フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

      Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。

カテゴリ: ドーピング

ジャーレル・ミラーが何度もドーピングを重ねたことに、ついにこの人も口を開きました。

ちょうど明後日にラスベガスのMGMカンファレンスセンター〝The Bubble〟 (気泡のように外部から遮断された小さな会場という意味でしょうか)で開催予定だったジェリー・フォレストとのヘビー級10回戦を前に、ミラーの採取検体が禁止薬物のヒト成長ホルモン「GW1516」の陽性反応を示しました。

ミラーは出場停止、カルロス・タカムが〝代打〟することになりました。

昨年6月、アンソニー・ジョシュアとのメガファイトでも同じようにドーピングでアンディ・ルイスJr.が代打出場、超大番狂わせの〝本塁打〟を放ちました。

それにしても何度も同じ過ちを繰り返す “Big Baby” には、もう永久追放しかありえません。
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身長193㎝、体重300ポンド(136kg)の、31歳のミラーはその風貌からもヘビー級の人気者の一人でした。

ボクシングの戦績は23戦全勝20KOと無敗をキープしていましたが、2018年に41歳のトマス・アダメクから2ラウンドKO勝利を収めた以外、その対戦相手リストには見事に無名選手が並びます。

昨年からわずか1年のVADAの薬物検査プログラムで、5回の検査中4回で禁止薬物が陽性反応。ジョシュア戦ではGW1516に、他の禁止物質も検出されていました。

ミラーは「ドーピング目的でステロイドなどの化学物質を使用したことは一度もない。怪我の治療薬に禁止薬物が混入していた」と毎回同じ言い訳を繰り返してきました。


現在、SNACの最高責任者ビクター・コンテは「2年間の出場停止処分でも短すぎる」とミラーを糾弾。

ドーピングの世界にどっぷりと浸かってきた〝最高権威〟は「VADAは選手からの無料相談を受け付けている。どのサプリメントがセーフで、どの治療薬がアウトか。自分が摂取しようとしているものが禁止薬物を含んでいるかどうか、事前に簡単に知ることが出来たはず。どうしてそれをしないで何度も繰り返す?」と、ミラーの言い訳を信用していません。


バリー・ボンズやマリオン・ジョーンズというビッグネームも巻き込んだバルコ・スキャンダルの元締め、コンテは70歳になりましたがノニト・ドネアやマイキー・ガルシア、アミール・カーン、ショーン・ポーター、ケイレブ・プラント、ジェシー・バルガス、デビン・ハニー、ダニエル・ジェイコブス、デメトリアス・アンドラーデをはじめボクシング界でも信奉者は後を絶ちません。

ドーピングで有罪判決を受けた元犯罪者の元にこれだけのビッグネームが群がるというのは「李下に冠を正さず」の日本の常識では考えられません。

昨年は、ゲンナディ・ゴロフキンもSNACのプログラムに参加しました(その後離脱)。


世界的な統括団体を持たないプロボクシングの世界では事実上、罰則がないのと同じです。

ルイス・ネリが「日本」から永久追放されても北中米で自由にリングに上がっているように、ミラーも現時点では「ネバダ州」からライセンスを停止されているだけです。

昨年から5回の検査で4回陽性反応を示しながら、試合前検査で陰性なら出場できたというルールも、五輪スポーツなら狂気の沙汰です。

「ボクシングのザルルールで、もし私に任せてもらえば100%陽性反応を示さないサイボーグを作ることができる。もちろん、もうそんな過ちは犯さないが」(コンテ)という、余計な自慢も米国の闇を見るようです。

ボクシングの現状を踏まえると、もはや「俺もやらなきゃ損」というレベルです…。
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すでに日本でも報じられていますが、ESPNから詳報です。



Olympic Champion Sun Yang Banned for 8 years in Doping case.

28日、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は競泳男子自由形で五輪2大会連続金メダルの孫楊を8年間の資格停止処分を言い渡した。

ロンドン、リオの2大会連続で自由形の金メダル3種目、銀メダル2種目、銅メダル1種目を獲得している28歳は競泳界のスーパースター。
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最も軽蔑される行為に手を染めているのはパッキャオか?メイウェザーか?それとも二人とも〝シロ〟なのか?二人とも〝クロ〟なのか?〜2013年10月リング誌電子版〜

ボクシング界でもドーピング検査は試合前後に義務付けられていますが〝五輪式〟と比べたらザル。その五輪式ですら「薬物の効果と残留の基礎知識と簡単な設備があれば、すり抜けるのは簡単」(ビクター・コンテ)と言われているのが現状です。

一方、2014年の仁川アジア大会で金メダルを獲ったインタビューでは「日本の国歌は本当に耳障りです」と発言、昨年の世界水泳では孫と並んで表彰台に上がることを拒否した選手に「勝ったのは私。お前は負け犬」と侮辱するなど問題のある言動が目立っていた。

2018年9月にWADAの検査員が「五輪式365日24時間抜き打ちテスト」のために自宅に訪問した際、孫のボディガードが血液サンプルを入れた容器をハンマーで叩き割ったことが〝有罪〟とされた。

11月に開かれた聴聞会では「孫の母親がボディガードに容器を壊すように指示した」「孫が自身の携帯のライトで現場を明るくしていた」などの事実確認が行われていた。

この妨害行為を国際水泳連盟(FINA)は規則に抵触しないとの判断を示したことで、WADAはCASに提訴していた。

「五輪式365日24時間抜き打ちテスト」は深夜に検査員が訪問することもあり、アスリートの間でトラブルになることは珍しくない。

今回も、孫の代理人は「WADAの検査員の行動に大きな問題がいくつもあった」と反論していたが、 CASは「検査員は正当な手続きを経て行動、全ての要件を満たしていた」と認定、最終結審が下された。


When the Hammer came down on a container holding a vial of Sun Yang's blood, it ultimately shattered the career of China's Greatest swimmer.

血液サンプルの容器をハンマーで叩き割ったとき、中国史上最高のスイマーのキャリアは終わった。





日本のズポーツファンは、孫の8年間出場停止処分を「当然、ざまあみろ」と受け入れています。孫のドーピングに対して脇が甘すぎる姿勢よりも、その言動が日本人の神経を逆なでしてきた経緯も影響しているのかもしれません。

しかし、ドーピングに限らず「疑わしきは罰せず」は絶対に護らなければならないルールです。

ひとつ言えるのは、ボクシングは大甘も大甘です。「疑わしきは罰せず」ではなく「証拠が出てきても、一部の国や州で出場停止6ヶ月」だけなんて、それって試合感覚の長いボクサーにとってペナルティなのか?という次元です。 
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本来ならドーピングを取り締まるべき世界的な統括団体が存在しないボクシングの世界では、多くのまともなスポーツよりもドーピングに対してある程度は寛容でなければなりません。

取り締まる警察も法律も存在しないのに、個々の違反者を公平に取り締まり、罰則を与えることなど出来るわけがありません。

カネロ・アルバレスら「下手人」だけを非難することほど、頭の悪い反応はないのです。

国破れた戦後直下の無法地帯で凶悪犯罪に走る少年に情状酌量の余地があるのは当然です。

一番悪いのは戦争を起こして、負けた大人たちなのですから。

しかし、その凶悪犯罪を少年ではなく、責任ある大人たちが引き起こしたとしたら?

生まれたときから孤児が過酷な社会に虐げられた末に暴発した犯罪ではなく、十分に経済的余裕があり分別もあるべき大人が犯罪に手を染めたのだとしたら?

情状酌量の余地はありません。

もちろん、法律と警察が存在しないのは同じですから、有効なペナルティを与えることはままなりません。

それでも、周囲は厳しい目を突き刺すことはできます。

2010年、フロイド・メイウェザーの「五輪式365日24時間のドーピング検査」の要求を、「そんなもの出来るわけがない」と一笑に付したマニー・パッキャオは責任重大です。

当時の薬物検査は、各国(米国では各州)のコミッションが一括管理(現在も基本的に同じです)、VADAのプログラムも軌道に乗ったばかりで、プロボクシングのドーピングへの取り組みは今以上に遅れていました。

とはいえ、パッキャオはすでにボクシング界を代表するスーパースターでした。

もはや〝無法地帯で生き残ることだけに必死の戦災孤児〟ではなく、世界屈指のスポーツセレブでした。

確かに、ネットでのコメントや一部のメディアは「チキン・メイウェザーが逃亡の言い訳にしてるだけ」「パッキャオは最も厳格なネバダ州アスレティックコミッション(NSAC)の検査で一度も陽性反応を示していない」「五輪式ランダムテストなんて出来るわけがない」と、パックマン寄りでした。

しかし、リング誌やESPNは「交渉の大詰めでそんな重大な問題を突きつけてきたメイウェザーの態度は理解できない」としながらも「パッキャオには〝代表責任〟がある」と指摘しました。

パッキャオのドーピングへの無頓着な発言は糾弾されて当然です。

リング誌やESPNの姿勢は正しい。
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最近の例では〝戦災孤児〟のルイス・ネリについてはドーピングに関しては情状酌量の余地があります。しかし、ネリに〝代表責任〟などあるわけがありません。

しかし、パッキャオ以上の世界的なスポーツセレブ、カネロには〝代表責任〟があります。それどころか、彼は現実に〝罪〟を犯しているのです。

ボクシング界を代表するカネロが「故意でなかった」「知らなかった」と発言することを許してはいけません。

NSACが下した「出場停止6ヶ月」は大甘裁定以下です。年2試合がデフォルトのカネロにとって「出場停止1試合」に過ぎません。
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しかも、当時HBOとの巨額の複数年契約を結んでいたカネロにとって、この「公傷」は渡りに船。古傷の膝の手術を行い、ペナルティであるはずの6ヶ月を有効利用するのです。 

第二審、「有罪!」。

本来なら、最低でも出場停止24ヶ月。

もちろんNSACのみの出場停止ですから、米国の他の州やメキシコでは試合をやりたい放題です。

それでも、桁違いのカネが稼げるラスベガスのリングに上がれないことは、カネロのようなスーパースターにとっては大きな痛手です。
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国家としての体を喪った戦後直下と、精密に法と教育が整備された現在。時代を考慮しないで、凶悪な少年犯罪を語ってはいけません。

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カネロ・アルバレスほど好き嫌いが分かれるスーパースターは類を見ません。

 もちろん、歴史を振り返ると、評価や人気が分かれるスーパースターは珍しくありません。

しかし…。
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カシアス・クレイはローマ五輪で金メダルを獲った英雄でしたが、モハメド・アリとなって国家に反逆する犯罪者に。それから真の意味での地球的な英雄に昇華、アリの前で世界は何度も手の平を返しました。

シュガー・レイ・レナードもモントリオール五輪の金メダリストから絵に描いたようにスターダムの階段を駆け上がり、「1対1のリンチ」と言われたマービン・ハグラー戦をカミソリ一枚の判定でものにしたまではリングの英雄でした。しかし、ハグラーとの再戦を固辞し、安易でエゴ剥き出しのメガファイトを繰り広げたレナードはアンチヒーローに堕ちました。

マイク・タイソンは、その社会的教養の低さと人間的な弱さを撒き散らしながら「ソニー・リストンのように誰かに殺されて人生を終える。それもリストン(享年38歳)よりも若くして」とネガティブなダークヒーローの香りを常に漂わせていました。

フロイド・メイウェザーは、ボクシングファンからは尊敬と絶賛の声しか出ない「プリティボーイ」から、退屈極まる「マネー」の暗黒面をかぶってからアンチ人気を基盤とする世にも珍しいスーパースター 像を創り上げてみせました。


ただし、カネロの場合はその誰とも違います。

カネロは、アリのように巨大な敵に真っ向勝負を挑むような「偉大な愚か者」ではありません。 アリやレナードのように金メダルを獲った正真正銘の英雄ではなく、温室で適切な肥料を与えられ栽培された狡猾で計画的なヒーローです。

そして、暗愚なタイソンのように周囲に踊らされ、ボクシングの恐怖に溺れてしまうことはなく、この競技に全身全霊を捧げているようにも見えます。 

さらに、メイウェザーのような悪役をセルフ・プロデュースする才能溢れる芸人でもありません。

カネロが達成した「ヘンリー・アームストロング以来の3階級同時保持」は、数字が意味を持たない現代では本当にどうでもいい記録ですが、ジュニアミドル級からライトヘビー級までの4階級制覇は、軽量級の「4」とは意味が違います。 

アリやレナードと並べることが適切であるかどうかは別にして、カネロがメイウェザーやパッキャオからトーチを受け取った現代を代表するスーパースターであることは誰も否定できません。

私も間違いなくカネロ・アンチの部類ですが、温室栽培と横暴なAサイド契約が必ずしも勝利に結びつかないことは、ここで説明やサンプルをあらためて挙げる必要はないでしょう。 

温室栽培が失敗するのを楽しみにしている意地悪な私にとって、カネロは想定外の苦々しい存在であり続けています。
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アンチ が「温室」とセットで唾棄し批判する「ドーピング」も、このスポーツにおいては非常に難しい問題です。

犯罪は法律と警察が存在しないと成立しません。 

まず、ボクシングには法律(世界的な統括団体)が存在しません。そして、犯罪を強制的に摘発・逮捕する警察(WADAとその下部組織)も存在しません。

ボクシングを統括するのは試合が行われる国や州のコミッションです。ルイス・ネリにJBCが出来ることは「極東の小さな島国への出禁」だけです。

警察も強制的なものではなく、各地域のコミッションが試合の前後に行うドーピング検査だけ。スポーツを知る者なら、笑うしかありません。これでひっかかったら、ただのバカです…でもただのバカがいっぱいいるんです、ボクシングには。

ボクシングでは、WADAに似ているVADAという団体が最も厳しいもので「五輪式の365日24時間のランダムテスト 」を選手個人に文字どおりvoluntary(任意)の有料サービスを提供していますが、資金難もあり「五輪式」は虚構です。

早い段階からVADAの「五輪式」に登録しているマニー・パッキャオは「真夜中にドアを叩かれたことはないし、フィリピンに彼らが来たこともない」と正直に言っちゃってます。

「ランダム」だから真夜中に行かなくても、フィリピンまで飛ばなくてもいいのですが…普通はパッキャオはボクシング界の看板ですから行きますね。よほど資金が乏しいのでしょう。

法律と警察が存在しない無法地帯だから犯罪を犯しても構わないーーもちろんそんな理屈はありません。

しかし、厳格な法律が整備された世界の短距離100mのスプリンターが 犯す「犯罪」と、法律も警察もない世界のボクサーが犯す「犯罪」を同列で語り、同じ重さの罰則を適用するのは大きな間違いです。

ボクサーの犯罪への注意と学習が、スプリンターよりも大きく劣ってしまうのは、本人だけの責任でしょうか?

ネリを糾弾する人は、もっと強烈な矛先をボクシングの構造に向けなければなりません。

井上信者はネリを嫌う前に、カネロやネリを事実上無罪としたネバダ州アスレティックコミッション(NSAC)に対してNO!と意思表示すべきです。

「教祖様を腐ったラスベガスになんて絶対行かせない」 と。

「最も凶悪なのは NSAC」(VADAの創始者マーガレット・グッドマン)であり、承認団体なのですから。

まともなスポーツとしての体を持たないボクシングを、他のまともなスポーツと同列に考えるのは禁物です。  

第一審は「無罪」! 
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日本プロ野球機構(NPB)でも薬物検査は実施しています。

しかし、その実態はボクシング界もビックリの大甘。「バルコスキャンダル」以降、検査が厳格になったメジャーリーグが、かつてはマイナーリーグよりもはるかに検査体制が緩かったのは選手会の力が強大だからですが、日本でザル検査が放置されたままの原因は、統括団体(NPB)の意識の低さです。

広島カープのスラッガー、サビエル・バティスタ外野手がドーピング違反で6ヶ月の出場停止処分を受けました。日本プロ野球での違反・出場停止処分は6月のジョーイ・メネセス内野手(オリックス・バッファローズ)以来、7人目。
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NPBは「年間100件以上の抜き打ち検査を実施している」(朝日新聞)とされますが、恐ろしく少ない数です。

「全試合で各チームからクジで2名ずつ採尿検査」という話もありますが、それでもシーズン中一度も検査を受けずに済む選手もいるでしょう。

例えばネバダ州の試合に出場するボクサーは試合前後の採尿が義務付けられ、ビッグファイトでは両陣営の合意でより厳格なボランタリー・アンチドーピング機構(VADA)の検査プログラムが導入されることも珍しくありません。

日本のプロ野球では、故障やローテーションの関係で登録を外れた選手には検査が及びません。採尿だけで採血しないのも時代錯誤です。

NPB(NPBアンチドーピング特別委員会)主導の検査だから大甘になるのは当然で、五輪などで検査を主幹している世界アンチドーピング機構(WADA )の〝統一基準〟を受け入れ、日本アンチドーピング機構(JADA)に検査を完全委託するのが最もすっきりする方法です。

プロ野球の選手手帳にはWADAの「禁止表」が記載されており〝統一基準〟を受け入れている体ですが、検査実態はザルそのものです。

とはいえ、世界屈指のスポーツセレブであり選手会はもとよりタフな代理人が〝用心棒〟に控えている日米のトップ野球選手に五輪式の365日ランダムテストを課せられるか?となると極めて難しいとは思いますが。

かつて、伊達公子は自身のブログで五輪式ランダムの異常で偏執的な検査に不満と怒りを爆発させました。

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22:00前 (トイレを済ませて)就寝

22:10頃   アンチ・ドーピング機構訪問で起きる

23:10頃  検査できず、23:00を過ぎたことを告げたが(通常の検査は23:00までなので)、 上司とも電話で確認の上、更に待機。
 
 "トップアスリートは出来るまで待つように"指示が出ていると言い、待機を続ける

調査員が私に対し「気が立っていますね」「文句を言われてます」などの失言続く。
 
「寝不足で怪我したら誰が責任を取ってくれるんですか?そうなってしまったら裁判ですね」に対し、「さぁ、どうでしょう?私には何と言っていいのか」と仕事ですからモード。
 
「必要性は理解するが、これでパフォーマンスが落ちたらドーピングテストも関係ないので?」に対し、「それは文句ですね」という見解。
 
全てにおいて最後は「私達は仕事なので..」

00:35頃 ここまでに1Lの水を飲み、試みるが60ml弱しか取れず、検査未了。 90ml取れるまで待つとのこと

01:00過ぎ  拉致があかず、まだ時間がかることに加え、調査員の言動に失礼が多いため、警察に出動依 頼と同時に調査員の態度がいきなり変わり再度、上司に連絡。

調査員)継続を拒否しますか?と投げかけられる。
 
伊達)どういう意味ですか?と質問。
 
調査員)時間が時間なので継続不可能と拒否することができます。
 
伊達)時間が時間とはどういう意味ですか?今更、どうして時間が時間というのかわかりません。
 
調査員)もう日付も変わってますし、1時を廻っていますので。
 
伊達)誰のものさしで物を言ってるんですか?私は10時の段階ですでに寝ていましたし、11時の段階でどうしてその選択があることを言ってくれなかったんですか?
 
調査員)過去のことをもう言わないで前に進みませんか?
 
伊達)前に進むために確認してるんです。

そんなやり取りをしている中で、もう一人の調査員の方が、上司と直接会話をすることを勧め、上司と話をすることになり同様の説明の繰り返し。
 
とにかく必要な量が採れるまでお願いしたいとのこと。
 
そこまで言われるならわかりました、それならば朝まででも出るまで待ってくださいと伝えると、朝までは無理です。
 
2時はよくて朝は無理ってどういうことなんですか?
 
私にとっては23時も2時も次の日の練習に大きな影響があるんです。
         
電話の途中で警察が到着。そのまま警察官が上司と話をする

01:30頃 警察が来たことで、さらに態度が変わり、言動も変化。もう一度だけトライして終了するということで警察は退出。

01:45頃 トライの結果、90mlを超え終了
 
二人のうち一人はともかく、失言が多い方に関しては、ろくに挨拶もせず退出しようとしていたので、出る前に何か一言でもないんですか?と問いかける。
 
ドアを出た際、振り返りもせずにエレベーターを待つ。もう一人の調査員はドアを出たところで挨拶と警察へ向けての配慮をして帰られました。

02:00頃 就寝しようとするが、寝付けず。その後も2回トイレへ行くこととなり、ほとんど眠れず。

06:00過ぎ    通常の起床時間を遅らせ、少しでも睡眠重視にして起床。朝食も取らず、用意をして出発

朝、起きると体が重だるく、回復していないことを感じる。もちろん起きるのも辛い。

練習はまったく体は動かない、軸がぶれる、踏ん張れない、力が伝わってこない。
 
結局、基本練習に戻らざる得なく、追い込んだ練習はまったくできず。時間も短くして練習を終えるしかできませんでした。
 
午後のトレーニングも体がついてこない、正しい動きができないことでメニューを大幅に変えて軽めにもして終了。

今日は1日、やりたい、やろうとしていたことはまったくできず、怪我を防ぐことで頭はいっぱいいっぱい。

大切なこの時期にアスリートの活動を完全に崩す結果になっているこのシステムに、どう考えても疑問が残ります。
 
競技をする以上、アンチドーピング機構のルールに従い、検査を受ける義務があるのは理解しています。
 
でもそうであるならば、アスリート側の主張できる場が必要なのではないかと思います。今、何ができるのか?どこにできるのか?を探っています。

とにもかくにもこの大切な時期に完全にリズムを崩された上に、挑発的な調査員の言動に私は納得できません。

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伊達の主張にも一理あると思われるかもしれませんが、彼女が間違っています。

誤解を恐れずに言うと、ドーピング検査に礼儀や情状は不要です。異常で偏執的な調査をしなければ、ドーピングは発見できません。それでも巧妙なドーピングは検査を易々と潜り抜けます。

「結局は内部告発。検査で発見されたわけじゃない。私の処方にミスがあったわけじゃない」と豪語した〝ドーピング・グル〟ビクター・コンテの言葉は虚勢ではありません。



そして、もう笑うしかないのがNPBの処分です。

バティスタから検出されたのはホルモン調整薬クロミフェンとその代謝物でしたが、メネセス(筋肉増強剤が検出/1年間の出場停止)とは違い悪質性が低いということで「6ヶ月」が課せられましたが、これは処分が確定した9月3日からの6ヶ月、つまり来年3月3日には出場停止処分が解除されるのです。

処分の期間がほとんどシーズンオフって、NPBは常識的な思考が出来ないのでしょうか。プロ野球選手の場合は時間ではなく、試合数で処分をするべきです、絶対に。

前置きが長くなりました。

ボクシングのドーピングです。

球遊びのドーピングは卑怯者のスポーツ犯罪ですが、ボクシングでそれをやると卑怯なだけでなく、対戦相手の健康やときには生命も脅かす〝犯罪〟行為です。

ボクシングの薬物検査は最も厳格で、その処分も最も重いものでなければなりません。本来なら。

7月20日、英国のディリアン・ホワイトがオスカル・リバスとのWBC世界ヘビー級暫定王者決定戦に判定勝利を収めました。

しかし、英国アンチドーピング機構(UKAD)の試合前の検査でホワイトの検体が陽性反応を示していながら、試合が行われたことが明るみに出ます。

もはや無茶苦茶です。

NPBがファンを欺いて、バティスタが何食わぬ顔でノコノコ打席に立ったり、守備についてるのと同じです。

英国ボクシングニューズ誌は「このままではボクシングは世界から見放されてしまう。存亡の危機だという自覚がない」と警鐘を鳴らしています。
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先日、WBCはディリアン・ホワイトの薬物検査(UKAD=UK Anti-Dopinが実施)で採取した検体が陽性反応を示す結果が出たことを受け、暫定世界ヘビー級王座と王者デオンテイ・ワイルダーの指名挑戦者としての権利を抹消すると発表しました。

ホワイトは2012年から14年にかけてドーピングによる出場停止処分を受けている〝前科〟持ち。

永久追放で問題ないですね。


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さて、これまでも間歇的に立ち上ってきたマニー・パッキャオのドーピング疑惑です。

エイドリアン・ブローナーに圧勝しても湧いてきませんが、キース・サーマンに勝利を収めた途端に噴き出してくるから面白いものです。

ブローナー戦ではVADAが薬物検査を実施しましたが、サーマン戦ではネバダ州アスレティックコミッション(NSAC)の検査のみだったーーというのは後付けで、今回もVADAとNSACの二重検査ならこの疑惑騒動が起きなかったかといえば、絶対にそうではありません。

実際、パッキャオはWBCのボクシング・クリーン・プログラムに賛同し、VADAによるオリンピック方式365日24時間のランダム検査に応じているのです。
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つまり、サーマン戦個別の試合ではVADAの検査を受け入れていませんでしたが、VADAはいつでもどこでもパッキャオを検査することができたのです。

次の試合はマイキーかダニーか、どっちにしてもガルシア相手になりそうな気配です。そうなるとオッズも予想もパッキャオ有利で動くでしょうから、勝利してもドーピング疑惑は燃え盛りそうにありません。

それでも、エロール・スペンスかテレンス・クロフォードに勝つようだと大炎上間違いなしです。

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さて、今夜はドーピング問題を語るとき絶対に欠かせない正邪の対極に立つ2人、マーガレット・グッドマンとビクター・コンテのご紹介です。


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マーガレット・グッドマンとビクター・コンテ。

ボクシングファンには馴染みのある名前でも、多くのスポーツファンはよく知らないかもしれないません。

グッドマンはネバダ州アスレティックコミッション(NSAC)のドクターとして活躍したのち、VADAを創立して独立しました。

NSAC時代はドーピングはもちろん、リング禍や減量の問題でも貴重な研究成果を残しています。有名な研究には「自分を弱くする減量は絶対にするな。強くなることだけを考えろ」と提唱、特にアジア地域で健康と生命を棄権に曝す過剰な減量が蔓延していることに警鐘を鳴らしました。

このとき、研究対象にされていた1人が当時フライ級で戦っていたマニー・パッキャオです。

「本当のあなたはフェザー級だ」というグッドマンの助言に、パッキャオは積極的に耳を貸さなかったといいます。


そして、ビクター・コンテは多くの人が一度は「バルコスキャンダル」というスポーツ界最大の事件の首謀者として耳にしたことがあるはずです。

コンテは1984年、カリフォルニア州ベイエリアのバーリンガムにサプリメントを開発・販売するバルコ社を設立。

合法のサプリメントと違法のステロイドの組み合わせで、運動能力が格段に発達する研究を進め、製品化してしまいます。

2003年に、東京2020で100m優勝候補ジャスティン・ガトリンやマリオン・ジョーンズらを指導していたトレバー・グラハムが良心の呵責に耐えられなくなり、USADAにバルコ社から処方された注射器を匿名で送付します。

バルコスキャンダルは陸上競技だけではなく、MLBのバリー・ボンズやジェイソン・ジアンビら、NFLのビル・ロマノフスキーらスーパースターらも巻き込んで、コンテは禁止薬物の販売とマネーロンダリングの罪で逮捕。

顧客リストの引き渡しなど司法取引に応じたコンテは、懲役4カ月で出所します。

セカンドチャンスの国、アメリカでコンテは再びサプリメントの処方でアスリートから絶大な支持を得ます。特にボクシング界ではマイキー・ガルシアやノニト・ドネアがコンテに心酔。

稀代のドーピング・グルは「今は一切ドーピングには手をつけていない」としながらも「ドーピングが発覚するのは100%ミス。化学物質を体に残すなんてボーンヘッドにもほどがある」と〝完全犯罪〟は可能と爆弾発言も続けています。

パッキャオについても「ドーピングしてても驚きはない。一度も陽性反応を示していないなんて潔白の証拠にならない。ドーピングの基本はフェイズ(段階)をしっかりこなすことだ。私が指導したらどんな検査でも100%クリアできる」と豪語しています。

その段階はかいつまむと「導入期(薬物に体を馴化させる)」でどの程度の量で最も練習効率が上がるかを把握。「ポイント期」でドーピングによって疲れにくく筋肉が大きく超回復する肉体で激しい練習をこなす。「冷却期」で徐々に薬物を抜いて、試合前には体内から全ての化学物質を排出した状態にする。

このフェーズを確実にこなすことで「30世紀の薬物検査でも禁止薬物は発見出来ない。そもそも血液にも尿にもそんな薬物は存在していないのだから」(コンテ)ということです。

ここで、五輪(WADA)が採用している厳格な365日24時間検査が、どうして必要なのか、それでなくてはドーピングは見破れないことがわかるでしょう。

逆にいうと「365日24時間ランダム」を受け入れていないにもかかわらず、ドーピングが発覚したルイス・ネリらは雑魚にもほどがあるということです。

前置きが長くなりましたが、グッドマンとコンテ。何の共通点もないはずの2人ですが米国のミュージクシーンに深い関わりあいがあるんです。
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明日に迫ったカネロ・アルバレスのニューヨーク披露宴。

この試合のセミファイナルにセットされているのがIBFジュニアライト級タイトルマッチ、王者テビン・ファーマーvs挑戦者フランシスコ・フォンセラの一戦です。

ファーマーは4敗しているものの、いずれもデビュー12戦までのもの。その後は20連勝1無効試合と連勝街道をひた走っています。

この無効試合が、昨年12月9日の尾川堅一戦です。

圧倒的不利と見られた尾川でしたが、HBOが全米生中継する大舞台で見事に2−1の判定勝利。

しかし、試合前に実施されたランダムテストで採尿したA、B、いずれのサンプルも禁止薬物に陽性反応を示したことから、試合は無効となってしまったのです。

尾川には罰金(ファイトマネーの一部没収)と、JBCからも1年間のライセンス停止処分が課せられました。

当然の報いです。他のスポーツと比較すると、そのペナルティは軽過ぎるほどです。
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また先日は、強豪高校の女子長距離選手が持久力を向上させる鉄剤注射を処方していたことが問題になったばかりです。

鉄剤は、ほぼ全ての機関で禁止薬物にリストアップされていませんが、重度の貧血治療に用いられるもので、ヘモグロビン濃度を上げるだけでなく、内臓に鉄分が蓄積され肝硬変などを引き起こす恐れもあるといわれています。

「『あいつは鉄剤を打っている』とよく聞いていたが、禁止されていない薬物なら良いわけがない。スポーツの本質から離れている」(増田明美)という声は以前からあがっていましたが、その通りです。

その薬物がリストに載っていなくてもこれは〝ドーピング〟です。

日本人は倫理観が強く、スポーツを「単純な競争」ではなく「道」と捉えているから、ドーピングなどに手を出さない。

そんな、気楽なお花畑に住んでいられる時代はとっくに終わっています。 

選手はどんなものにでもすがる。

たとえそれにカネが直接絡んでいない高校スポーツでも、卑劣なことが蔓延しているのです。

「カネロは故意にドーピングするようなヤツじゃない」とか「道の精神が身についている日本人は故意にドーピングしない」なんてことは、フィクションでしかありません。

そんな、後からの言い訳は通用しません。

厳罰で対処するしか、この問題に対抗する手段はありません。

最も厳しいペナルティを課している自転車や陸上競技でも、ドーピングは後を絶たず「厳罰でも抑止効果が低い」と嘆かれていますが、軽いよりも重い方が抑止効果があるに決まっています。

ドーピングが卑怯な行為というだけでなく、ボクシングのように対戦相手の安全を脅かすスポーツではより重いペナルティが求められますが、そうではないのが実態です。

世界的な統括団体がないということは、悲劇です。

そのスポーツの権威を失墜させ、風紀や道徳までも荒廃させてしまうのですから…。
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cheater=詐欺師、ペテン師 

スポーツ界では、最も忌み嫌われる行為をした選手を指す言葉です。最近では主にドーピングをした選手に向けられる言葉です。

cheater
とみなされてしまうと、どんな偉大な業績を残していたとしても誰も認めてくれません。

史上最強の打者はバリー・ボンズではありません。史上最高のサイクリストはランス・アームストロンではありません。

ここでは、ドーピングはやっていないが、卑劣な反則行為に手を染めた9人を紹介していきます。


罪状①:神の手(Hand Of GodDiego Maradona

サッカーファンならずとも知っている1986年イングランドW杯で、マラドーナが見せた「神の手」。
主審のアリ・ビン・ナサールの目には「マラドーナの頭に当たってゴールした」と映りましたが、VTRでは巧妙なアルゼンチンの英雄が意図的に手を使ったのは明らかでした。

"A little with the head of Maradona and a little with the hand of God."
俺の頭が少しと、神の手が少し、それでゴールが決まったのさ。

 
悪びれずに語ったマラドーナ率いるアルゼンチンは、そのまま優勝してしまいます。
 
cheaterが語られるとき、 「神の手」は必ず紹介されますが、日本では、マラドーナの武勇伝として受け止められています。

「ルール違反は何があっても許さない!」という欧米の潔癖主義なのか、それとも反則技で勝利を盗まれた英国の遺恨がいまだにメディアに影響しているのかはわかりませんが、個人的には武勇伝で良いと思います。

ドーピングや、モーターを隠した自転車で走るとかとは違います。英国人には怒られるかもしれませんが、「神の手」は、cheaterというより「誤審」ですね。

 

罪状②:石膏の拳(Hand Wrap)  Antonio Margarito

これは、言い訳できません。まさに軽蔑すべきCheaterです。

2009年、シェーン・モズリー戦の控え室で、モズリー陣営のナジーム・リチャードソンが過剰にバンテージを重ねていることを指摘。カリフォルニア州体育協会の役員がバンテージを没収、調査すると、乾くとセメントのように固まる液体を染み込ませていたことが判明します。

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カリフォルニア州体育協会が没収、調査した「ハンドラップ」。このパッドに液体セメントを染み込ませていました。

前戦でティファナの竜巻に敗れたコットは「石のように硬い拳だった」と語りましたが、本当に石に近かったようです。許されませんね、ペナルティは、永久追放しかありません。

マルガリートは「トレーナーが勝手に仕込んだ」と弁明しましたが、「バンテージが濡れていることを不審に思わなかったのか?そもそもバンテージが乾いて固まったらその感覚がわからないわけがない」と多くのボクサー、関係者から当然の糾弾を受けます。

この卑怯な行為以上に驚くことは、カリフォルニア州のペナルティはわずか1年、翌年にはマルガリートはリングに復帰、復帰2戦目にはあろうことかマニー・パッキャオと戦えるという世界中のボクサーが羨むメガファイトの舞台が与えられるのです。

ありえません。腐りきってるにも程があります。

マルガリートだけが悪いんじゃありません。きちんとペナルティを下さないカリフォルニア州体育協会はもっと悪い。さらに、パッキャオ戦を認めてライセンスを交付したネバダ州体育協会も同じくらい悪い。 

ボクシング業界が腐りきっているのです。 


 

罪状③:文明の利器(automatic carriages Hippolyte Accouturier
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自転車競技は、歴史的にCheaterの巣窟です。ドーピングまみれのランス・アームストロングの同僚への卑劣な仕打ちは、卑怯者の見本です。

ドーピングが一般的でなかった時代は、競争相手の控え室に毒ヘビを放ったり、走路に釘をまいたり、原始的な手法が広く行われていました。

イポリト・オクトゥリエは1904年のツールド・フランスで貨物列車に自転車を引かせて区間4勝を挙げたことが発覚、失格となりました。

列車のバンパーに結んだロープを自転車に装着しただけでなく、バンパーに結んだワイヤーの先に付けた大きなコルクを噛んでいたというから、用意周到です。

それでも、コルクを噛んで貨物列車に引かれる姿は、滑稽でもありますね。

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HBOがこのリマッチをスケジュールから削除し、番組宣伝を流していない。クローズドサーキットの会場からPPV受信・放映の設備・資材が撤去された。

…という“状況証拠”から、4月10日の聴問会で、ネバダ州体育協会は試合中止を決断する…ESPNのダン・ラファエルは、そう見ているようです。

一方で、リング誌のマイケル・ウッズは「ビジネス、特にショウビジネスを最優先するのが米国で、ネバダ州ラスベガスはそのシンボル。試合は“雨天決行”される」と確信しています。
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リング誌の親会社ゴールデン・ボーイ・プロモーションの看板選手だけに、カネロは老舗マガジンのカバーを何度も飾っています。


。。。。。私は、山中慎介のルイス・ネリとの再戦について「山中慎介は絶対に勝たなければならない」と書いてしまいました。

この再戦ではドーピングは発覚しなかったものの、体重超過という重大なルール違反がありました。

この時点で「試合中止」で「山中の不戦勝」にすべきなのに、それがスポーツとして唯一正当なジャッジであることをわかっていながら、私は「卑劣なネリを叩きのめしてくれ!」と思ってしまいました。

そんな問題ではないのに。

ネリはスポーツの世界で「重犯罪」を2度も犯したのですから、相応の「懲役刑」に処するのが適当です。しかし、世界的な統轄団体を持たないボクシング界には、そのシステムもメソッドも、悲しいかなありません。

それでも、日本のコミッションが、永久追放「死刑」判決を下したのは、真っ当な判断です。

帝拳の浜田剛史代表は「(中止の選択肢もあったが)山中がやりたいと言ったら、もうやるしかないですから」と語りました。

それは、そうです、ボクサーなら誰でもそう言います。何ヶ月もの間、文字通り身も心も削ってそのリングを目指して死に物狂いで走り続けてきたのですから。

しかし、帝拳プロモーションの代表は、そんなプレーヤー目線で物事を語っちゃダメです!浜田が死ぬまで“プレイヤー”なのは周囲もわかってるでしょう。私も、おそらくほとんどのボクシングファンも、この目線で見てしまいました。「神の拳で悪を懲罰してくれ!」と。

…正真正銘、本当のバカは、浜田の上のトップです。興行主の彼こそが、試合を止めるべきだったはずです。

あの試合が「山中の不戦勝」となって、納得できないからチケット代を返せと怒るファンがいたでしょうか。

アンダーカードはもちろん実施します。メインは山中のロープや、ミット、スパーリングです。試合をいつも見てくれているファンにとって、リアルな練習風景は垂涎です。

プロ野球でやる雨天中止のファンサービス、パフォーマンスと同じです。

ミット、スパー、そのあとは解説席の長谷川穂積と勝負。長谷川を倒して喜ぶ山中に「俺を倒さなければ日本人最強じゃない」と村田諒太がリングイン。体格で上回るミドル級世界王者は、先輩を押しまくるものの、山中の左にはたじろぎ、最後はやはり「神の左」が炸裂、村田は大の字にダウン、テンカウント。

彼らの“プロレス”は盛り上がるでしょうね。

パフォーマンスとして面白いし、観客もTV受けもいいとは思いますが…「冗談でもリングで倒れたくない」というのがボクサー心理ですから、実現は難しいかもしれません。

それでも、プロなら、そういうことを考えるべきだと思います。

ネリのような貧困で不人気で暗愚なボクサーには損害賠償を請求しても支払い能力がありません。

しかし、日本は「軽量級のラスベガス」です。ネリのようなボクサーにとって、永久追放は致命的です。

「日本でルールを犯すと試合は中止」ということを、徹底すべきです。そして、中止になってもファンが楽しめる補填的イベントを用意したら、文句を言う人はほとんどいないでしょう。
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カネロ・アルバレスのドーピング問題を巡って、4月10日に、ネバダ州体育協会による聴問会が開かれます。

その結果によっては、5月5日に予定されているゲンナディ・ゴロフキンとの再戦は消滅しますが、メディアやファンの多くは「ネバダ州がメガファイトの経済的恩恵を自ら手放すわけがない」と楽観的です。

「聴問会なんて形式的なもので、カネロに故意はなかったとライセンスを再交付する」と見ているのです。
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ドーピングの“権威”、ビクター・コンテは「カネロ・アルバレスが意図的に薬物を使用していなかったということはありえない。短い期間で2度もミス(陽性反応)したのは、チームドクターの技術が低かったからだろう。“抜き方”を誤ったってやつだ」と断言。ただ、カネロ本人には、ドーピングプログラムが知らされず、「サプリメント」として摂取していた可能性はあるかもしれないとも。

一方で、この試合をPPVで放映するHBOは、宣伝番組を流していないばかりか、そのスケジュールからも削除しました。

さらに、西海岸の映画館などでPPVをリアルタイムで上映するクローズドサーキットでも、ほぼ全ての会場で受信設備が撤去されています。

暫定とはいえ、ネバダ州はカネロのライセンスを停止していますから、このままではネバダ州での試合は行えません。

そして、試合を強行したときに非難を浴びるのはカネロはもちろん、ネバダ州体育協会とプロモーターにもその矛先が向けられます。

一方で、中止した場合に非難されるのはカネロ陣営だけです。

ゴロフキン陣営は、カネロ戦が消えても5月5日に試合をする方向で動いており、すでにデメトリアス・アンドラーデが候補に挙がっています。

カネロ戦よりも興行規模は縮小するとはいえ、無敗同士のビッグファイトです。ネバダ州にとっても相応の経済効果が見込めます。

まともなスポーツの観点からも中止すべきです。五輪100m決勝にドーピングが発覚したスプリンターは出場できません。卑劣なドーパーのレーンを空けて7人で金メダルを争うだけです。

そして、卑怯者は永久追放に匹敵するペナルティを受けるべきです。

五輪の陸上競技と違い、1対1で争うボクシングではひとりがドーピングしてしまうと試合そのものが消滅してしまう興行的なリスクがありますが、そんなものを優先してスポーツの根幹を揺るがすルール違反を許すことなど、断じてあってはいけません。

一試合の報酬が10億円を超え、テカテビールなどメキシコ大企業の手厚い支援を受けるカネロは、世界一裕福なボクサーです。

そして、ゴールデン・ボーイ・プロモーション(GBP)も世界最大規模のプロモーターです。

彼らにドーピングの知識が無く、うっかり汚染された牛肉を食べてしまったというのは、あまりにもお粗末です。

人気もカネも知識も無いルイス・ネリなら許される問題ではありませんが、カネロの立場ではどんな言い訳もウソにしか聞こえません。

まさか、メキシコの食肉の多くが禁止物質に汚染されているとは知らず、ついつい食べてしまったとでも?

ネリじゃあるまいし、米国産牛肉は高価で買えないし、禁止物質についての専門家やアドバイザーもチームにいなかったとでも?

ボクシングがまともなスポーツなら、ネバダ州体育協会に最低限の倫理観があるのなら、カネロ・アルバレスは完全にアウトです。
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