスは、今年がキャリア16年目。

叔父のビクター(元IBFジュニアフライ級王者)に憧れてグローブをはめたカルロスでしたが、2007年3月にIBFフライ級王者ビック・ダルチニアンに挑戦、12ラウンドにわたって滅多打ちされた末にストップ負け。

試合後にビクターは、昏睡状態に陥ってしまいます。

これを見た両親に「ボクシングをやめてくれ」と泣いてお願いされたカルロスでしたが、ビクターが回復したこともあってボクシングを続けてきました。
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GBPが期待する無敗のタナジャラ。ブルゴスに温室ごと叩き潰して欲しいのですが…。

米国人とはいえ、メキシコ系のタナジャラは生まれも育ちもサンアントニオ。 アラモドームは完全ホームです。

生粋のメキシカンとはいえ華も人気もないことから需要もないブルゴスは、完全アウエー。 

ブルゴスが塩漬けにされて試合終了、が目に見えています。それでも、驚かせて欲しいですね。

頑張れ!ブルゴス