フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

      Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。

カテゴリ: オッズを蹴散らせ!大番狂わせを巻き起こせ!

「(ジャスティン・ビーバーの)ビーバーカットだね?」。

シェーン・モズリーとのメガファイト、その会見場で記者に問いかけられたマニー・パッキャオは「子供たちはジャスティンのファンだけど、私の髪型はそうじゃない。これはブルース・リーだ!」と即答しました。
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「I Am Bruce Lee」(2012年米国映画:上映時間95分)に出演時は無冠だったパッキャオ。「8階級制覇した伝説中の伝説」とキャリアを終えたグレートとして紹介されています。まさか8年後の2020年でも世界王者のベルトを巻いてPFPにも名前を連ねているとは、当時の誰も想像できなかったでしょう。
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「昨日今日、この髪型にしたんじゃない。ずっとこのスタイルだ」。「私の人生のアイドルだ」。「ヌンチャクでよく遊んだけど、いつも肘にぶつけてたけどね。ほら、まだそのときの傷が残ってる」。
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「前後の細かいステップワークはブルース・リーから学んだ」。「半身から繰り出す小さな右もカンフースタイルだ。同じサウスポーだから、彼の動きは勉強になった」。

もし、彼がまだ地上にいたなら…パッキャオの華やかな記者発表やリングサイドには、還暦をとっくに超えた稀代のカンフースターが座っていたはずです。


もしかしたら、リングサイドにも…。想像しただけでゾクゾクしてきます。 

あらゆる格闘技に精通していたブルース・リーが最も研究したのは、古いプロボクサーのビデオでした。


ジャック・デンプシーやジョー・ルイス、そしてモハメド・アリ。

サウスポーのブルース・リーは、アリのフィルムを裏返してその動きを研究していたと、妻のリンダ・リー・キャドウェルが振り返っています。
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パッキャオは実戦でもブルース・をイメージすることがあります。

「ブルース・リーの真似をしてると、何故かアリシャッフルを踏んでしまうのが不思議だった。あとから思うと不思議でもなんでもない、自然の流れだったんだけど。彼らは一つだったんだ、そして願わくば私も」。

「ブルース・リーが本当に強かったか?戦ったことはないけど、間違いなく強かっただろう。うまく説明できないけど、私にはわかる」。

一方で…「ブルース・リーはあくまで映画俳優で、総合格闘技では通用しない、全くの論外」「オープンフィンガーグローブを開発したり、寝技で極めるスタイルも確立していたが、あれは映画用」と斬り捨てる意見も少なくありません。
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しかし、ダイナ・ホワイトは一笑に付します。

「格闘技の世界ではブルース・リーの名前を出しただけで不機嫌になる人もいる。汚らわしいと怒り出す人もいる」。

「でも、よく思い出すといい。彼がオープンフィンガーのグローブをどう使ったか、グラウンドで極め技を繰り出す手順を。あれは西部劇にあるアクションのマニュアルなんかじゃない。総合格闘技の本質を彼は1960年代で完全に見抜いていたんだ」。

「監督や演出家から指導を受けてたんじゃない。100%、彼のオリジナルだ」。
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「彼が本当に強かったのか?彼が現在の総合格闘技に大きな影響を及ぼしているのか?議論の余地などありえない」。

映画やスポーツ、エンターテインメントの世界は人気が全てです。人種差別に見えるのは、それはアメリカ人の総意です。

大きな映画の主役は、白人でなければならない。ボクシングのスーパースターは米国人か、メキシコ人しか認めない。

そこには、実力以外の壁が明らかに存在しました。
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ブルース・リーは、全てを自分一人で演出しました。 

それは、パッキャオも全くの同じです。テレビ局やプロモーターの操り人形ではありませんでした。そう見せかけて、ずっと牙を研いでいたのです。

二人はハリウッドとラスベガスの思惑を超えて、番狂わせを起こし続け、ついに人種の壁を突き破り、最後は革命に成功しました。

しかし、彼らが通ったそのあとの轍には、誰も続いていません。

それを革命と呼べるのかどうかは、わかりません。彼らを「パイオニア」と呼ぶのも間違いでしょう。

しかし、アメリカの巨大なシステムを、力づくで引っくり返した、彼らの行為は、明らかに革命でした、暴力革命でした。

「これでもまだ無視できるか?」。

そう嘲笑うように、彼らの魅力にアメリカは完膚なきままに叩きのめされてしまいます。

「主役は白人でなければならない?これが白人にできるのか?」。

「スーパースターはメキシカン?奴らをメキシカンスタイルでその座から引きずり下ろしたら?」。

アメリカにも、異邦人にとっては実力以外の壁が存在する。

それは、正確にいうと「常識を超えたとんでもない実力」以外の実力には大きな壁が存在する、というだけの話でした。



そして、12月17日にはパッキャオは42歳の誕生日を迎えます。

永遠のアイドルよりもちょうど10歳上の年齢になって、今なおボクシング最高峰のリングに上がり続けるパッキャオは、ゴールをどこに見据えているのでしょうか。 
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ハリウッド。

ボクシングファンにとってはワイルドカード・ボクシング・ジムのある街ですが、普通に考えると映画の街です。

アメリカは自由の国。実力があればアメリカンドリームを掴める。

もちろん、アメリカもまた差別と偏見の国です。

正確には「実力があれば他の国と比べると、大きな夢を掴みやすい」が、異邦人ではそれも「限界がある」。

例えば、ボクシング。アメリカでは全く人気のないフライ級やバンタム級には、そもそもからして大きな夢が存在しません。「メガファイトの前座」が最高の舞台です。

人気のあるミドル級なら、アメリカンドリームは確かに存在します。それでも、あなたがメキシコ人かカザフスタン人かでは果実の大きさは笑っちゃうほど違ってきます。

これはラスベガスでもハリウッドでも同じです。

アジア人俳優でも類い稀なる才能と不断の努力によってアメリカンドリームを掴む可能性がありますが、それは巨大な予算で製作された映画の脇役が上限・限界です。

「軽量級にはニーズがない」ように「アジア人には主役ニーズがない」のです。

それでも映画の世界で成功を掴めば、母国で得られる何倍、何十倍ものギャラと名誉を手にすることができます。

しかし、本当の主役の座には永遠に届きません。

常識なら。
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アジア人には、けして与えられない果実を力づくで奪い取り、絶対に約束されることのない場所に辿り着いた、二人の青年が奏でた奇跡の行進曲のお話です。

一人はシュガー・レイ・レナードがロビンソンやモハメド・アリに対するのとは異質の〝憧憬〟を隠さず、一人はボブ・ディランが尊敬の訪問〝参拝〟を繰り返しました。

二人の誕生日は1940年11月27日と、1978年12月17日。

本当なら2人は親子のように、何度も会っていたはずです。

しかし、アメリカのハリウッドとボクシングで最も華々しい成功を収めた二人のアジア人が、会って親交を深める機会は永遠に失われてしまいました。

それでも、残された一人は今もスパーリングで偉大な先達のパフォーマンスを怪鳥音までコピーして見せ、その髪型まで真似ているのです。

今夜から二人の誕生日が来るまで、アメリカを掛け値なしにノックアウトしたただ二人のアジア人が紡いだ奇跡の躍動を振り返ってゆきます。
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プロ入り10年目を迎えた斎藤佑樹に、本人は否定しているものの、引退の噂が出ています。もし、彼が斎藤佑樹でなかったらとっくの昔に戦力外、クビです。

ゴルフの石川遼も米国ツアー進出の夢は打ち砕かれ、昨年ようやく3年ぶりに優勝するなど、あのフィーバーは蜃気楼のようにとっくの昔に覚め消えました。



注目度の高い若い才能には、そうではない選手よりも多くのチャンスと十分な練習環境が理不尽なまでに与えられます。

当たり前です。「人気」があるんですから。多くの人が彼らの活躍を願っているのですから。

もしアスリートの活躍や評価が政治家やアイドルのように「人気」投票で決まるのなら、彼らは期待通りに大活躍して高い評価に浴していたはずです。

何しろ、トップでの実績はもちろんもしかしたら実力も相当に怪しいにもかかわらず知名度、「人気」だけはトップ級なのですから。

もし、彼らが引退を選択したならキャスターや解説者、タレント、俳優としての需要まであるかもしれません。知名度と人気は抜群なのですから、それこそ政治家の道もありでしょう。

「そこ」は、彼らが競技よりも得意とする、好感度「人気」の世界です。

精緻な分析力と解説、高度な演技力や歌唱力、崇高な政治理念を具体化する実行力…そんなものよりも表層的な人気だけが全ての世界です。

そう考えると、彼らは元々が生き馬の目を抜く情け容赦ない残酷な世界の住人ではなかったのでしょう。

爽やかなルックスと、その通りの素直で前向きな性格、そんな自分をしっかり語れる温かく柔らかい表現力を併せ持つ彼らは、たまたま才能があり過ぎたがために、修羅の世界に迷い込んでしまっただけだったのです。

本物の修羅が人気を手に入れるのは最後の最後です。

それでも、過酷で薄情な世界にしがみつくように苦闘する彼らの姿を見るたびに、彼らはアイドルではなく本当は修羅になりたいと渇望していることを思い知らされます。

10代の彼らに私たちが熱狂したのは、そこに修羅の才能を見たからではなく、今思えばその端麗な容姿から滲み出る人を惹きつけるオーラ、とどのつまりは「人気」に絆されたからでした。

32歳のハンカチ王子がNPBで大きなタイトルを獲ってメジャー挑戦を表明する日なんて永遠に来ないでしょう。何度も与えられるチャンスをたまたまものにして「◯年ぶりの白星」と騒がれる程度が関の山ですが、ユニフォームを脱げば、その人気のオーラで第二の人生も華やかに生きてくれるに違いありません。

ハニカミ王子が再びメジャーに挑戦して、大きな果実を捥ぎ取ることもないでしょう。ゴルフツアー機構の副会長を務める28歳は、近い将来、会長の座に座ってゴルフの大使として、このスポーツにとって彼にしかできない大きな役割を果たしてくれるはずです。


それでも。

彼らが修羅になる姿を見たい。

そう思うのは私だけでしょうか。






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日本のジムに所属しながら世界王者になったボクサーは少なくありません。

ユーリ・アルバチャコフは日本人が足を踏み入れることが許されなかったリング誌PFPの重い扉を、まるで暖簾のように易々とくぐりました。

軽量級史上初のPFPキングに昇り詰めたローマン・ゴンザレスに至っては、もし彼が日本人なら間違いなく1億円を超える報酬を手にしていたはずです。そして、井上尚弥のPFP3位のインパクトも相当に薄まっていたのも間違いありません。

彼らには「あえて強い挑戦者ばかりを選んだ」(NHK ドキュメンタリー:私は負けて強くなった〜長谷川穂積)、「強い相手以外とは戦わない」(井上尚弥)などという、日本のエースとセットになって久しい失笑の常套句は一切不要でした。

しかし、ユーリは映画俳優の前座を務めさせられ、ロマゴンは評価が高まるにつれ日本人との対戦は減り、リングに上がるチャンスも減るという日本人だったらあり得ない扱いを受けました。

もちろん、日本に限らず、米国市場でも米国人かメキシコ人であることは重大な要素です。差別の根はどんな国の土の中にも奥深くまで張り巡らされてしまってるのです。

なんだかやるせない話ですが、彼らが日本人ならもっともっと安全な相手を当てがわれて、その刃は錆び付いていたかもしれません。
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JBCの規定では「37歳を迎えたボクサーのライセンスは自動的に失効」してしまいます。

しかし免除特例もあります。

現役の王者(世界/OPBF/日本)ならタイトルを失うまで、さらに元王者、世界挑戦経験者、現役の日本ランカーも健康診断で異常がない場合はライセンスの交付を受けられます。
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読売新聞7月28日夕刊から。

2016年8月を最後にプロのリングを離れた高山勝成の場合、37歳の節目を迎える5月12日までに試合を行うことで「元王者」の特例が発効するはずでしたが、予定されていた試合が新型コロナの感染拡大の影響を受けて中止に追い込まれてしまいました。

現役延長を求める嘆願書を提出した高山に、JBCは救済措置を認めます。

復帰の試合はまだ決まっていませんが「思い出作りで戻ってきたわけじゃない」とジュニアフライ級での世界奪取、2階級制覇を目指しています。

東京五輪を目指したアマチュアでの挑戦では、代表の座に手は届きませんでした。

それでも、大きなグローブでより的確にパンチを当てる技術が向上、カットの癖がついていた左まぶたの古傷も癒え「肉体的なダメージも完全に抜けた」とフレッシュな状態で戦える手応えを感じています。

今年3月の「プロ復帰」発表を受けてストロー級10位にランクインしたWBAには、米国をはじめ世界中のメディアが非難しましたが、高山の責任は一片もありません。

スピードと回転力、軽量級らしい機敏さを武器にしてきた37歳が再び世界で躍動できるのか?

残された時間もチャンスも、多くはありません。

一つの敗北で夢は途中で砕け散る可能性が高く、世界挑戦のチャンスはあるとしても1回か2回。

敗北から這い上がる時間も猶予も残されていない高山に、幸運のドアが開かれることを願っています。

正直、良い意味でも悪い意味でも軽量級らしい高山のボクシングは大好きなスタイルではありません。

「4団体のベルトをコンプリート」というのも、野球でいうサイクルヒット的な稀少さはあるものの、完全統一王者でもあるまいし大偉業とは思えません。

ローマン・ゴンザレスに健闘したとはいえ、強豪にはきっちり負けている律儀なボクサーです。

そうはいっても、往生際の悪いアスリートは嫌いじゃありません。大好きです。
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フレディ・ローチが「ゲンナディ・ゴロフキンとは面白い試合になる」と口にしてから、具体的な対戦交渉の話は一切上がってきません。

それでも、マニー・パッキャオが自身の持つ前人未到の8階級制覇を「9」に更新するTripleGの決戦がメディアを賑わせています。
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昨日も、マイキー・ガルシアが「両者のサイズ差はあまりにも大きいが、マニーに十分なチャンスがある。マニーの独特のスピードとタイミングは対戦相手の質が低いGGGを大いに戸惑わせるだろう」とコメントしています。

パッキャオは身長166㎝/リーチ170㎝。対するゴロフキンは179㎝/178㎝。確かにフレームの差は明らかです。

もちろん、単純なフレームだけならパックマンはオスカー・デラホーヤ(179㎝/185㎝)、クリス・アルジェリ(178㎝/183㎝)、アントニオ・マルガリート(180㎝/185㎝)の3人と〝GGGサイズ〟を経験済み。

しかし、マルガリートとのジュニアミドル級(154ポンド)戦に、151ポンドのキャッチウェイトで臨んだパッキャオの前日計量はウェルター(147ポンド)も大きく下回る144ポンドで、GGG戦が実現したとしても160ポンドの純粋なミドル級戦にはなりようがありません。

「マニーが160ポンドの純粋ミドル級を受け入れるなら、試合は簡単に成立するだろうけど、そうはならないんじゃないか。かつてGGGはメイウェザーとやるなら154ポンドに落とすと明言していたが、対戦実現には難しい交渉を成立させる必要がある」。

He’s too old, but he keeps surprising everybody. You never know with Manny because he’s always surprising people.

「確かにマニーは年を取りすぎたが、世界を驚かせ続けている。マニーだけは何をしでかすのか、誰にもわからない。いつも人々を驚かせ続けてきたんだから」(マイキー)。

一方、GGGの元トレーナー、アベル・サンチェスは「GGGが154ポンドを作るのは可能だ。もちろん過酷な減量はパワーダウンと神経系の劣化を引き起こすだろう」としながらも「マニーは154ポンドのGGGのパンチでも耐えられない」と、試合を予想しています。

I see Manny having his moments early in the fight, but Gennadiy Golovkin is no Margarito. Golovkin will hurt Manny.

それでも「序盤はマニーが持っていくだろうが、マルガリート戦のようにはいかない。GGGの圧力に中盤から後半に捕まるだろう」と「少なくとも序盤はパッキャオのペースで進む」と、多くの専門家の意見と一致しています。

フレディ・ローチは「ケル・ブルックと同じかそれ以上のスピードと、ケルにはない角度とフェイントを持つパッキャオにゴロフキンは成す術もなく徐々に削られていく」。

GGGはアマチュアで350戦345勝5敗(この数字が一人歩きしていますが、少なくとも8敗を喫しています)プロ42戦40勝1敗1分け、世界の最前線で激闘を繰り広げてきた38歳の肉体が消耗と加齢の劣化に蝕まれているのは疑いようがありません。

一方、今年12月で42歳になるパッキャオはプロ71戦62勝7敗2分。GGG以上の激闘を積み重ねてきましたが、引き出しの少ないGGGが劣化の坂道を下り続けているのとは対照的に、技巧派へのモデルチェンジに成功しています。

両者が同じフレーム、同じ階級ならGGGに勝ち目はないでしょうが、ライト〜ジュニアウェルター級がナチュラルのパッキャオは20ポンド上の相手と戦うことになります。

試合当日は、10ポンド前後のリバウンドで体重を上乗せしてくるGGGとの差はさらに広がるでしょう。

パックマニアとしては、最後にもう一度不利予想のリングに上がるパックマンを目に焼き付けたいと思いますが、もし試合決定でもオッズと予想は微妙な数字になりそうな気配です。

サーマン戦のように、1−3レベルで始まったオッズが徐々に詰まって、試合前には逆転、なんてこともあるかもしれません。
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フェリックス〝El Diamante〟ベルデホが7月16日(日本時間17日)にMGMグランド・カンファレスセンターThe Bubbleでウィル・マデラを1ラウンド2分59秒TKOで斬り落としました。

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フェオスオフなどもってのほかの厳戒態勢で行われた前日計量。

ベルデホはトップランク一押しのホープとしてデビューしました。

フェリックス・トリニダードがリングを去って12年が過ぎ、ミゲール・コットは3年前にグローブを吊るしました。以来、メキシコと並ぶボクシング大国プエルトリコは、支柱を失って瓦解したままです。

ベルデホを筆頭とした後継者候補はドミノ倒しのごとくリングに倒れ、昨年ストロー級のウィルフレド・メンデスがWBOのピースを掴むまで屈辱の王者不在・空位時代を強いられました。

現在、日本人世界王者は4人ですが無敗のまま4階級制覇を狙う田中恒成ら、トップ戦線には何人もが張り付いて、PFPには井上尚弥が上位に進出、田中や井岡一翔はウエィテングサークルに入っています。日本で、空位時代は当分の間考えられません。

全く実感が湧きませんが、メキシコと米国、英国に次ぐボクシング大国はプエルトリコではなく日本です。


 "We have unfinished business," Verdejo said.

久しぶりの快勝にベルデホは「ライト級のチャンピオンと戦う準備ができた。最強はワシル・ロマチェンコだろう。彼とはやり残した仕事がある」と、ウクライナのハイテクを名指ししました。

二人はロンドン五輪2012のライト級(60kg)準々決勝で激突。ベルデホは9−14で敗退しています。

無敗の相手を印象的な1ラウンドTKOで倒したとはいえ、マデラは世界基準のボクサーではありません。

そして、ボクシングの世界は一つの敗北で、永遠に消えないこともある粘着質な批判を生み出してしまうこともあるスポーツです。

マデラ相手の1勝で、ベルデホに烙印された懐疑のレッテルが剥がせるわけもありません。

今年初めから、トレーナーとして招聘したイスマエル・サラスは、リング誌が「Doctor」と形容したように挫折した才能を治す医者の役目を担っています。

ホルヘ・リナレスやヨルデニス・ウガスを治癒し、最近ではロベイシ・ラミレスも執刀している〝名医〟は「キャンプを通じてあらゆることを想定して準備してきた。今日の結果はその一つのパターン。ベルデホはもっと多くの勝ち方もできる」と、ダイアモンドが快方に向かっていると語っていますが…。

ESPNやリング誌のコメント欄には「19歳で史上最高のホープだったベルデホは27歳になってもまだアルファベット王座の一つも獲れない」「雑魚に食われたベルデホってまだやってたの?」「マデラに勝ってロマチェンコの名前を出すなんて」「やっとマデラレベルに勝つって、遅いよ」…など冷淡な反応が目立ちます。

確かに、8年前のデビューからしばらくは本物のダイアモンドに見えたこともありましたが、今はマデラに勝っても世間の評価はガラス玉です。

ただ、もし本物のダイアモンドなら、これから巻き返してくるはずです。

どんな仕事でも、始めるのに遅過ぎることはありません。

プエルトリコの英雄たちは無敵のエリートが目立ちましたが、逞しく立ち直る〝キズありのダイアモンド〟も浪花節が効いてて悪くはありません。

それにしても…プエルトリコのボクサーに同情的な応援の気持ちが芽生えてしまう日が来るなんて。コットが全盛期の頃までは、想像もできませんでした。
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夏のマラソンという一点を除いて、オリンピックとは全く異質の特殊なレースです。

まず、日本人しか走らない。

世界最強を決める大会ではなく、代表選考会であるということ。

これはつまり、手堅く代表権を獲得するために超スローペースに陥る可能性が大きいことを意味します。

しかし、前日本記録保持者の設楽悠太が、最初から飛ばすと明言しています。

本気でしょう。

それで勝てたら、素晴らしい。

それが勇気なのか、蛮勇なのか。

決めるのは、残念ながら結果だけです。

スタートまで、あと6時間。
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IBF世界ライト級王座への挑戦権を賭けた一戦。

トップランクの温室栽培テオフィモ・ロペス、極東の島国から初めて海を渡った中谷正義

無敗の二人は共に134.4ポンドで前日計量をクリア。

人気者ロペスの世界前哨戦、さぞや注目されてると思いきや…やはり翌日のメガファイト、パッキャオvsサーマンにスポットライトが集中してしまい、生中継するESPNですら悲しいほどの露出の少なさです。

薄暗い谷間の金曜日なってしまいましたが、ロペスをその谷底に叩き落としてやりましょう!

オッズ(ウィリアムヒル)はテオフィモ勝利が1/50(1.02倍)、中谷は12倍。 勝てば大番狂わせです。

「絵に描いた餅」をどんどん並べてしまうのは期待のホープにありがちなことですが、ロペスも例外ではありません。

「135ポンド(ライト級)ではあと3試合(中谷/リチャード・コミー/ワシル・ロマチェンコ)戦って、140(ジュニアウェルター級)に上げる」。

「最終目標はウェルター級でスーパースターになること。階級ではミドル級まで」。

相変わらず妄想癖の激しい21歳(今月30日で22歳)のホンジュラス系アメリカ人です。

ただ、ロペス本人や周囲が階級を上げることを度々口にするのは、ビッグマウスゆえだけではありません。

21歳のロペスは過酷な減量に苦しみ続けているのです。

前戦(vsエディス・タトリ)では「4度も試合中止を考えた」(ロペス)というのです。

タトリ戦後にラスベガスにあるトップランク本社で、ロペスの父親も交えた三者会談が行われた。

現在の減量方法ではライト級であと3戦、1年近くをとどまることは非常に厳しいと言う現実を踏まえて、格闘技の減量で大きな成果をあげているPerfecting Athletes社のメソッドを取り入れることになりました。

同社はすでにテレンス・クロフォードやジャメル・ヘリング、シャクール・スティーブンソン、ミカエラ・メイヤー(女子)らの食事と栄養、減量でかけがえのないアドバイザーになっています。

今回は減量苦の噂が出ませんでしたから、スムースに体重を落とせたのでしょう。

しかし、中谷戦のキャンプ地を巡ってはトップランクとロペス親子は対立。「カリフォルニアの高地ビッグベア」でのロレーニングを推薦するトップランクに対して、ロペス側は家族が住むラスベガスで練習を続けると譲りません。

When it comes to the boxing scene, I don't let nobody touch my son.

父親は「ジュニアのボクシングに関しては誰の指図も受けない」と嫌悪感まで露わにしています。

結局、ボブ・アラムが妥協してラスベガスの目抜通りから徒歩15分の好立地に大きな二階建ての屋敷をキャンプ用に調達しました。

Lomachenko sits No. 1 in ESPN's pound-for-pound rankings, and a Lopez victory over Lomachenko would, in the opinion of the Lopez family, put Teofimo on top of the boxing world.

アラムもねじ伏せた父親は「ロマチェンコ戦は早ければ早いほどいい。PFP1位のあいつを倒せばジュニアがPFPキングだ」と息巻いています。

減量に話を戻すと、ロペスを管理しているPerfecting Athletes社の創業者の1人ミッシェル・イングルス(女性ですね)は「1日3食、デザートを2食をしっかり摂らせている。全てオーガニックで遺伝子組み換え食品は絶対に使わないの」。

イングルスは「ある日の3食を紹介(下の画像:当たり前ですがあんまり美味しくなさそうです)すると牛肉の赤身に、日本産の無農薬で栽培されたサツマイモとブロコッリー、朝食にはスイカも用意した。水分不足や栄養不足で練習に力が入らないとか、足が痙攣するとかいうことは全くなくなったわ」と自慢しています。
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「外食は禁止。追加で何か食べたい、飲みたいなら言ってくれればこちらで用意するが、追加の練習メニューもこなしてもらう」と笑うイングルスに、ロペスは「オレオクッキーにバーガーキング、大好物だった。計量や試合後は大食いしてたけど、今はそんなバカなことはしない」と神妙です。

「自分の職業が何かを理解している。もしイングルスが、私が苦手な寿司を用意したら喜んで食べるよ。それが栄養的に必要で減量に苦しまなくてもいいなら、なんてことはない」(ロペス)。

イングルスは「テオフィモは『いつか(世界的には健康食として浸透している)寿司が出てくる』と戦々恐々としてるけど、寿司は出ないから安心して。生魚を受け付けない人に無理やり食べさせることなんてしません。タンパク質は生魚じゃなくてもいろんなやり方で摂取できるから」とさらに笑います。

イングルスは目新しいことは言ってませんが、間違いなく優れた体重管理士です。

「ボクサーにとって最も補給しなければならない栄養素は今も昔も「水」ですが、この絶対的真理を疎かにする愚かなトレーナーは未だに絶滅しません」。

「アルカリイオン水の1.5リッターボトルを毎日3本飲ませてる。ボトルには1、2、3と番号を振ってきちんと管理してるの。激しい練習と厳しい食事制限でボクサーは、他のどんなアスリートよりも脱水症状の危険に晒されていることを忘れてはいけません」。

「そして休息も非常に大切です。休むこと、眠ることも重要な練習であることを理解していないアスリートが多いのには驚きます。練習は筋肉を痛めることと、筋肉が超回復(練習によって前の状態よりも優れた状態になること)するサイクルで成り立っています。十分な休息がなくては超回復もおぼつきません」。

「テオフィモは最大12時間睡眠をとります。朝、起きてこないと『冬眠したのか?』と笑いますが、それでいいのです。練習メニューは後ろ倒しになりますが」。

He will often sleep up to 12 hours a night, joking that he doesn't so much sleep as he hibernates.

ロペスも減量のための食事と栄養管理の徹底で、明らかに体調が向上したと自信に満ちています。「みんな『減量は大丈夫か?』と聞いてくるけど、何の問題もなく計量をクリアするのがその答えだ」。

A lot of people ask me this question," Lopez said of his weight cut. "I tell them that I'll answer it after the weigh-in to see if I can really make this weight at 135, easily.


「減量が苦しいから、ウェルター級で戦いたい」と泣き言を吐いてたタトリ戦前とは違いますね。

うーん、、なかなか手強いですね。

だからこそ、大番狂わせの快感も増大します。
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日本時間7月18日 米国メリーランド州オクソンヒル

MGMナショナルハーバー リゾート&カジノ

北米ライト級王者:テオフィモ〝El Brooklyn〟ロペス vs東洋太平洋ライト級王者:中谷正義

この試合にはIBF王者リチャード・コミーへの指名挑戦者となりますから、年内にも世界挑戦が実現する運びです。

ライト級という文句無しの人気階級のトップ戦線に日本人が挑むーーその構図だけでもワクワクしますが、その相手が今最も調子に乗っているホープというのがいいじゃありませんか!

「トップランクの温室育ち」であるロペスが過大評価であるのは容易に予想できます。もちろん、評判通りに強いわけではないというだけで、世界基準で雑魚ではないでしょう。

ただ、実力とキャリアで中谷がキャリア最強の相手、最初のテストマッチになることは間違いありません。

ここまで13戦全勝11KOとはいえ旬の強豪との対戦はゼロ、過剰な期待にホンジュラス系アメリカンの21歳の若者がどこまで耐えられるのか?

一方、東洋太平洋タイトルを11連続防衛(7KO)の中谷も18戦全勝12KOながら世界的な強豪との対戦はありません。

米国最大のホープとの試合はトップランクが主催。ESPNが全米生中継します。これが意味するのは「僅差の判定になれば中谷に勝機はない」ということです。

ロペスのファンは「ワシル・ロマチェンコもノックアウトできる。コミーは通過点。中谷は餌だ!」と息巻いてますが、軽率な防御のロペスにメディアは「(石田順裕に番狂わせでKOされた)ジェームズ・カークランドよりもロペスは不安定で、中谷は石田よりも完成されている」(リング誌)と黄色信号を点滅させています。

ロペスを豪快に倒して、本場のUSAダンスを見せてあげましょう(冗談)。 
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