「巨大スタジアムでメインを張った日本人」というと、白井義男です。
世界戦7試合の全て!を後楽園球場で戦った白井は、当時の世界で最も集客力のあるファイターでした。
ノンタイトル戦でも2試合、計9試合も後楽園球場のリングに上がった白井は大阪球場でも1試合、10試合を巨大スタジアムで戦ったのです。
こんなボクサーは不世出でしょう。
娯楽の少ない時代、世界で戦う日本人を応援できるのはボクシングだけだった時代。そして何よりも、1団体8階級の時代。地球上に世界王者が8人しかいなかった時代です。
世界タイトルマッチは、五輪やサッカーW杯のような国際的メガイベントで、それを受け入れる器は巨大スタジアムしか考えらない、そんな時代だったのでしょう。
当然のことながら、世界チャンピオンの価値は今とは比べようもなく大きく、重いものでした。
世界戦7試合の全て!を後楽園球場で戦った白井は、当時の世界で最も集客力のあるファイターでした。
ノンタイトル戦でも2試合、計9試合も後楽園球場のリングに上がった白井は大阪球場でも1試合、10試合を巨大スタジアムで戦ったのです。
こんなボクサーは不世出でしょう。
娯楽の少ない時代、世界で戦う日本人を応援できるのはボクシングだけだった時代。そして何よりも、1団体8階級の時代。地球上に世界王者が8人しかいなかった時代です。
世界タイトルマッチは、五輪やサッカーW杯のような国際的メガイベントで、それを受け入れる器は巨大スタジアムしか考えらない、そんな時代だったのでしょう。
当然のことながら、世界チャンピオンの価値は今とは比べようもなく大きく、重いものでした。
日本ボクシング界は、1950年代の白井を超える熱狂をいまだに超えられていません。
60年〜70年代まで日本ボクシングは人気と社会的ステイタスが高止まり、ファイティング原田や大場政夫、輪島功一、具志堅用高ら国民的英雄を輩出しながら黄金時代を謳歌しましたが、80年代から団体と階級の増殖の中で世界タイトルの価値は暴落。
90年代から野茂英雄や中田英寿が世界で活躍するとはどういうことなのかを見せつけると、ボクシングの「世界」とは何なのか?という疑念が大きく渦巻き、人気もステイタスもさらに凋落してしまいます。
そんな90年代に咲き誇った一輪の花が辰吉丈一郎です。
イチローも熱狂的な辰吉ファンで、何度もリングサイドに駆けつけていました。
そして、辰吉は、1955年5月30日に白井義男が後楽園球場で戦ってから44年も遠ざかっていたスタジアム興行を復活させるのです。
1999年8月29日、大阪ドーム。
「日本人がメインでドームのリングに上がるのは史上初」「2万7000人の観客動員は屋内のボクシング興行では史上最高」…いずれも白井の方が上という事実に対する詭弁に過ぎませんが、辰吉人気はとにかく凄まじいものがありました。
そこには「腐敗団体と水増し階級で堕落したボクシングのタイトルマッチ、ましてや軽量級の価値は低い」なんていう冷めた目も焦がしてしまうほどの熱気が溢れていました。
今の大谷翔平のような全国区・老若男女の支持を集める全方位の国民的英雄ではなかったものの、大谷のように書店では〝辰吉本〟が積まれていたのです。
大谷のような最高峰の舞台で圧倒的なパフォーマンスを見せるのではなく、絶望的な敗北から立ち上がる生き様こそ辰吉丈一郎が人を惹きつける磁力でした。
60年〜70年代まで日本ボクシングは人気と社会的ステイタスが高止まり、ファイティング原田や大場政夫、輪島功一、具志堅用高ら国民的英雄を輩出しながら黄金時代を謳歌しましたが、80年代から団体と階級の増殖の中で世界タイトルの価値は暴落。
90年代から野茂英雄や中田英寿が世界で活躍するとはどういうことなのかを見せつけると、ボクシングの「世界」とは何なのか?という疑念が大きく渦巻き、人気もステイタスもさらに凋落してしまいます。
そんな90年代に咲き誇った一輪の花が辰吉丈一郎です。
イチローも熱狂的な辰吉ファンで、何度もリングサイドに駆けつけていました。
そして、辰吉は、1955年5月30日に白井義男が後楽園球場で戦ってから44年も遠ざかっていたスタジアム興行を復活させるのです。
1999年8月29日、大阪ドーム。
「日本人がメインでドームのリングに上がるのは史上初」「2万7000人の観客動員は屋内のボクシング興行では史上最高」…いずれも白井の方が上という事実に対する詭弁に過ぎませんが、辰吉人気はとにかく凄まじいものがありました。
そこには「腐敗団体と水増し階級で堕落したボクシングのタイトルマッチ、ましてや軽量級の価値は低い」なんていう冷めた目も焦がしてしまうほどの熱気が溢れていました。
今の大谷翔平のような全国区・老若男女の支持を集める全方位の国民的英雄ではなかったものの、大谷のように書店では〝辰吉本〟が積まれていたのです。
大谷のような最高峰の舞台で圧倒的なパフォーマンスを見せるのではなく、絶望的な敗北から立ち上がる生き様こそ辰吉丈一郎が人を惹きつける磁力でした。
そして、井上尚弥の東京ドーム。
白井ほど時代に恵まれず、辰吉ほど熱狂されることもない井上。
しかし、モンスターは二人が招かれなかった殿堂入りが確実視されています。
21世紀で初めてボクシング興行が行われる東京ドーム。そこで井上は何を見せてくれるのでしょうか?
白井ほど時代に恵まれず、辰吉ほど熱狂されることもない井上。
しかし、モンスターは二人が招かれなかった殿堂入りが確実視されています。
21世紀で初めてボクシング興行が行われる東京ドーム。そこで井上は何を見せてくれるのでしょうか?