フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

      Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。

カテゴリ: ESPNから

いよいよ日本時間9月27日に迫った、今年最初のPPVイベント。その主人公はカネロ・アルバレスでもマニー・パッキャオでもありません。

ローカルヒーローのジャモール&ジャーメルのチャーロ兄弟です。

双子の30歳は人気階級のミドルとジュニアミドルのタイトルホルダー、ともに強敵を迎えます。

WBCミドル級王者ジャモールは、現代では絶滅したはずの〝無冠の帝王〟セルゲイ・デレビャンチェンコ、WBCジュニアミドル級王者ジャーメルはWBA/IBF/IBOの3団体統一王者ジェイソン・ロサリオを迎え撃ちます。

チャーロ兄弟はリングの中でキャリア最強の敵と戦うだけでなく、リングの外では人生初のPPVファイターとして「数字」というこれまた厄介極まる強敵とも対峙することになります。

今回は兄弟が2つのパートでそれぞれメインイベントに出場する、斬新なイベント。途中でオペラや昔の大作映画のようなインターミッション(休憩時間)が設けられています。

ここで、ShowTIMEの手がけた過去の名勝負などがドキュメンタリー的に流されるのでしょうか?

ShowTIMEスポーツのステファン・エスピノサは「兄弟で30万件」を目標に掲げていますが「全米レベルの人気に疑問符がつくチャーロ兄弟には荷が重い」という厳しい見方もあります。

それでも、ボクシングファンとしては何としても成功して欲しいです!
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と書きつつも、今夜のお話はジェイソン・ロサリオ

前戦(2019年1月18日:ジュリアン・ジャクソン戦)で1−20のオッズを引っくり返した「154ポンドのマニー・パッキャオ」です。

今日のオッズはジャーメル2/9(1.22倍)*ロサリオ4/1(5倍)と、昨日の1/4(1.25倍)*ロサリオ15/4(4.75倍)からほぼ平行線。

大番狂わせを起こしたジャクソン戦ほどの大差では無いものの、依然として明白なアンダードッグです。

この25歳のドミニカ人は。生い立ちまでもが「カリブ海のパックマン」です。

幼い頃からシングルマザーの家庭で極貧に喘ぎ、上下水道も配備されていない段ボールで壁を仕切った家で育ちました。

食事は毎日口に出来ませんでした。母親のイザベル・バスタードはハウスクリーニングの仕事を掛け持ちして懸命にお金を求めましたが、子供達に毎日の食事を与えるのは非常に厳しい金額しか稼げませんでした。

家族の日課は近所のゴミ箱から残飯を漁ることでしたが、貧しい地域ではそれもままなりません。

「パッキャオのような話だと言われるけど…私よりも貧しい少年時代を送った人なんて本当にいるのかな?信じられないよ、それくらいに惨めで貧しかった」。

「何日も食べ物を口に出来ないことも珍しくなかった。食べ物を求めて路上を彷徨っていた」。

「あの記憶が今の私を形作っている。今ではドミニカに大きな家を建てた、車も買った…でも私は飢えている。いくらでも食べものを口にできる環境になっても、厳しい練習と減量に耐えることができる。あの頃と同じハングリーなままだ」。

「自分がワールドクラスなのはわかっていたけど、私にはコネクションがなかった。ジャクソン陣営は噛ませ犬を買ったつもりだったろうけど、私はついにチャンスが来たと、命がけでキャンプを過ごした」。

「このクラスでベルトを持っていれば、次のチャンスが訪れる。我慢するんだと覚悟していたら、チャーロ戦が決まったんだ。しかもPPVイベントだ」。

トレーナーのルイス・ペレスは静かに語ります。「ジャーメルはいいボクサーだが、欠点も多い。それはロサリオも同じだ。欠点の無いボクサーはいない。それを何で補うかで勝負が決まる。ジャーメルにとってロサリオは間違いなく最強の敵だ」。

「経済的に余裕のできたロサリオは新しい家や車を買わずに、16週間のキャンプを選んだ。私たちはやるべきことは、全てやった」。

アゲインストのオッズと予想について聞かれたロサリオは「パッキャオのようだと言っておいてそれを聞くのかい?私はネットや雑誌、新聞のオッズや戦前予想をチェックしてる。そういう数字や記事を見るとワクワクしてくる。試合が終わったときの、あのなんとも言えない、世界を引っ繰り返したような快感はたまらない」と笑います。

「次の試合くらいで私もパッキャオみたいに語ろうか?『あなたたちの予想通りに現実が運ぶのなら私は今ここに座ってあなたたちの質問を受けていない』」。



個人的には番狂わせの可能性はあると見ますが、ジャーメル有利は明らかです。

もし、2試合続けて番狂わせとなれば…。勝ち方が鮮烈なノックアウトなら、次戦はジャモールも有力でしょう。

そうなると物語が続きます。

もちろん、ジャモールがウクライナのテクニシャンに完勝することが大前提ですが。
 
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MGMグランド・コンベンションセンターに特設された仮そめのリング(これが仮そめの刹那であってくれることを全ての人が祈っています)「Bubble」など、厳戒態勢でイベント再開して2ヶ月が経とうとしています。

8月にはガーボンタ・デービスvsレオ・サンタクルス、ディリアン・ホワイトvsアレキサンダー・ポベトキン、ホセ・ラミレスvsビクトル・ポストル、ホルヘ・リナレスvsハビエル・フォルトゥナと、本来なら100万ドルファイターの試合もフィックスしていますが、彼らの取り分が減額されるのは確実です。
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「あの素晴らしい激闘をもう一度」。ファンもメディアも期待した再戦は、衝撃的な結末で終わりました。
 
そして、こんな時期に、かつてミドル級に覇権を建てたセルヒオ・マルチネスも6年以上のブランクを経て、リングに帰って来ます。

満身創痍の肉体を、キャッチウェイトという名のノミで削られた末に、コットに惨敗してしまったのが2014年。

45歳になったアルゼンティーナは現役時代と変わらずハンサムでダンディなままですが、全盛期にビッグファイトを勝ち抜いた反射神経や動体視力が大きく衰えているのは間違いありません。

ESPNの看板レポーター2人がマルチネスのカムバックについて書いています。

スティーブ・キム:コット戦ではかつての高級スポーツカーはタイヤがパンクし、トランスミッションはイカれていた。有名な古傷、右膝の故障は見た目にも深刻、高い身体能力と機動性は完全に失われていた。

カムバックは悪い夢だと思うが、彼の人生。

プライムタイムの颯爽としたイメージが汚されるのは残念だが、カムバックがどんな結果になろうとも彼のレガシーは変わらない。


ニック・パーキンソン:引退してからの物語はリングの外であるべき。

マルチネスは、マイク・タイソンとロイ・ジョーンズJr.よりも若いが、彼が戻るリングはエキシビションではない。

40歳を超えてトップ戦線で戦えるボクサーは極めて例外的。ましてや45歳を過ぎてとなると…。

45歳で王座返り咲きを果たしたジョージ・フォアマン、48歳まで世界王者だったバーナード・ホプキンスは、誰もが記憶しているだろう。

しかし、ボクシング150年の歴史で、彼ら2人だけだ。150年で2人。そして、フォアマンとホプキンスは年齢は重ねても大きな怪我を抱えていたわけじゃない。

45歳のセルヒオの居場所はどこにだってあるだろう。何しろ元ミドル級のlineal champion で、性格も抜群、それにあの容姿だ。

そう、彼ならどこにだって素晴らしい人生が待っているはずだ。

ただし…それは、4本ロープで囲われた非情なリングの内側以外の場所だ。

×××××××××

マルチネスのカムバックを聞いて、多くのボクシングファンは複雑な思いでしょう。

4-belt era、4団体時代で最初のUndisputed Champion 、完全統一王者の名乗りを挙げたバーナード・ホプキンスのベルトが散逸。

全17階級で最も統一の引力が強いミドル級でも、マルチネスやゲンナディ・ゴロフキン、カネロ・アルバレスを持ってしても完全統一は非常に高いハードルであり続けています。

Undisputed Champion になるのが最も難しい時代、それが4-belt eraです。タイトルが散逸すればするほど、再び一つにまとめる統一作業が困難になるのは当然です。

ーーしかし、本当にそうでしょうか?

3-belt eraに突入した80年代、4-belt eraが決定的となった90年代、そして4団体に王位乱造とそれに伴う量産型という名の穴王者が氾濫する21世紀、

この三つの時代を経て、プロボクシング屈指の人気階級、ミドル級がどのようにして統一引力を失っていったのかを振り返ります。
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セルヒオ"Maravilla"マルチネス

この10年くらいで、かなり好きなボクサーでした。

さすがに「本家」には及ばないものの、彼は「ミドル級のパッキャオ」でした。

最高の注目度と報酬を手にしたのはケリー・パブリックをアップセットした一戦に、フリオ・セサール・チャベスを捌ききったメガファイトでしたが…。

ミドル級のゲートキーパー(門番)から豪華な屋敷の主人へと一気に押し上げたのは、ポール・ウィリアムスとの2戦です。

「25−24」。カミソリ一枚も入らない(razor thin)ほど拮抗したオッズで迎えたウィリアムスとのリマッチは、衝撃的な2ラウンドKO。
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そんなマルチネスの「夏」はゲンナディ・ゴロフキンとの指名試合を回避して、ミゲール・コットとのメガファイトを選択したまで、でした。

ああ、そういえばあの短い期間に偶然とはいえ、戦慄の「2ラウンドKO」が驚愕の旋律を奏でながら3試合も立て続けに勃発したことは、強烈で印象的な事象でした。

ボクシングファンほど、あらゆる方向からバイアスを受けている人種はいません。「戦慄の3試合」のNo.1は世界的には「マニー・パッキャオvsリッキー・ハットン」と決めつけられています。

日本では「ノニト・ドネアvsフェルナンド・モンティエル」もしっかり記憶されているかもしれません。

しかし、何重にも塗りたくられたバイアスを剥がしてゆくと、どう考えても戦慄No.1は「マルチネスvsウィリアムス」です。

そんな、45歳の"Maravilla" が8月21日にリングに戻って来ます。

 
満身創痍の肉体をキャッチウェイトで削られた最後の試合、コット戦が2014年6月7日でしたから、ブランクは6年以上。

この復帰戦はクリアするでしょうが、悲惨な結末しか待っていない、そう感じるのは私だけでしょうか…。




"Maravilla" からカネロまで。

時代は変わりましたが、セルヒオの復帰戦までの20日余り、偉大なアルゼンティーナに悲しいエールを送りつつ、村田諒太も絡めた絢爛な人気階級160ポンドの10年を反芻しましょう…。
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ついに具体化してしまったマイク・タイソンvsロイ・ジョーンズJr.のエキシビション8回戦。

ESPNがこの茶番劇について考察しています。


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Is this fight good or bad for the sport? ボクシング界にとってプラスかマイナスか?

スティーブ・キム:とてもプラスになるとは思えない。現役生活の晩年はひどい負け方を繰り返した54歳と51歳。

それでもボクシングファンは、レジェンドが残酷な目にあうことを期待してしまう生き物。

タイソンは、この試合に精神的な再生の意味を見出しているのかもしれない。そして、ジョーンズはおそらく経済的な理由でグローブを再びはめる。

それにしても、ESPNが「明日を背負う25歳以下の25人」をリリースした日に、この茶番劇が発表されるなんて、なんて皮肉なことだろうか。


ニック・パーキンソン:プラスとマイナス、両面がある。

まず、マイナス。50歳を過ぎた二人の戦いはグロテスクなものだが、だから興味をそそるのだろう。そして、この試合がどんな結果になるにせよ、二人の名声とファンの思い出を汚すことになる。

しかし、思い出して欲しい。相手が恐れることで勝利を重ねてきた二人は、敗北によって相手が向かってくるようになり坂道を転がり落ちるようにキャリアを終えた。

「もう一花咲かす」ことが出来なかった。

彼らの最後の思い出が、二人ともに大きな怪我を負うことなく8ラウンド終了のゴングを聞く、エキシビションなら?

そして、この試合は一般のスポーツファンも惹きつけるだろう。その中からボクシングファンが生まれたら、これはプラスだ。


ベン・ベイビー:このニュースを聞いたときは、信じられなかった。今更、どうして?

二人がこの30年間を代表するスリリングなファイターであったことは間違いない。しかし、今戦うことの意味が、カネ以外は全く見えてこない。


キャメロン・ウルフ:ただ、ひたすら悲しい。彼らの晩年も悲しかったが、このニュースはもっと悲しい。

彼らは名前があるから、PPVは売れるでしょう。しかし、見るべきもののない酷い試合にしかならない。そんな下品な試合が注目されて、ボクシング界にプラス効果なんてありえない。



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How do you see this fight playing out? 試合結果はどうなるか?

キム:最高のシナリオは二人がじゃれ合うようにしか戦えず「なんだこの茶番劇は!カネ返せ!」とPPVの購入者が怒り狂うことだ。

ジョーンズは小さく、何度も衝撃的なKO負けを喫している。もし、タイソンが思い切り振った拳を喰らったら、大きな事故につながりかねない。


パーキンソン:ジョーンズは3歳若く、引退からも2年しか経っていない。それに対して、タイソンがケビン・マクブライトに酷いKO負けを喫してから15年。

タイソンがSNSで投稿した動画は素人目には迫力があるが、目をつぶってパンチを振るってるようなもので、あれでは4回戦でも勝てない。

まともに戦えばジョーンズが後半ストップするか判定勝ち。


ベイビー:今の二人に相手を傷つけるパンチが打てるか?そうは思わない。ぐだぐだの判定になって、タイソンが勝つと思う。


ウルフ:二人とも前半でスタミナを使い果たす。3ラウンドか、持っても4ラウンド。両者ともグダグダになるだろうが、2年前まで現役だったジョーンズの方が試合勘が残っている。

ジョーンズがユナニマスデジションをものにする。


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How would they have matched up during their primes? もし全盛期に戦っていたら?


キム:1986年から1990年のタイソンに太刀打ちできるミドル級なんていない。ボクシングは階級制のスポーツだ。

ジョン・ルイスを侮辱する気はないが、ジョーンズはルイスだから挑戦したし、あの試合でジョーンズが負けるなんて、ブッカーもメディアも誰も思ってなかった。


パーキンソン:仮想対決は不公平だ。一面的な戦いしかできないタイソンは全盛期でも技術的な欠陥をいくつも抱えていた。

ジョーンズはスピードで上回るが、それでも60ポンドの体重差はどうしようもない。


 ベイビー:ライトヘビー級のワンパンチで失神してしまうジョーンズが勝てるのは、ジョン・ルイスだけ。

彼がルイスとしか戦わず、他のヘビー級との対戦はことごとく拒んだのは当然だった。


 ウルフ:全盛期のジョーンズに、想像力が乏しく技術的な引き出しを全く持たないタイソンは大きな問題を抱えるだろう。

しかし、ロイがポイントでリードしても、終盤にはタイソンが捕まえるだろう。 



What other opponent would you like to see Tyson face? タイソンが次に誰と戦うのが見てみたい? 


キム:一言、これを最後にして欲しい。見たくない。 


パーキンソン:これっきりにして欲しい。しかし、タイソンが勝てば、イベンダー・ホリフィールドやレノックス・ルイスとの対戦が、商業的に避けられないだろう。


ベイビー:そんなのいない、これが最初で最後。
 
ウルフ:絶対にもう見たくない。タイソンは15年前に惨敗して引退してるボクサー。痛めつけられて去ったリングにまた戻るなんてバカげている。

周囲が何をそそのかそうが、タイソンもこれを最後にするべき。 
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フェザー級でWBOのピースを持つシャクール・スティーブンソンが、タイトル返上、130ポンド(ジュニアライト級)に上げることが確実視されています。

ESPNのスティーブ・キムによると、トップランクと共同プロモートするアントニオ・レナードは「ビッグネームとの大きな試合が組める130ポンドのタイトルを統一する」と明言したそうです。

レオ・サンタクルスやアブネル・マレス、オスカル・バルデスらに続いて、スティーブンソンも130ポンドへジャンプ。

ミゲール・ベルチェルトやジャメル・ヘリング、そして日本の伊藤雅雪らとの絡みも期待したいところです。

一方で、ボブ・アラムは「アントニオやマネージャーのジェームス・プリンスからもそんな話は聞いていない。ジョシュ・ウォリントンと統一戦を交渉している最中にそれはないんじゃないか」と戸惑い気味です。

IBF王者ウォリントンとの統一戦は昨年末に実施の方向で交渉が進められていましたが、条件面で折り合わず、仕切り直しとなっていました。

現状のフェザー級で、ウォリントンと試合できないなら、ピッグネームは見当たらず、スティーブンソンも「長居する価値はない」と以前から返上をチラつかせていました。

130にはメキシコ系の強豪が集まり、ここで戦果をあげると、ワシル・ロマチェンコやテオフィモ・ロペス、ライアン・ガルシア、ガーボンタ・デービスとタレントひしめくライト級の足がかりにもなります。

フェザー級に見切りをスティーブンソンですがジュニアライトでどこまで通用するか、注目です。

ここでスケールダウンするようなら「最終的にはウェルター級」なんて寝言に過ぎません。
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「出来立てホヤホヤ」というには少し時間が経ちましたが、エマヌエル・ナバレッテが〝フェザー級デビュー戦〟を勝利で飾りました。

これで世界王者となってから6連続ストップ勝ち。

圧倒的な勝利とはいえ、相手が誰も知らないウリエル・ロペス。少しモタつき気味に見えたのは「4ヶ月の〝ブランク〟」「126ポンド」の先入観のせいでしょうか。

それでも、エネルギッシュな攻撃と手数は相変わらず。「強いなあ」と思わせるに十分なパフォーマンスでした。

Punch Stats
PUNCHESNAVARRETELOPEZ
Total landed19049
Total thrown571252
Percent33%19%
Jabs landed4011
Jabs thrown177111
Percent23%10%
Power landed15038
Power thrown394141
Percent38%27%
 Courtesy of CompuBox
 
試合を中継したESPNのスティーブ・キムとベン・ベイビーがナバレッテを寸評しているのでご紹介。


ベイビー:この25歳が122ポンド最強だろう。このクラスで統一戦を目指すなら、大きな試合も出来る。


キム:強い選手、でもスタイリストじゃない。 世界王者としては高い技術は持っていない。それでも手数とパワー、根性で完全に補っている。さて、このスタイルでどこまで勝ち続けられるか?

アイザック・ドグボエ戦では不利と見られたが、それ以外の試合は全て完全格下相手。

ムロジョン・アフマダリエフ、ダニー・ローマン、レイ・バルガスと比べても対戦相手の質は明らかに落ちる。彼が強いのは間違いないが、レベルの低い対戦相手が彼をより強く見せている可能性は拭いきれない。



ベイビー:ナバレッテに強豪との対戦が必要なのは言うまでもない。 しかし、フェザー級に上げろ、強豪と戦えという声を両立させるのは難しい。

フェザーに上げる前に、ESPNのトップ10に数えられるジェシー・マグダレノやカール・フランプトンと戦う目はある。 

この2人に、フェザーのシャクール・スティーブンソン、ジョシュ・ウォリントンは同じトップランク傘下で、試合を組むのに大きな障害はない。


キム:マグダレノとフランプトンは強豪だが 、今はベルトを持っていない。統一戦や、バンタム級の井上尚弥が122ポンドに上げるのを待つのは時間がかかりそう。

そう考えると、下手に時間を浪費するよりもフェザーに上がった方が良い。スティーブンソンはもちろん。マイケル・コンランもいる。スティーブンソンは130に上げる噂がるから、急ぐべきだ。

フェザー級ならナバレッテが本当に強いかどうかが、ハッキリわかるだろう。



対立王者のアフマダリエフとバルガスはプロモートの問題から、綱引きの交渉になるのは確実。いつ統一戦が出来るのかは、極めて不透明な状況です。

井上のプライオリティはバンタム完全統一。どんなに理想的にコトが運んだとしても、年内に実現するのは難しいでしょう。来年前半までにバンタム級を制圧、ジュニアフェザー級進出は早くとも来年の今頃。

そう考えると、ナバレッテがフェザー級転向を思いとどまる理由はありません。
 
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リング誌/WBCジュニアバンタム級王者ファン・フランシスコ・エストラーダがローマン・ゴンザレスとの再戦に動き出しました。

実現すると2012年以来、8年越しの再戦となります。

昨年からエストラーダをプロモートするマッチルーム・スポーツは「8月か9月に試合ができるよう交渉を進めている」とし、再戦では「全く違う展開と結界なる」と自信満々。

初戦はロマゴンのWBAジュニアフライ級王座に挑戦、110−118/112−116*2 のユナニマス・デジションでエストラーダが敗退しています。
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エディ・ハーンは「敗因はフライ級のエストラーダが4ポンドも軽いジュニアフライ級に落として戦ったから。ジュニアフライの体重を作ったのは12〜13年前、明らかに無理があった」とESPNのインタビューに語っています。

そして、12年近く連れ沿うトレーナーのアルフレド・カバレロは「ゴンザレス戦をクリアしたら、タイミングを見てバンタム級に上げて、団体統一王者の井上尚弥との対戦を目指す」と日本のエースの名前を挙げました。

Caballero did not rule out the possibility that his boxer will not only face Gonzalez, but also head up at some point to bantamweight to face unified champion Naoya Inoue of Japan.

ミゲール・ベルチェルトらも指導するカバレロは「井上もスタイリッシュに戦うが、ディフェンス面にいくつも欠点を抱えている。エストラーダの方がボクサーとしての完成度が高い」とこちらも自信満々です。

エストラーダはリング誌PFPで8位(井上は3位)、ESPNでも8位(井上は4位)と高い世界評価を得ています。

殿堂クラスはもちろん、まだPFPファイターとの対戦経験もない井上にとってエストラーダと戦えるとなるとPFP1位にも手がかかります。

層の薄い軽量級ではPFPファイターや評価の高いボクサーも出現しにくく、このマッチアップはエストラーダはもちろん、井上にとっても千載一遇の大チャンスです。

実現したらドネア戦以上のメガファイト確実!早い段階で交渉成立のニュースが聞きたいものです。
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史上最高の絵画。

史上最高の彫刻。

史上最高の音楽。

史上最最高の小説。

史上最高の映画。 


そんなもの、一つに決めることなど出来るわけがありません。 非常に優れた作品だけでも星のかずほどありますし、そこから先はもうまさしく宇宙の世界。

一人一人の感性で「史上最高」は決まります。

1人の人間でも、その生涯のどのおステージかによって「史上最高」の作品が変わってくる、なんてことも普通にあるでしょう。

私なんかも「史上最高の絵画はゴッホの『夜のカフェララス』じゃ!」「彫刻はミケランジェロの『ダビデ像』じゃ!」「音楽は初めて買ったレコード『ホテルカリフォルニア』じゃ!」「小説は宮本輝の『流転の海』シリーズじゃ!」「映画は『ゴッドファーザー』じゃ!」と〝そんなこと〟を酔っぱらうたびに吐いていますが、正直、酒飲む度に変わってます…。

上に書いた「史上最高」は、おそらく多数決ではそうじゃないかな?って作品です(本人の自覚調べ。一晩寝ると大きく変わってる可能性大、です)。
しかし。おそらく。

スポーツの試合では、この試合しかありません。たぶん、死ぬまで変わりません。

There was  no greater fight than the showdown Sept. 16, 1981.
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さっき買ってきた格安モルト「グレンターナー ラム酒樽フィニッシュ」とリング誌特別号のツーショット。

何を見ているのだろう?と途中で思いました。

試合が終わったとき、何を見たんだろう?と思いました。 

リング誌特別号が出たことだし「FOUR KINGS」について、ぼちぼち訳しながら、思い出話も交えて、書いていこうと考えていましたが、さっき ESPNで Sugar Ray Leonard on first Thomas Hearns fight: 'What the hell is going on here? という記事(日本贔屓のスティーブ・キムさんの記事です)を読んで「いやいやキムさん!そんなレベルの試合じゃありませんぜ!」とちょっと興奮状態…。

ちょっと、頭を冷やしてから「史上最高の試合」 についてフォーカスしていきます。
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ESPNのスティーブ・キム(PFPで井上に1位票を投じている唯一の記者)の記事から。



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http://www.espn.com/video/clip?id=29162529

Mike Tyson is a boxing legend ... of the past, not today.  マイク・タイソンは素晴らしいボクサーだった…しかし、それは過去の話だ。今じゃない。

マイク・タイソンがエキシビションでのリング復帰を真剣に考えているようです。

そのタイソンを2度にわたって倒したイベンダー・ホリフィールドも、慈善活動としてエキシビションのリングに上がると表明しました。

2人が三度拳を交えることになるのかどうかはわかりません。

ただ、タイソンは53歳、ホリフィールドは57歳。早く目を覚ますべきです。

50過ぎの元ボクサーの戦いに関心を寄せるのも間違いです。 

現在の熱いヘビー級戦線に目を向けるべきです。タイソン・ヒューリー、アンソニー・ジョシュア、デオンティ・ワイルダー…そこには、今のタイソンやホリフィールドとは違う本物の世界があります。 

あるいは米国で最も人気のあるカネロ・アルバレスだって、面白い。ワシル・ロマチェンコ、テレンス・クロフォード、エロール・スペンスJr.、チャーロ兄弟ら実力者はいくらでもいます。

あるいはテオフィモ・ロペスやライアン・ガルシア、シャクール・スティブンソン、井上尚弥、デビン・ハニーのような新星も注目すべき。

大昔のスターの茶番劇でなく、未来につながる今のボクシングにこそ大きな関心が集められるべきです。

もちろん、過去のグレートへの哀愁はこのスポーツを楽しむ重要なメニューの一つでしょう。 

私にとっても、小さな頃に見たモハメド・アリは永遠のアイドルです。 ただ、過去のスターと現実のリングは切り離して考えるべきです。

ここ数年、タイソンは映画やバラエティ番組に出演してポップカルチャーの世界で親しみやすいキャラクターになっています。

今の彼は過去に何度も強姦事件を起こして、1992年から3年間も収監されていた頃とは全く違います。彼が凶悪な犯罪者だったことを知らない若者も多いかもしれません。 

マイク・タイソンは伝説のボクサーですが、現役のボクサーではありません。彼がアップした数秒の動画を見て「今でも凄い」と感じた人イン、こう言うと否定するでしょうか?

「サンドバッグやミットうちの10秒間パフォーマンス選手権があれば、タイソンは60歳の部でも優勝できない」「そして、現実のリングは10秒間パフォーマンスではない」。

例えば、タイソン以上のレジェンドであるマイケル・ジョーダンがコートに復帰すると聞いてどれだけの人が興味を持つでしょうか。大きなニュースにはなるでしょうが、バスケットボールのファンはその試合を見たいとは思いません。 

ジョーダンが引退後にMLBに挑戦したのは偉大な挑戦でした。 しかし、それはマイナーリーグから一段ずつ階段を登る順序をわきまえたものでした。

ジョーダンの復帰を期待するバスケットボールファンはいません。

タイソンが世界チャンピオンだったのは、ドナルド・レーガン大統領の時代です。

ボクシングは若い力のスポーツです。リングから何年も離れた50代の彼らに出る幕はありません。たとえそれがチャリティーやエキシビションだとしても。

タイソンの動画は950万回も再生されました。ベアナックル団体からは2000万ドルの報酬が提示されています。

シャノン・ブリッグスにジェームス・トニー、タイソン・フューリーの父親までが対戦相手に名乗り出ています。

ボクシングにおける茶番劇は目新しいものではありません。それはけして無くならないでしょう。

6月9日にボクシングはラスベガスに帰ってきます。

そこで、今が全盛期の若い才能が素晴らしいパフォーマンスを見せてくれることを楽しみにしています。

20年以上も前に全盛期を過ぎたタイソンとホリフィールドの試合なんて馬鹿げています。 



 

レジェンドの現役復帰。

ボクシングと他の競技で根本的に違うのは、悲劇と隣り合わせということでしょう。

チャリティだ、エキシビションだといっても、それなりに危険なルール下で行われるのは目に見えています。

鈍重なジョーダンがイージーなシュートを何度も外すシーンなど誰も見たくありません。羽生善治が麻雀で負けても誰も何も思いません。

しかし、タイソンとホリフィールド、鈍重な2人が殴り合い、どちらかが痛烈に倒されるシーンは、残酷な野次馬根性を刺激するのです。

井岡vsアローヨや井上vsドネアを霞ませたメイウェザーvsキックボクサー、YouTuber対決…そもそもが「スポーツ」と「野次馬目当てのサーカス」ですから後者が目立つのは当然でしょう。

茶番劇はスポーツではありません。技術的に非常に水準の低いサーカスです。

「そもそもボクシングがスポーツじゃないんじゃね?あれもサーカスの一種でしょ」と言われたら、何も返せませんが。
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ジャック・ヒルシュの記事から。

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ESPNが「史上最高のボクサーはモハメド・アリ 」と発表したことに対して、フロイド・メイウェザーは「アリじゃない、俺だ」と考えているだろう。

世代を超えたボクサーはリングの上で決着をつけることが出来ない以上、比較する方法は一つしかない。

誰に勝ったのか?

それしか比較の拠り所はない。 
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アリの場合はソニー・リストン、ジョージ・フォアマン、ジョー・フレイジャー。

リストンとフォアマンは当時、誰も勝てないと恐れられた世界ヘビー級チャンピオンで、下馬評ではアリが圧倒的不利と見られていた。そして、フレイジャーとの3試合は伝説的な名勝負。いずれの相手も全盛期。

メイウェザーに目を向けるとマニー・パッキャオ、カネロ・アルバレス、ファン・マヌエル・マルケス、ミゲール・コット、オスカー・デラホーヤ。カネロ以外はピークが過ぎたグレートで、当時のカネロも経験不足だけでなくキャッチウェイトを強いられた。

メイウェザーは「アリを尊敬している」と前置きし「 私は無敗でアリは7敗もしている。どちらを上にランクするかを迷う必要があるか?」と主張している。

現実にはアリの敗北数は5つだが、メイウェザーに言わせると「ケン・ノートンとは2勝1敗ではなく3戦全敗」ということらしい。

アリがノートンに勝った2試合が微妙な判定だったのは間違いないが、それを言い出したらメイウェザーのホセ・ルイス・カスティージョ戦はもっと微妙な勝利だったから、メイウェザーは無敗ではない。

さらに、メイウェザーは「The Rope-a-dope なんて〝打たせずに打つ〟というボクシングの基本を無視した愚かな戦法」と馬鹿にしている。

しかし、当時のアリは32歳とはいえ3年7カ月の刑期で大きなブランクを作り、本来のスピードと反射を失っていた。ショルダーロールを習得したメイウェザーが近代ボクシング屈指のディフェンスマスターであるのは間違いないが、かつてのアリもそうだった。

もちろん、記録上はメイウェザーは無敗。アリは5敗している。

メイウェザーは「アリを尊敬している」(尊敬していない人類がいるか?)という通り、歴代ベストの5位にヘビー級では唯一人、アリを選んでいる。

しかし、彼が信仰する「無敗」の物差しを当てるならロッキー・マルシアノをアリ以上に評価すべきだ。

無敗でないシュガー・レイ・ロビンソンとシュガー・レイ・レナードよりも上にすべきだろう。アンドレ・ウォードやジョー・カルザゲもランキング上位に入れなさい。

スベン・オットケやエドウィン・バレロ、テリー・マーシュらを二人のシュガーより上にランクするのも良い考えだ。

そういうと、彼はこう反論するだろう。「無敗でも強い相手に勝ってなければ意味がない!」と。

それなら、もはやメイウェザーがアリに勝つことは不可能だ。

リストンとフォアマン、フレイジャーは言うに及ばず、アリは世界のトップが全盛期にあるときに戦って、勝ってきた。

もし、メイウェザーがアリより優れている点があるとしたら、ボクシングというスポーツに真剣に向き合い続けた一貫した姿勢だ。

アリよりも激しく厳しく練習に打ち込み、最高のコンディショを作ってリングに上がり続けた。

キックボクサーとの試合では醜くだぶついた肉体を晒した?あれは試合じゃない。

コナー・マクレガー戦では肉体はシェイプアップされていたが、動きは最低だった?あの茶番も試合に数えるならそうかもしれないが、2年以上のブランク明けの40歳なら十分だったろう。

アリは、けしてそうではなかった。

メイウェザーはカスティージョ戦を除くと、議論を呼ぶような判定は一つもない。

アリは、そうではなかった。

最後にこれを言うのは反則かもしれないが、時代も階級も違う2人を比較するなんて無意味だ。

アリもメイウェザーも彼らの時代を代表する最高のボクサーであるが、時代や階級を超えることは出来ない。
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