◾️WBCバンタム級12回戦◾️
昨夜の「PRIME VIDEO BOXING 16」。海外での報道はけして大きな扱いではありませんでした。
坪井智也とリカルド・マラジカのWBCジュニアバンタム級王者決定戦については「地元選手に厳しい判定」という記事もありました。
一方で、帝拳と大橋陣営で判定についての見方が大きく分かれたのが、井上拓真vs那須川天心2。
12ラウンドを通して、決定的な場面は第7ラウンドに天心が奪ったダウンシーンだけ。どちらも主導権を握ったとは言い切れない展開のまま、36分間が終わってしまいました。
前半4ラウンドを40−36で拓真のフルマークとした採点は、初戦と同じように天心にとって過酷なスコアでした。しかし「どうしても10-9に振り分けなければならない」としたら、ありえないスコアではありません。
そして、最終回終了ゴングと同時に両者が勝利をアピールして手を挙げた姿には、どうしてそこまでの確信があるのか違和感しか覚えませんでした。
拓真は「全くダメージを受けてない、(第7ラウンドを除くと)明白に取られたラウンドはないから負けはない」と確信していたでしょう。天心も「まともにパンチをもらってない。ダウンも取ったし9ラウンド以降でポイントを取り返したはず」と手応えがあったのかもしれません。
しかし、どこからどう見てもどちらかがペースを掌握した流れではありませんでした。
【公開採点:1〜4ラウンド=40−36/39−37/38−38】
※スコアは順番にネイサン・パーマー/ファン・カルロス・ペレイヨ/デビッド・サザランド拓真は「全くダメージを受けてない、(第7ラウンドを除くと)明白に取られたラウンドはないから負けはない」と確信していたでしょう。天心も「まともにパンチをもらってない。ダウンも取ったし9ラウンド以降でポイントを取り返したはず」と手応えがあったのかもしれません。
しかし、どこからどう見てもどちらかがペースを掌握した流れではありませんでした。

浜田剛史の「4ラウンドの採点を聞いて、取られているのかと」に、葛西裕一の「びっくりしましたね。3ポイントは取っているのかな、同点でもしょうがないかな、と思っていた」という戸惑い、大橋秀行の「ダウン以外は、今日は完璧だった」という見方は、どちらも賛同できません。「両者ともペースを掴みきれていない」と見るのが正解です。
ただ、2人が拓真を支持した事実に対して、Bプランを発動しなければならなかったのは、挑戦者。
天心は第7ラウンドにダウンを奪ったことで、この回は3者ともに10−8。しかし、天心が明白なラウンドを求めて攻撃を加速させたのは、ダウンを奪ったこのラウンドだけ。
【公開採点:1〜8ラウンド=77−74*2/75−76】
ただ、2人が拓真を支持した事実に対して、Bプランを発動しなければならなかったのは、挑戦者。
天心は第7ラウンドにダウンを奪ったことで、この回は3者ともに10−8。しかし、天心が明白なラウンドを求めて攻撃を加速させたのは、ダウンを奪ったこのラウンドだけ。
【公開採点:1〜8ラウンド=77−74*2/75−76】
劣勢と判断された前半4ラウンド。逆襲が求められた中盤(5〜8ラウンド)だけを切り取ると37-38/38−37/37−38で、天心を支持したのはサザランドの一人だけ。
第7ラウンドを10−10にすると、サザランドのスコアも39−38で拓真を支持。天心はダウンを奪ったものの、この4つのラウンドでも明白に主導権を奪うことはできませんでした。
残り4ラウンドを全て取れば勝利を手繰り寄せることができますが、それは決定力のない天心に対して無理な注文。
第9ラウンド〜最終12ラウンドを切り取ると39−37*3。天心はスコア上だけでなく、見た目にも終盤で求められた意を決した逆襲を見せることができませんでした。
非常に凡庸な12ラウンド、36分間に映りました。
「僕の場合は、ポイントをとってボクシングをやるプランはない。倒して勝ちたかった。プロボクシングなんで決着をつけたい。そこにいきすぎた部分があったのかなと」という天心のコメントも意味がわかりません。「いきすぎた部分があった」なんてことはなく「しっかりいけなかった」ようにしか感じられませんでした。

