健康回復の時間が長く与えられる前日計量は、ボクサーの健康・安全を目的として当日計量に代わって導入されたシステムでした。DANNY O’CONNOR HOSPITALIZED WITH DEHYDRATION, FIGHT WITH JOSE RAMIREZ CALLED OFF.
WBCジュニアウェルター級王者ホセ・ラミレスの初防衛戦は、挑戦者ダニー・オコナーが脱水症状で入院したことで中止になった。〜7月7日リング誌電子版
しかし、その目的は完全に破綻していると言って良いでしょう。
健康回復の時間が長いことは、多くのボクサーに当日計量では考えられなより過酷な減量に利用されてしまいます。
日本時間の今日行われる予定だった世界戦の前日計量。王者ラミレスは139.4ポンドでクリアしましたが、挑戦者オコナーは極度の脱水症状で体調が悪化、病院に運び込まれて治療に当たりましたが「緊急入院の必要がある。ボクシングの試合なんて出来る状態じゃない」という医師の強い指示に従いました。

木曜夜の最後の記者会見では血色も良く、健康状態に問題があるようには見えなかったオコナーですが、金曜朝の計量時に体調は一変します。
「水抜きをしてサウナにこもったがあと2パウンドがどうしても落ちなかった」。(オコナーをプロモートするホセ・デガルディア)
リングに上がったかどうかの違いはありますが、やはり最後の会見では体調良好に見えたものの、ヤツれ果てた姿で前日計量に登場したジェイミー・マクドネルのケースと良く似ています。
今や、前日計量がボクサーの肉体により大きな負担をかけ、より深刻な健康被害につながるケースが多いことは明らかです。
ボクサーの健康面はもちろん、前日計量を利用したリバウンドが、階級制スポーツの大前提を侵犯してしまうことに危機感をおぼえて当日計量に戻したレスリングの例もあります。
現行の前日計量を見越して減量してきたボクサーにとって、当日に変更されると慣れ親しんだ減量スケジュールや練習方法、階級までも変更する必要も出てくるでしょう。
それでも、前日計量の弊害がここまで噴出、階級スポーツの根幹を揺るがし、その存在意味であった健康・安全面までも危うくしている現状では、当日への再移行や、前日+当日の二回計量の義務化は必至だと感じています。
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