フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

      Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。

カテゴリ: 世界評価をブッ飛ばせ!

ボクシングファンは非常に粘着質で根に持つタイプの人間です。

例えばプロ野球では…。

デビュー戦で1アウトしか取れずに満塁本塁打などを浴びて5点を失い、ルーキーイヤーはこの1試合登板のみ、防御率135.00に終わった大野豊を「ボールが軽く球筋も見やすい」といつまでも批判するメディアもファンもいません。

しかし、ボクシングではたった一つのKO負けから押された「打たれ弱い」という印象を挽回するのは並大抵のことではありません。たった1試合だけ試合途中で諦めて押された「quitter(ヘタレ)」の烙印はまず消えません。

もちろん、マニー・パッキャオとロベルト・デュランという何をやっても許される、非常にズルい愛されキャラもいますが、あの2人は例外中の例外です。

まあ、とにかくボクシングファンの粘着性の性格は病的です。

デビュー戦でアダン・ゴンザレスに痛恨の敗北を喫したロベイシ・ラミレスは、プロ第2戦、3戦をとにかく経験とパンチのないまだ10代の選手を吟味して連勝。

先日はこの低いハードルを少しだけ上げてユリ・アンドゥジャールを54秒で斬って落としました。アンドゥジャールは5勝3KO3敗とこれまでの相手とは一味違う〝強豪〟でした。

ロベラミもボクシングファンが押した烙印からどうやって脱出するのか、それとも抜け出せないのか?注目です。
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There won't be any fans around the ring at the the MGM Grand Conference Center in Las Vegas. Mikey Williams/Top Rank MGMグランド・カンファレンスセンターには観客は1人も入れなかった。衛生面、検査室も厳格に配し、対面しないよう多くの通路を一方通行にするなど、ラスベガスとMGMの「新しい日常のルール」に則って試合が進められました。

ESPNは「天才の完全復活」と大喜びでしたが、他のメディアやファンは「いつ自転車の補助輪を外すんだ?」と冷ややかな目で見ています。

プロ2戦目でアダゴンに雪辱するのが筋で、アダゴンも盛んに煽っていましたが、再戦は組まれませんでした。

チェリーの中のチェリー(雑魚中の雑魚)と言われたアダゴンですが、ラミレスにとっては〝超強豪〟で、負けるべくして負けたと認めたようなものです。

日本ではあまり言われない、つまり都合が悪いから言わないのですが「負けた相手に雪辱するかどうか」はその選手のレガシーとガッツを図る重要な物差しです。

シュガー・レイ・ロビンソンやモハメド・アリは言うに及ばず、負けていないはいえ苦戦した相手とのダイレクトリマッチに応じたフロイド・メイウェザーらは評価されます。

世界評価では「負けっぱなし」が最悪なのです。ワシル・ロマチェンコがオルランド・サリドとの再戦を執拗に求めたのは、それだけが理由です。



低いハードルに思いっきり躓いたエリートアマが、雪辱せずにさらにハードルを下げるーー誰の目にも幻滅しかありません。

Robeisy would never do that to me,” Gonzales told The Ring late Wednesday evening. “He’s scared to fight me again.
 

不可解なSDとはいえ内容は圧勝だったアダゴンは、ラミレスの54秒KO劇について「私相手ではできない。彼は私との再戦を断った、怖がってるんだ」とリング誌のインタビューでラミレスを「チキン」と嘲ります。

一方で、トップランクは再戦に応じるつもりだったがアダゴン側が法外な報酬を要求してきて交渉にならなかったと主張。

これに対してアダゴンは「当たり前だろ?初戦と同じ報酬を提示してくる方がどうかしている」と反論。

いずれにしても、ロベラミはアダゴンと再戦しなければ、デビュー戦で押された焼き印は消せません。

12月に試合が予定されている威勢のいいアダゴンですが、スパーリングで左肘を負傷しているようです。
  
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フォーブスのカート・バウデンハイゼン編集主任が、「それを言っちゃあおしまいよ」なことを口にしてしまっています。
「テニスは女子が男子と並ぶことが出来る唯一のメジャースポーツ」。

米国の女子サッカーのように男女の人気・報酬に逆転現象が起きているスポーツもありますが、米国でのサッカーは少なくともプロではマイナースポーツ。

女子が人気といってもスポーツ長者番付ベスト100に入ることはありません。
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今日の読売新聞朝刊で「1990年にフォーブスがこの調査を始めて以来、30年あまり。テニス以外の女子アスリートが100位以内に入ったことはない」としていましたが、ロンダ・ラウジーが入ってなかったっけ?と思い調べてみましたが、確かにラウジーは一度もランキングされていませんでした。

ラウジーが入ってたのは「最も影響力のあるアスリート100人」でした。
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日本人では桃田賢斗と小林陵侑が世界1位。高梨沙羅のライバル、マーレン・ルンビは600万円と予想以上の低さです。
 
読売新聞は「昨年の全米オープンに足を運んだファンは女性が過半数。大卒以上の割合は米国全体(35%)の2倍を超す78%で、平均世帯収入は21万6000ドル(約2300万円)。大坂の契約企業が扱う自動車、時計などを購入できる富裕層でもある」とも伝えています。

ちなみに試合報酬が最も大きかったテニス選手は男子がラファエル・ナダル(17億6600万円)、女子がアシュリー・バーディ(12億2100万円)といずれもフェデラーと大坂にスポンサー収入で大逆転を許し、後塵を配しています。

それでも女子ではメジャー、恵まれた競技の米国ゴルフの女子最高、高真栄(韓国)の3億円と比べるとバーディの収入は4倍以上、話になりません。

もし、ビッグマネーだけを考えるなら女子はテニスしかありません。
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錚々たる企業からSランクのスポンサードを受けている大坂。
 
そして出来ることなら、日本や米国などの富裕国に生を受けることです。その幸運を手にしたら実力で一番でなくても総収入で一番になれる公算が高まります。

スポーツの持つ最大の魅力は公明正大です。

①人気があるヤツが勝つんじゃなくて、強いヤツが勝つ。

②一番強いヤツが一番大きな報酬を手にする。

ボクシングの世界では①も②も崩壊していますが、世界のほとんどのスポーツでも②はお花畑の寝言です。

ボクシングの階級には貴賎がある。スポーツにも貴賎がある。

このブログでも繰り返し書いている事実ですが、なかなか大きな声では言えません。

そこを知らない、理解できない人につけ込むような報道が「井上尚弥は日本では見納め。ラスベガスで20億円」なんて幻覚症状を蔓延させてしまうのです。

では、スポーツという高潔であるべき世界で起きている貴賎の問題は、仕方がないと受け入れるしかないのでしょうか?

バーディは大坂以上のスポンサーが付かないとおかしいーーその正義は、着地点の無い無責任な綺麗事です。

しかし、それ、スポーツの貴賎を認めるなら、フォーブスの編集主任と同じレベルの人間です。

まだまだ、続きます。
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フォーブス電子版が日本時間24日、大坂なおみの年収が女子スポーツ史上最高となる3740万ドル(約40億円)に達したと発表しました。

Osaka’s record $37.4 million in earnings surpasses Serena Williams, who, with $36 million in earnings, previously held the title as the world’s highest-earning female athlete.

日本人が世界アスリート長者番付で、トップに立つのは男女通じて史上初の快挙です。

大坂、半端ねぇーッ!!!
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大坂なおみ、セリーナをかわして史上最高(報酬)の女子アスリートに!過去10年の女子最高はシャラポワとセリーナが分け合ってきました。そして大坂登場、新時代の幕開けです!

2位のセリーナ・ウィリアムズは3600万ドル。従来の最高年収額は、2015年にマリア・シャラポワの2970万ドルで、大坂は5年ぶりに女子最高記録を更新しました。

大坂は昨年、ナイキとの大型契約で1000万ドル以上を獲得、日本代表として出場を予定していた東京五輪に関連し、P&Gや全日空、日産自動車などの企業と大型のスポンサー契約を締結していました。

フォーブスが毎年発表する男子も含めた「世界で最も稼ぐスポーツ選手」ランキングでは、ウィリアムズが過去4年連続で女子1位。

そして〝男女総合〟では大坂が29位、ウィリアムズが33位でした。

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She has achieved endorsement stardom.(大坂はスポンサー女王だ)。

フォーブスの記事は「巨大市場を抱える日本では世界的にメジャーなスポーツ分野で活躍するアスリートが出現すると、考えられないほど高い評価と人気を得る。あっという間に有力企業がスポンサーに名乗りを挙げるのだ。男子では野球やサッカー、テニスでそれが証明されてきた」としていますが、嫌味ではありません。

テニスは、もともとがスポンサー収入が多いスポーツです。

大坂については「チャーミングな性格と金メダルが有力視される東京五輪なども背景に、世界で最も市場性のある女子アスリートになった」とも。 

ただ、大坂の現在の世界ランキングは10位。「史上最高報酬」 が実力ではなく、ジャパンマネーがバックにあることは明らかです。
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このジャパンマネー効果は、男子の錦織圭にはもっと色濃くにじみ出ています。 

もちろん、プロスポーツである限り実力よりも人気が報酬に反映されるのは当たり前です。

人気、すなわち生まれた国の豊かさです。全く理不尽な話ですが、テニス界で最も報酬が大きいのはノバク・ジョコビッチであるべきですが、現実は違います。

実力評価なら9番目の大阪なおみが、2位に140万ドルもの差をつけて史上最高額の報酬を獲得するーーそれが現実の世界です。

また、ナイキが純粋な実力ではなく、その選手の市場性を冷静に分析して超大型契約を結ぶのも今に始まったことではありません。

実際に、大坂だけでなく中国の李娜とも大きな契約を交わしています。
李娜との契約に何を期待しているのかは誰の目にも明らかです。

ボクシングでも村田諒太が巨額の報酬を得ているのは「世界的にメジャーなスポーツ分野で活躍するアスリートが出現すると、考えられないほど高い評価を得る」という日本市場の性格からです。

単純な実力評価では井上尚弥や山中慎介、内山高志らPFPファイターの方が上です。しかし、軽量級をリスペクトしている日本でも「ミドル級は次元が全く違うクラス」ということをよく理解しているのです。

大坂なおみが途轍も無い素質と、すでに素晴らしい実績を持つトップアスリートであることは間違いありません。

しかし、ランキング10位で「世界史上最も稼ぐ女子アスリート」では、世界のテニスファンから辛辣なコメントを集めてしまうのも仕方がありません。

もう1回、世界1位を獲って、女王の座を何年もキープして外野のうるさい声を黙らせましょう。

まだ22歳、あと何回グランドスラムを達成できるでしょうか。

大坂は自身が更新したこの「女子記録」をこれからも塗り替えていくはずです。

近い将来、私たちに「こんな金額、安すぎる。もっともらっていい」と思わせてくれるはずです。
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スポーツにおける過大評価と過小評価は、なぜ引き起こされるのでしょうか?

これはスポーツに限らず、どんな世界でも起きている事象です。

入社にまつわる裏口入学、就職でもコネ入社、芸能界や政界では七光が眩し過ぎて目も開けてられません。

スポーツで起きる過大評価と過小評価の原因も、これらと同根のバイアスによって引き起こされています。

白鵬が日本人だったなら、歴代PFPキングと祭られ、物議を醸す言動にはもっと多くの共感が集まっていたかもしれません。

稀勢の里がモンゴル人だったなら、あれほどの人気を博すわけがなく、今では多くの人がその名前を忘れているでしょう。

落合博満やイチローが甲子園の大ヒーローからドラ1なら、はるかに多くのチャンスが与えられ、もっと早くスターダムに駆け上がっていたかもしれません。

そして、人々が落合とイチローを見る目にはもっと親しみが込められ、応援のボリュームも現実より大きくなっていただろうことは想像に難くありません。
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甲子園で大活躍するかどうか?それは、プロでの人気や報酬を決める内申書です。斎藤佑樹などは、本来なら何年も前に戦力外のはずですが、内申点で残留し続けています。

もちろん、ビッグイフは妄想に過ぎません。

稀勢の里がモンゴル人なら、もっと頑健な心身を築き上げて、今も土俵に君臨していたかもしれません。

落合やイチローがドラ1なら、管理の果てに反骨と矜持の牙を抜かれて凡庸なプレイヤーで終わっていたかもしれません。

桑田真澄と山本昌のパラドクスは、甲子園と、まだ残り香のあるジャイアンツのバイアスによって引き起こされた典型的な事象です。

通算173勝、最優秀防御率2回の桑田に対して、山本昌は219勝、最多勝3回・最優秀防御率1回と実績的には明らかに山本昌が上ですが、両者のネームバリューには巨大な格差が生じています。

もし、2人の高校時代と入団チームが入れ替わっていたなら〝マット〟はこの世に存在していませんでした。

私たちは、歪んだプリズムを通してでしか物事を見ることが出来ません。

この忌々しいプリズムをぶっ壊して、過小評価されたグレートの実態に迫ります。

第一弾はファン・マヌエル・マルケス。

エリック・モラレスとアントニオ・マルコ・バレラという一早く世界で名声を轟かせたライバルの後塵を拝した反骨のカウンターパンチャー。

メキシコやフィリピンでビールのCMスポンサーが付くライバルたちを「俺もビールを飲むのにオファーが来ない」と妬んだひねくれ者。

オファーが来ないのは、飲尿健康法を実践する動画をアップしたことが、ビール会社の拒否反応を招いたとも考えられます。

「マルケスをCMに起用したらビールに見えない!」ということです。

もちろん、飲尿健康法をしていなくてもオファーが来なかった可能性大ですが…。

欺瞞のプリズムを外したとき、メキシコのダイナマイトはどう見えるのか?

…続きます。
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ロベイシ・ラミレスの衝撃的な敗北に衝撃を受けたのは本人とトップランクだけではありません。

まー、ボブ・アラムは「また偽物か?しばらく様子を見よう」ぐらいの感じで、全く動じてないでしょうね。

いくつもプロモーションビデオを製作し「史上最高のホープ」を宣伝喧伝していたESPNが必死に応援記事をフォローしています。

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There is No Sugarcoating This Train Wreck. これほどの脱線事故にはもはや慰めの言葉も浮かばない。
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しかし、25歳のラミレスが絶望する必要は全くない。

試合を解説、ラミレスの華々しいデビューを予想していたティモシー・ブラッドリーは「ラミレスだけの責任じゃない。ラミレスは全く準備不足に見えた。コーナーとマネジメントに大きな責任がある」と憤慨している。

歴史を紐解くと、プロデビューで挫折しながら偉大なボクサーに成長した例は枚挙にいとまがない。

①歴代最高のシュガー・レイ・ロビンソンに次ぐPFP2位はヘンリー・アームストロングだが、なんと彼はデビュー戦をラミレスよりも酷い3回KO負けで落としているのだ。

それどころかデビューから5戦で4敗も喫しているのだ。


②ミドル級の連続防衛記録20を持つバーナード・ホプキンスもデビュー戦は、ラミレスと同じ4回判定負け。

オスカー・デラホーヤ、フェリックス・トリニダードを沈めた死刑執行人はエイリアンとなって50歳まで世界のトップで戦い続けた。


ファン・マヌエル・マルケスはマニー・パッキャオと歴史的な4試合を繰り広げた伝説のボクサー。そのマルケスもプロデビュー戦は失格負けで落としているのだ。

軽量級(フェザー)から中量級(ジュニアウェルター)にわたる4階級制覇は歴史上3人しか達成できていない偉業で、ボクシング大国の歴代最高ボクサーの1人である。


④プエルトリコの軽量級シーンで最高選手のウィルフレド・バスケスもラミレスと同じ4回判定負けでプロキャリアをスタートさせたグレート。

バスケスはバンタム、ジュニアフェザー、フェザー級の3階級で覇権を打ち立てた。 


⑤クルーザー級の連続防衛記録13を持つジョニー・ネルソンはデビュー戦から3連敗。

それが英国史上屈指のボクサーに成長、クルーザー級の歴史にその名を刻んだ。

オルランド・サリドのプロデビュー戦もKO負け。

そんなメキシカンがプエルトリコのスーパースター候補ファンマ・ロペスを2度にわたって木っ端微塵に打ち砕き、あのロマチェンコにも唯一の黒星をなすりつけたのだ。


ピピノ・クエバスのデビュー戦は2ラウンドTKO負け。

そんなメキシカンが最もレベルの高いウェルター級に絶対王政を築いたのだ。

現役選手にもプロデビューで敗北を味わったグレートは数多く存在する。


⑧タイの英雄にしてPFPファイターのシーサケット・ソールンビサイはデビューから2試合連続KO負け。

そのシーサケットがPFP1位のローマン・ゴンザレスを2試合連続で撃破。ジュニアバンタム級史上最強の1人になった。


テビン・ファーマーも4回ストップ負けでプロキャリアをスタート。

ファーマーは今、ジュニアライト級の世界王者の1人としてビッグファイトを待っている。


▶︎ESPNのサンプルが9人で中途半端なので、⑩を付け加えます。

木村翔のデビュー戦は1回KO負け。

自らを「うんこ」と卑下した男が、世界軽量級屈指のAサイドであるゾウ・シミンを粉砕すると誰が予想したか。

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私が挙げた木村も含めて10人が10人とも生粋の叩き上げボクサーです。そういえば、マルケス弟も確か初戦KO負けですね。

なんとか救いを見出したいESPNの必死のパッチもわかりますが、10人の中には五輪金はもちろんメダリストすら見当たりません。

上記10人は、世間から見放された落ちこぼれでしたが、咬ませ犬の立場から不断の努力と不撓不屈の精神力で大物を食って食って食いまくってノシ上がったのです。

最初から温室に入れられて、慎重に調理された離乳食すら消化できずに吐き出してしまったラミレスと彼らを同列に語るのは、彼らに失礼です。

せっかくの2連続金ですから、ロマチェンコが失敗したデビュ−2戦目で世界獲得を目指してはいかかがでしょうか?一気に名誉回復できます。ジャーボンタ・デービスあたりで。
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試合前のオッズはロベイシ・ラミレス勝利1.01倍、アダン・ゴンザレス22倍。賭けが成立するギリギリの状態でした。

この試合に賭けていたギャンブラーも少なかったでしょう。それほどまでに勝敗に関心が向く試合ではありませんでした。
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結果はスプリットデジションでしたが、ラミレスの38−37とつけたジャッジは、試合ではなくトップランクの顔色を見ていたようです。

奴らが仕組んだ試合、俺が負けるように仕込まれた試合なのはフィラデルフィアに入ってからもよくわかった。でも、見たか!俺は自分の力で勝利を引き寄せたんだ、ざまあみろ。「君には誰も味方がいない」と言った記者連中、聞こえるか!?俺には俺のプロモーターがいる、俺には俺の神がついていて、家族も子供もいる、コーナーだって最初から勝てると送り出してくれた。


トップランクやゴールデンボーイ・プロモーション(GBP)と契約した期待の選手が温室の中でコケるのは珍しいことではありません。むしろ順調にスターダムに駆け上がる方がレアケースです。

特にトップランクは悲惨です。GBPも「GBPの二つの呪い」(生え抜きの世界王者は生まれない/大型契約を結んだスターは初戦で負ける)なんて言われ続けていました(二つ目はまだ生きてますね)。

それにしても、ロベイシ・ラミレスは負けるのが早すぎます。いくらなんでも初戦って…。温室に入れたら死んでた感じですね。

マイケル・カルバハルも(五輪銀で格下でしたが)デビュー戦はグダグダ(実は相手が未来の世界王者で強かった)でしたが…。

悪い選手じゃないし、いいものを持っているようにも見えますが、それは全く無名相手の試合で、です。あのレベルをが相手では「いいもの持ってる」かどうかは、どんな専門家でもわかりません。

ロンドン〜リオの五輪2連覇とはいえ同じ2連覇のワシル・ロマチェンコやギレルモ・リゴンドーとはグループが違います。ゾウ・シミンのグループにカテゴライズされるべきエリートアマです。

今回がプロ初戦とされていますが。WSB(ワールドシリーズ・オブ・ボクシング)にも出場して報酬を受け取っています。プロで順応できるかどうかの試金石でもあったWBSでは強豪揃いのリーグ戦とはいえ14勝2敗。星勘定はともかく、試合内容もパワーと防御に疑問符がつけられていました。

ロマチェンコも同じことが指摘されていましたが、アマでの到達点の次元が違いすぎます。

ボクサーが記事にされることが少ないスポーツイラストレイテッド誌で8ページにわたる大特集が組まれ、5月にトップランクと総額100万ドルと言われる複数年契約を結んだばかりでした。

「キューバ史上最高のスターを手にいれた。マイケル・コンランとシャクール・スティーブンソン(共にトップランク傘下)に並ぶフェザー級の新星だ。しかるべきときが来れば(スーパースターの最終ステージ)ウェルターも視野に入れる。これから起きることを考えるとワクワクする」(ボブ・アラム)。

確かに、ワクワクすることが起きました。

ラミレスの番狂わせについては戦前からの不安「アマチュア時代から圧倒的な強さではなかった」「プロ仕様の戦い方が完成されていない」が的中した形になりました。

それでも、あのレベルの相手に不覚をとるとは誰も予想してなかったでしょう。

とはいえ、エリートアマから鳴り物入りでプロ入りして、期待通りにステージをクリアしたホープは極めて少数派です。

スターダムのステージを5段階に分けて、最近のボクサーをサンプルにして振り返っていきます。

①温室の中に敷かれたレールに乗って順調に勝ち上がる。→ロベイシはこの温室の第1戦、出航直後にまさかの座礁。

②露地にだされてコンテンダーとのテストもクリアしてアルファベットの世界王者に。→ワシル・ロマチェンコや村田諒太、フェリックス・ベルデホ(世界挑戦前でしたがロベイシと一緒は可哀想なので)はここで挫折。

③強豪との対決に勝利を収めてスターの座を獲得。→アンソニー・ジョシュア(ウラジミール・クリチコとの激闘を制してスターの地位は獲得していましたが)はこのステージの途上で挫折。

④スター同士の星のつぶし合いにも勝ち残りスーパースターに。→ゲンナディ・ゴロフキンやマイキー・ガルシアはここで挫折。(スーパースターの定義が微妙ですが)アンドレ・ウォードはここまで到達しましたが、ここで引退。

⑤歴史的な強豪との対決も制して伝説に。→オスカー・デラホーヤはここで敗北を重ねてしまう。
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温室から解き放たれてからは勇気あるマッチメイクでボクシングファンを沸かせてくれたゴールデンボーイでしたが、大勝負にはことごとく敗れてしまいました。

それでもロスアンゼルス・ドジャースの買収に乗り出すなど、経済的には大成功を収めました。

もちろん、無敗のまま5つのステージを駆け上がることが最優先で大切なわけがありません。シュガー・レイ・レナードも④の段階で挫折。

もし⓪ステージ(五輪金)を設定すると フロイド・メイウェザーらは、そもそも⓪ステージでコケていますし、マニー・パッキャオは金メダルどころか五輪とも縁がありませんでした。

五輪金でなくとも、途中乗車でステージ⑤を手にいれる猛者も珍しくはありません。 

一方、五輪金で限定すると、無敗のままステージ⑤まで到達した選手はいません。敗北を乗り越えて⑤に辿り着いた金メダリストですら、モハメド・アリとシュガー・レイ・レナードの2人だけです。

ロマチェンコはPFP1位には登りつめたものの「140(ジュニアウェルター級)には上げない」とライト級止まりのキャリアを示唆しています。ライト級ではデュランやメイウェザー、パッキャオですら主役にはなれませんでしたから、このゲーム上ではロマチェンコはジ・エンドです。
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3月30日(日本時間31日)、ペンシルバニア州フィラデルフィアで小原佳太がIBFウェルター級タイトル挑戦者決定戦をクドラティロ・アブドカハロフ(Kudratillo Abdukakhorov)と争います。
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会場は2300アリーナ。多目的アリーナと標榜しながらも、プロレスとボクシングを主に興行する格闘技ホールです。

ボクシング17階級で最大の競技人口を抱え、米国で最も人気のあるウェルター級の世界王座は、日本人にとって前人未到の高嶺。

そして、IBFウェルター級王者というと、あのエロール・スペンスです。

週末に勝利を収めたとしても、全く無名の日本人が〝The Truth〟にすんなり挑戦できるとは残念ながら想像できません。

それでも、この挑戦者決定戦に勝てば「全く無名」ではなくなります。

20勝18KO3敗、32歳の小原に対して、アブドカハロフは15戦全勝9KOの25歳。

The Punisher の異名を持つウズベキスタン人はナショナルタイトルを皮切りに、WBFインターナショナル、WBCシルバーとウェルター級の地域タイトルをコレクションしてきました。

ジュニアウェルター級でエドュアルド・トロヤノフスキーに挑み痛烈に返り討ちにされた小原がウェルターで通用するのか、心配ですが注目の一戦になります。

アブドカハロフは強豪との対戦経験はゼロ、その実力は未知数ですが、オッズはウズベキの25歳に大きく傾いています。

ウィリアムヒルではアブドカハロフ勝利が1/50(1.02倍)に対して、小原12倍。

ブックメーカーは「WBOアジアパシフィック王者よりも中央アジアの未知の強豪の方が圧倒的に強い」と見ているようです。

アバウト1−12。

圧倒的不利予想が立てられていますが、大番狂わせを期待しましょう。

勝てばリング上で「スペンス、俺と戦え!」と堂々と叫べるのです。

日本のファンに、ウェルターの夢を見せて下さい!
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 WBO世界ジュニアミドル級タイトルマッチ。

王者ハイメ・ムングイアに井上岳志が挑みます。

現時点のオッズはとんでもないことになっています。
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ペーパー上は、井上の勝利はありえません。

井上の勝利は14倍、KOなら25倍。そのKOラウンドごとの倍率は全て100倍です。

燃えるしかないオッズです。

100倍!こりゃ、いい燃料になりますね。

派手に燃やしましょう!!!!!!!!!!!! 
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ESPNの2018年ベスト・ストーリーから、ヘザー・ハーディーのドキュメンタリーの紹介です。


その前に、このユニークな、ボクサーであり、MMAファイターであり、キックボクサーの略歴です。

ヘザー〝ザ・ヒート〟ハーディ。

1982年ブルックリン生まれのアイルランド系米国人。今月25日で37歳。身長165㎝/リーチ163㎝のサウスポー。

2004年に高校時代から付き合っていた男性と結婚するも、2010年に離婚。

幼少期からスポーツ万能だった彼女は、男の子に混じって野球にも興じ、当時の夢は「ニューヨークヤンキース史上初の女子ピッチャーとなること」でした。

ジョン・ジェイ・カレッジに進学、法医学・心理学を学び、22歳で卒業。すぐに2004年に高校時代から付き合っていた男性と結婚するも、2010年に離婚。

この2010年、ハーディーにとって激動の年となりました。

元夫が子供の養育費を払わなかったため、いくつもの仕事を掛け持ちしながら、3週間のトレーニングでプロボクサーとしてデビューします。

「とにかく、何もかもを殴り倒したかっただけ」。

28歳のルーキーはプロ初戦を白星で飾ると、ほどなくキックボクシングでもタイトルを獲ります。
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Victoria Will, Clay Patrick McBride for ESPN
 
 'I'm a fighter'

ザー・ハーディーの職業はファイターだ。

しかし、彼女はそんな自己紹介を必要としない。彼女の傷だらけの顔を見れば、そんなことはすぐにわかるからだ。

ハーディーはボクサーとして(2018年2月13日:このドキュメンタリー上梓当時)20戦無敗だったが、報酬の低さと、テレビで放送されることの少なさ、注目度の低さに不満を募らせてきた。

36歳のシングルマザーがPPVの舞台で6フィギュア(6桁=10万ドル)を稼ぐために、MMAの金網の中に入るのは、生きるため、そして彼女の存在証明のためには当然の選択だった。


「みんな『気でも狂ったのか』って驚いたけど、私はファイター。迷いもなかったし、怖くもなかった」。

ハーディーはベラトール194で、史上初の「MMA+ボクシング」のダブルヘッダーに挑む。

アナ・フレイトンと2月16日にMMAルールで戦い、年末にボクシングで決着を付けるというのだ。

「人々の記憶に私の存在を焼き付けなきゃならないの。私はここにいるぞって」。

※今試合は3−0の判定で勝利。年末予定されていたボクシングマッチはまだ行われていない。



ウ・ディベラが私を気に入ってくれて、彼と契約を結んだ。

私は選手だけど、チケットも売った。おかしな話でしょ。

チャンスを作ってくれた彼には感謝してる。でも5連勝、10連勝、勝利を重ねていくうちに、感謝の感情はおかしいんじゃないかって思うようになったわ。

私はもっともらうべきだと、男子ボクサーとの間にある不当な差別にも…。

いろんなことに気づかされた。

「とにかく、なにもかも殴り倒したかっただけ」。

金網の中に入ったのは、お金が欲しかっただけ。

大好きなボクシングでは、10ラウンドの世界戦でもファイトマネーは7000ドル。しかも、イベントの前座に組まれてしまうから、露出も限られてしまう。

私はそんなイベントでも4万ドル分ものチケットを売ったのに。4万ドル売るセールスマンが、リングにも上がって、受け取るのは7000ドル、おかしくない?

私はもう35歳、ファイターとして残された時間は砂時計の砂のように、サラサラとどんどん落ちて亡くなっていく。

MMAで大きな仕事をやって、ボクシングのリングに戻れば、大好きなボクシングに何か還元できるはず。

MMAは、女性をボクシングよりもはるかに正当に扱ってくれる。

より多くの報酬が約束され、より多くの注目が集まり、より多くのスポンサーがついてくれて、何よりもリスペクトされる。
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ンダ・ラウジーになろうなんて思っちゃいないけど、MMAにはその可能性があるの。

マジソンスクエアの2万人の大観衆が私の名前を連呼しているなんて、想像するだけで最高。

ヤンキースタジアムに私の名前がアナウンスされて、ブルペンからピッチャーズマウンドに向かって走り出す、それが少女時代の夢だったけど、今はマジソンスクエアの夢がある、同じくらいかずっと大きな夢が。

しかも、その夢は、もっともっと現実で手に届きそうなところまで来ているんだから。

私の背中のヤンキースのタトゥーは15歳のときに彫ったの。

あのときは、誰も私の球は打てなかったし、ヤンキースで活躍できると信じてた。

ワールドシリーズ第7戦9回裏、絶体絶命の大ピンチ。ヤンキースのリードはわずか1点、そこで私がマウンドに上がるの。わくわくするでしょ?

チームの男子は「そんな場面は最悪、絶対に嫌だ。信じられない。もっと楽な展開で勝利に貢献したい」と呆れ果ててたけど、私の方が信じられない。

今、思い返してみると、私は味方投手が滅多打ちにされて、そこに出て行って相手をねじ伏せたかった。

私は先発投手で、いっつも最初からねじ伏せてたから、そんな場面に巡りあうことはできなかったけど。

それにカーブを投げるのが嫌で、とにかく一番速いファーストボールをバッターの胸元に力一杯投げ込みたくて、いつもその衝動を抑えることが出来なかった。

キャッチャーがマウンドに来て「少しだけ変化球も混ぜよう」なんて言いだしたら「私の変化球の分は別の投手で投げさせろ」と蹴り飛ばしてた。

そう、最初に私が蹴り倒した相手はリングでもオクタゴンでもなくて、野球のフィールドで味方キャッチャーだった。


そう…本当は野球が大好きで、野球がやりたいんじゃなくて……。


「とにかく、なにもかも殴り倒したかっただけ」。だけなのかもしれない。


私はここにいるぞ。私を見ろ!

先日の計量ではメガネをかけて、思い切り真っ赤な口紅を塗って、真っ黒のバスローブで秤に乗ってやった。

男どもは口汚く罵りあって、ときには乱闘騒ぎも起こして計量を盛り上げるけど、そのやり方は女には向いていなかった。

女のファイターにしかできないこと、男のファイターには絶対にない魅力が絶対にあるはず。それを、いろいろ考えている。

今は、まだ研究の途中だけど。

私はファイター。

でも、13歳の娘の母親でもある。

この世で最も難しいことを教えてあげる。

責任を持って子供を育てること、健康ですこやかに、栄養のあるものを美味しく楽しく食べさせて、毎日力強く学校に通わせること。

娘は私の仕事を知っているけど、彼女はそれを特別だとは思っていない。

私がでかけるとき「行って来るね」と声をかける。

彼女は不安な顔ひとつ見せずに「いってらっしゃい」と送り出してくれる。

彼女にとっては、ファイターも医者も弁護士も学校の先生も、一緒。何も変わらないのだ。それは私も一緒。

世間じゃ、私たち二人が特別なのかもしれないけど、冗談じゃない。

それは、私たち二人にとって、世間が特別なだけ。
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クシング。

私は、やっぱりボクシングが天職なんだと、今更だけど痛感してる。

ボクシングの戦い方には、ものすごく広い幅がある。

相手を傷つける、痛めつける、あるいは殺す…そんな故意がなくても、スコアを積み重ねるスポーツとしてボクシングはパフォーマンス出来る。

ただ、MMAはそうはいかない。

「とにかく、なにもかも殴り倒したかっただけ」なんて、生まれた瞬間から考え続けてるヤツが、何を言ってるんだって思われるかもしれないけど、私の中では全く矛盾していない。

「とにかく、なにもかも殴り倒したかっただけ」。

だけど、殴り倒したい相手、それだって愛してる。心の底から愛してる。

傷つけたいとか、痛めつけたいとか、そんなことは思ってもいない。



先日の試合が終わって、私は娘にテレビ電話したんだ。お仕事が終わったママの顔を見てもらいたくて。

驚かせるつもりなんて全くなかったし、もし万一、驚かれたり泣かれたら、こんなことするんじゃなかったと後悔しただろうけど…。

モニターの中の娘は自然に「ママ、ひどい顔〜〜」と笑ってた。
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Victoria Will, Clay Patrick McBride for ESPN

人生なんて誰にとっても簡単なもんじゃない。

誰だって、いっつもピンチの連続。そんなときにどうするか?

そんなとき、私はいつだって戦ってきた。

最近「世界を代表する女子アスリート」と紹介されたり、面と向かっても言われたりするけど、その度にレポーター連中に教えてやらなきゃならない、面倒だけど。

I always tell people, I'm not an athlete, I'm a fighter.

私はアスリートじゃない、私はファイターだ、と。



よく聞きなさい。

女がプロスポーツの世界に足を踏み入たれたら、男のようにアスリートでござい、じゃ済まない。

ファイターになるしかない。

敵はリングやオクタゴンの中だけじゃない、世界中を敵に回すようなものだから。

女性のプロスポーツ選手がアスリートになれるまで、私は戦う、ファイターなんだから。

だからといって、同情無用。

私はアスリートなんかじゃなくて、ファイターであることが誇りだから。それが、私の存在証明になるから。

正直に言うと「私は何をしてるんだろう?」って疑問に迷うこともある。

でも、きっとそんなことは誰の人生でも同じでしょ?

私が、ちょっと違うのは、そんな疑問や迷いが跡形もなく吹っ飛んでしまう瞬間と場所を持ってるってこと。

When the bell rings and after the first punch is my favorite thing in the whole wide world.

ゴングが鳴る!そして最初のパンチをお見舞いする!

ああ、なんて素敵なことなの。私は、この世界が好きで好きでたまらない… 。
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男女差別。

アジアにおいては、より深刻な形で根を下ろしていた、この宿痾も政治や経済の世界では徐々にですが改善しているように見えます。

もちろん、欧米ではさらに進んでいます。

しかし、ことスポーツの世界に目を向けると、アジアは言うまでもなく、欧米ですら太古の恐竜の死体のように男女差別が根深く絶望的に横たわり続けているのが現実です。

女子ボクサーのスター選手、ヘザー・ハーディーは「男性と同じように報酬をよこせ」と主張しています。

これはファン・フランシスコ・エストラーダら軽量級選手が「同じ世界王者なのに中量級との格差が悲惨なまでに大き過ぎる」と不満をブチまけているのとは事情が違います。

エストラーダの場合は、現実のテレビ視聴者数に代表される人気指数が異常に低い軽量級だから仕方がありませんが、ハーディの場合は「ほとんど変わらないのになぜ?!」ということなのです。
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女子とスポーツの間には、あまりにも多くの障害が横たわっている。ハーディー、格好いいですね。

昨年10月27日のダニエル・ジェイコブスvsセルゲイ・デレビャンチェンコのIBFミドル級王者決定戦をメインにしたイベントのセミファイナルに登場したハーディーはWBO女子フェザー級王者決定戦に出場、シェリー・ビンセントを判定で下しました。

HBOが全米に生中継した視聴者数は、ジェイコブスvsデレビャンチェンコが55万3000人、ハーディーvsビンセントは52万7000人とその差は4.7ポイントしかありませんでした。前者を100とすると後者は95.3です。

にもかかわらず、HBOが割り当てた予算は300万ドルと10万ドル。100:3.33ととんでもない格差だというののがハーディの主張です。

もちろん、視聴者はメインイベントに向けてテレビを付けるので、ジェイコブスとハーディが別の興行でそれぞれメインを張ったとして100:95.3のスコアを叩けるわけがありません。

カネロ・アルバレスの前座に出たボクサーが「視聴者数の割合に応じて報酬を出せ」と言うのと同じことです。

視聴者数100:95.3に対して、予算が100:3.33は低過ぎるという主張も、カネロが報酬6000万ドル、前座ボクサーがその約3%、180万ドルと考えると「180万ドルももらい過ぎ。視聴者数が多いのはカネロの前座だからだろ」と思えるのは当然です。メイパックやカネロのケースは完全な例外と考えなければなりません。

けしてメジャーでも儲かるスポーツでもない米国プロボクシングが、なぜか「世界で最も稼げるスポーツ」と愚かな勘違いされているのは、この3人だけが原因です。米国では、この3人だけがメジャースポーツと比べても引けを取らない報酬を稼いでいるだけです。

その他の有象無象は100万ドル稼げば超トップ、軽量級では世界王者になっても10万ドルも稼げないのが当たり前の世界です。

それでも、ジェイコブスとハーディーの人気を比較した場合、100:3.33の比率ではないのは明らかです。

ハーディーの主張は正しいと思います。「女子の予算や報酬を男子と同じモノサシで測れ」ということです。

人気や視聴者数の他に「男女差別」というモノサシは使うな、ということです。
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