カテゴリ: リング誌から

リング誌がアルツール・ベテルビエフを再びPFPランキングに加えました。

ライバル王者のドミトリー・ビボルを押し退けて、再登場でいきなりの5位。

妄想ランキング、正解も不正解もないお遊びランキングのPFPですから、誰をどうランキングしようが自由です。

とりあえずリング誌は、カラム・スミスをKOして、ようやく「やっぱりPFPファイター」だと再認識した模様です。

ただ、The Transnational Boxing Rankings Board とESPNはスミス戦前から7位、ビボルは4位と一致しており、保守派の共通認識とは齟齬がありました。

だからといってリング誌のPFPが独創的でラジカルかというと、全くそうではなく、単純に機能不全に陥っているようにしか見えません。

事実上の経営破綻してからのリング誌は、大手の感覚からズレているというか、気づくのが遅すぎるというか、ファンに煽られての追従のようなが後手後手が目立つのです。

ランキングを決めるレポーターたちもほとんど手弁当でしょうし、まあ、致し方ないところでしょうか。
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ご紹介するのは、リング誌2018年1月号。

米国ボクシング市場の没落と、販売不振に喘ぐリング誌の慢性的な経営難はさらに悪化の一途を辿り、この頃は月刊体制が崩壊、100ページを切る薄さに。しかし、これがどん底ではなく、リング誌は68ページにまで痩せ細っていくことになり、2022年で廃刊に追い込まれてしまいます。

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連載企画もどんどんリストラされ、毎年1月号で発表されていた「Our Exclusive Rankings BEST FIGHTERS IN THE WORLD」(PFP100傑)もこの2018年1月号が最後となりました。

1位から10位は以下の通り。

①ゲンナジー・ゴロフキン、②テレンス・クロフォード、③ワシル・ロマチェンコ、④ギレルモ・リゴンドー、⑤セルゲイ・コバレフ、⑥カネロ・アルバレス、⑦マイキー・ガルシア、⑧井上尚弥、⑨エロール・スペンスJr.、⑩シーサケット・ソールンビサイ。

TOP10は電子版のPFPと同じ順位。

リゴンドー、井上、シーサケットが10傑入り。12位にファン・フランシスコ・エストラーダ(ジュニアバンタム級)、13位にレオ・サンタクルス(フェザー級)、14位にドニー・ニエテス(フライ級)、16位にカール・フランプトン(フェザー級)と、20人中7人がフェザー級以下と、これぞ軽量級贔屓のPFPという特徴がよく見て取れるランキングになっています。

最もPFPから疎外されるヘビー級は当時無敗でUndisputed championに王手をかけていたアンソニー・ジョシュアの21位が最高位。続いて、やはり当時無敗のデオンティ・ワイルダーが37位。50位までに入ったのはこの2人だけ。100位まで見ても、66位に入ったアレキサンダー・ポベトキンを加えて3人だけというPFP差別を受けています。

日本人は井上のあとに井岡一翔(22位)、山中慎介(31位)、田中恒成(36位)、比嘉大吾(61位)、田口良一(82位)、拳四朗(87位)、京口紘人(89位)、全員がバンタム級以下、合計8人が100傑入りしました。

リング誌ランキングではバンタム級王者が山中、井上(ジュニアバンタム級)、井岡(フライ級)、恒成(ジュニアフライ級)で1位(いずれも王者は空位)。
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大手メディアの先陣を切ってESPNが年間アワードを発表。

注目のFighter Of The Yearは井上尚弥!

次点はテレンス・クロフォードではなく、デビン・ヘイニー。

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昨年末に逃げ回るポール・バトラーを仕留めてバンタム級、今年はスティーブン・フルトンとマーロン・タパレスを終盤で破壊してジュニアフェザー級、3試合で2階級のUndisputed championになりました。

内容的にもオフィシャルはさておき、明白に取られたラウンドは一つもありません。

全ての階級を平等に評価するという視点ではなんの不思議もない、文句無しの
Fighter Of The Year獲得でした。

これで、世界最高の総合スポーツ賞ESPYにもノミネートされるかもしれません。

マニー・パッキャオやフロイド・メイウェザーですらカスリもしていない、これまでボクサーが受賞したことがたったの一度もないESPY賞(大谷翔平は2021年度に受賞)だけに、まずあり得ないでしょうが、世界最大のスポーツメディアESPNの
Fighter Of The Yearに日本人として初めて選ばれたことは、ボクシングファンにとっても一つの節目、非常に喜ばしい快挙です。

井上が
Fighter Of The Yearに選ばれるのは2014年のBoxing scene .com以来ですが、ESPNは格が違います。

この勢いでリング誌と、そして
Fighter Of The Yearの〝本丸〟BWAAのシュガー・レイ・ロビンソン賞までぶんどってもらいたいもの。

これ、十分考えられます。獲っても大きな喜びではありません。

ジュニアフェザー級でESPNとリング誌、BWAAの三冠
Fighter Of The Yearとなると、史上最軽量。

PFP実績で井上をはるかに上回る実績を残しているローマン・ゴンサレスでも、
Fighter Of The Yearは一度も手にしていません。

2010年頃から各メディアか勝手にランキング、毎週シャッフルされることもあり、記録にも残らない、表彰制度すら整備されていないPFPと、Fighter Of The Yearでは歴史も価値も全く違います。

メジャースポーツと同列に比べるなと言われるかもしれませんが、
Fighter Of The YearまさにMLBの MVPやサッカーのバロンドールにあたる、ボクシングの年間最高選手賞です。

パッキャオを例外にすると、井上はアジア初のESPNの
Fighter Of The Year獲得!素晴らしい!!!
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ボクシングの年間最高選手賞、Fighter Of The Year もPFPもトドのつまりは人が決めること、リングの中で起きたことではありません。

今季、大谷翔平が2度目の満票MVPに輝きましたが、正直、すでに1回獲ってますし、何よりも「アメリカをパワーでねじ伏せる」という日本の悲願を十分見せつけてくれたので、人の評価はもうどうでもいいと感じていました。

ただ、ボクシングの場合は「まだ誰も獲っていない」、つまりファイティング原田も届かなかった、という点で、ここは是非とも獲ってほしいという思いがあります。

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これ↑はリング誌のFOTYベルト(作る年と作らない年があります…)。


PFP1位、これはリング誌では1980年から年間表彰でスタート(2017年に廃止)、今では各専門メディアが発表していますが、年に何度もシャッフルされ、歴史も浅く、そもそも記録にも残りません。

「リング誌のPFPは権威がある」と妄言を吐く井上信者でも、一年前のPFPランキングさえ覚えていません。それこそがPFPの本質です。ここまで教えてあげても、井上信者には理解できないのでしょうが。

今年、井上尚弥のライバルになるのはテレンス・クロフォード、ただ一人です…のはず。

そのBudが今年、リングに上がったのはたったの1度。7月29日、エロール・スペンスJr.とのウェルター級のUndisputed championship。

PFPやFOTYを考えるとき、階級差別は除きます。当たり前です。

ただ、FOTY(シュガー・レイ・ロビンソン賞)を決める全米ボクシング記者協会の記者はほとんどがアメリカ人ということは、階級差別が避けられない気もします。

シュガー・レイ・ロビンソン賞、最近では2012年にジュニアフェザー級のノニト・ドネア、2016年にフェザー級のカール・フランプトンが輝いていますが、ジュニアライト級以下で選出されたのは歴史上この二人だけ。

これを「やはりジュニアライト(超軽量級)以下は評価されない」と見るか、「この10年で潮目は変わってきている」と見るか?

さて、今年の井上は122ポンドデビュー、2試合を戦いました。

7月にWBC/WBO王者スティーブン・フルトン、そして昨日のWBA/IBF王者マーロン・タパレス。井上も2階級でUndisputed championになりましたから、そこは五分。表層的には1試合多く戦っているモンスターに分があるように思えます。

2012年のドネアが評価された最も大きな要素は「年間4試合を戦った」ということでした。

では「フルトン+タパレス」でも、「スペンス」には及ばない、相手が違いすぎるのでしょうか?ここは階級差別抜きにしても、6年以上も王座に君臨したスペンスが遥かに上かもしれません。

フルトンやタパレスが長期政権を築いたり、圧倒的な強さを見せて王座に君臨する姿は考えられません。いつも苦戦しているイメージです。この二人が次の試合で負けても「あのフルトンが負けた!」「タパレスが惨敗するなんて!」と驚く人はいないでしょう。

井上の場合はやはり対戦相手の質が問題ですが、「2試合戦った」ことに加えて、「印象の新鮮さ」、さらにクロフォードは2014年に1度FOTYを獲得していることも追う風にはなりそうです。


個人的には厳しいと感じていますが、どうなりますやら…?
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元記事はリング誌デジタル版8−9月合併号「カネロvsチャーロ特集」からなので、少し古いものになりますが、無料では今朝アップされました。

かつてのリング誌レポーター、イングリッシュマン、トム・グレイの筆です。

https://fushiananome.blog.jp/archives/30596371.html

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テレンス・クロフォードと井上尚弥は、キャリアの大きな節目になるスーパーファイトを5500マイル離れてそれぞれ見事な勝利を収めた。

PFPキングに選ばれたのは僅差でクロフォードだった。そう、その差は非常に小さなものだった。

この妄想ランキングでの1位と2位の差は、昔のボクシンググローブから(当時のクッション材だった)取り出した馬の毛を1本のレベルだ。

7月末の4日間で日本のモンスターと、米国の芸術家はキャリアハイのパフォーマンスを強豪相手に披露した。

彼らは大勝負に勝利しただけではない。試合を完全に支配し、すでに獲得していた評価をさらに高みに押し上げたのだ。

この二人をSPEED、POWER、TECHNIQUE、DEFENSE、ADAPTABILITY、FINISHING INSTINCTS、QUALITY OF OPPOSITION、ACCOMPLISHMENTSの8項目で査定して、あらためて総合評価してみよう。


【SPEEDスピード】

Crawford:メルドリック・テイラーのレベルではないが、クロフォードのハンドスピードが非常に速い。緩急と強弱をつけるのも巧みで、対戦相手はカウンターのタイミングを測るのに苦労する。Grade: B+


 Inoue:井上のスピードはメジャー級。試合中は瞬き厳禁。痛烈に倒されたジェイソン・モロニーと再戦時のノニト・ドネアは井上のパンチが見えていなかった。Grade: A



【POWER〜パワー】

Crawford:3階級目のウェルター級では一発のパワーはない。それでも、この階級で戦った8人全員をストップしていることは注目すべきだろう。ショーン・ポーターとエロール・スペンスをストップできると考えた専門家は少数派だった。Grade: B


 Inoue:108?122?さて、どの井上を語ろうか?25戦して全勝22KO、井上のパワーにはもはや疑う余地はない。唯一対抗できるデオンティ・ワイルダーは右に偏重したビッグパンチャーだが、井上は左右どちらの拳でも一発で相手を沈めることができる。Grade: A+



【TECHNIQUE〜技術】

Crawford:テクニックにおいては完全無欠のファイター、以上。Grade: A+


 Inoue:非常に基本に忠実で、彼の技術体系はそこから完璧に作り上げられてきた。力みが目立つこともあるが、基本が出来ていること、体幹が強いことからすぐにバランスを戻すことができる。Grade: A+



【DEFENSE〜防御】


Crawford:彼が魔法使いになる領域だ。足捌き、ボディワーク、ガードの的確で柔軟な選択…対戦相手はクロフォードの影を追いかけるハメになる。ウィリー・ペップ、ウィルフレッド・ベニテス、フロイド・メイウェザーらがA+だが、彼らと比べなければバドも非常に優秀だ。Grade: A


Inoue:攻撃意識の高い井上の防御は、エリートレベルのファイターと比べると劣る。攻撃が最大の防御というマイク・タイソン型のファイターだ。Grade:  B



【ADAPTABILITY〜適応性】

Crawford:史上最高のスイッチヒッターであることが、卓越した適応性に直結している。変幻自在のスイッチヒッターは、危険な芽を非常に速い段階で摘み取り、対戦相手を大混乱に陥れる。Grade: A+


Inoue:常に試合を支配する井上は、適応性を見せる必要に迫られたことがない。逃げ回るアントニオ・ニエベスやポール・バトラーを激しく追いかけまわして、最後に仕留めたのはパンチャーとしての一つの適応性だったかもしれない。Grade: B+



【FINISHING INSTINCTS〜KO能力】

Crawford:バドは強引なKOパンチャーではないが、世界戦11連続KO中という数字からも、ストップのやり方を心得ている。Grade: B+


Inoue:モンスターと呼ばれているのには理由がある。彼が試合を終わらせるモードになって、今まで逃れたエリートファイターは一人もいない。Grade: A+



【QUALITY OF OPPOSITION〜対戦相手の質】
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Crawford:対戦相手のレベルが低いと批判され続けてきたクロフォードにとって、スペンスはどうしても必要な相手だった。30半ばを超えてしまったバドにとって幸いなのは、まだ劣化の兆候が見えないこと。今後、熱望するジャーメル・チャーロやカネロ・アルバレスと戦い、勝利を収めるならこの種の批判は影を潜めるだろう。Grade: B+


Inoue:井上はオマール・ナルバエスをKOしているが、最大の勝利はドネアとの2戦と、スティーブン・フルトン戦。彼が最大の試練に直面するのは、これからだろう。Grade: B



【ACCOMPLISHMENTS〜業績】

Crawford:ライト級、ジュニアウェルター級、ウェルター級での3階級制覇。そのうちジュニアウェルターとウェルターでは4団体時代唯一の完全統一王者。多くの歴史家は4団体時代を評価しないが、バドの業績が際立っているのは間違いない。Grade: A


Inoue:マーロン・タパレスに勝てばクロフォードとクラレッサ・シールズに並ぶ4団体時代のdouble-undisputed world championsの仲間入り。Grade: B+



【FINAL GRADES〜最終査定】

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InoueA-

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いよいよ今年もあとわずか。

それでも、まだまだメインディッシュは残されています。

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◾️12月23日 サウジアラビアキングダムアリーナ DAY OF RECKONING◾️

日本のボクシングファンのレーダーには全く感知されていない「DAY OF RECKONING(大精算の日)」ですが、世界のボクシングファンの耳目はこのメガイベントに一極集中です。

そして、やはりサウジで開催されていた世界的に大注目されていたFIFAクラブW杯もマンチェスター・シティの優勝で、昨夜、幕を閉じました。

それにしてもサウジ、です。

ヘビー級のビッグファイトを6試合も並べていますが、その中から特に注目の二つをピックアップ。世界戦を戦うドミトリー・ビボルには申し訳ない。

アンソニー・ジョシュアvsオットー・ワリン

英国最大のスター、ジョシュアが迎えるのは、1歳若い33歳のワリン。

北欧のサウスポーのキャリアに付いた傷は、タイソン・フューリー戦の1敗だけ。それでもフューリーは大苦戦、血だるまにされた挙句、47針も縫いました。

アンディ・ルイスJr.に大番狂せを起こされ、オレクサンデル・ウシクに2階級制覇を献上してしまったジョシュアは、これ以上の〝失態〟は許されません。

PFPトップを争うウシクと24ラウンドに渡るクロスゲームを展開しても、ジョシュアのPFP復帰は取り沙汰されない…色々と不遇な英国人ですがそれもまたヘビー級、それもまたジョシュアの人生。

ジョシュア2/7 (1.29倍)。ワリン15/4(4.75倍)。


デオンティ・ワイルダーvsジョセフ・パーカー

タイソン・フューリーとの魂の三部作でボクシングファンを魅了した一方で、限界も露呈してしまったワイルダー。

フューリーとの第2、第3戦ではパワーと押し合いを意識して230ポンドを超える体重を作ったワイルダーでしたが、今回は213ポンドと原点回帰。

一方のパーカーは245ポンド1/4。32ポンド以上の体重差。

昨年10月には約40ポンド差のロバート・ヘレニウスを初回ワンパンチKOしているだけに、当たれば誰でも倒れるのがワイルダーのパンチ。

タフなパーカーも一撃で破壊できるか?

ワイルダー2/11 (1.18倍)、パーカー9/2(5.5倍)。


>>>>>>ジョシュアとワイルダーが〝順当に〟勝ち上がれば賞味期限はもちろん、消費期限も過ぎたと思われたメガファイトが来年前半にもやはりキングダムアリーナで行われる予定です。

しかし、ここで負けるのがジョシュア…なんて言っちゃいけませんね。どっちも頑張れ。




◾️12月26日 東京 有明アリーナ◾️

メディアの扱いが大きくなり、会場費も安くなる…良いことづくめの平日開催が定着した井上尚弥の世界戦。

井上尚弥vsマーロン・タパレス

井上のWBC /WBO、タパレスのWBA /IBFがステイクされたジュニアフェザー級のUndisputed championship。

勝者はリング誌ベルトも獲得。また、勝者はギレルモ・リゴンドー以来、17ヶ月ぶりにジュニアフェザー級のLineal championの座に就きます。

井上勝利1/16(1.06倍)、タパレス8/1(9倍)。



◾️12月31日 大田区総合体育館 ◾️

井岡一翔vsホスベル・ペレス

WBAジュニアバンタム級王者・井岡の初防衛戦。

井岡が1/25(1.04倍)、ぺレス11/1(12倍)。
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10年ひと昔。

販売不振から経営難が伝えられていましたが、それはもう何十年も前から。

The Ring Magazine 2014年1月号は、まだ100ページ以上のボリュームがあって、年12回発行の月刊体制も維持していました。

そして、新年号では「EXCLUSIVE RANKING OF THE WORLD'S BEST FIGHTERS RING100」という大型企画が恒例でした(2018年で廃止)。

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この年のトップ10は①フロイド・メイウェザー、②アンドレ・ウォード、③ティモシー・ブラッドリー、④セルヒオ・マルチネス、⑤ファン・マヌエル・マルケス、⑥マニー・パッキャオ、⑦ウラジミル・クリチコ、⑧ギレルモ・リゴンドー、⑨カール・フロッチ、⑩ノニト・ドネア。

日本人トップはジュニアフライ級時代の井岡一翔が21位。ちなみにカネロ・アルバレスは24位。

井岡に続いたのは山中慎介(29位)、内山高志(30位)、八重樫東(46位)、亀田興毅(51位)、宮崎亮(92位)、亀田和毅(98位)。

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この後、山中と内山は防衛を続け、PFPファイターに登っていきます。

2012年にパッキャオがブラッドリーとパッキャオに連敗、メイウェザーにも終幕が迫っていた2014年。もはや「パッキャオvsメイウェザー」が実現しないまま終わると、世界中のボクシングファンは諦めていた、そんな時期でした。


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リング誌まで廃刊、紙媒体がなくなってしまった米国ボクシング。

これから、過去はどんな形で振り返えられるのでしょうか…。
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リング誌電子版の読者投票

もちろん、正式なものではありませんが、Fighter Of The YearとKO Of The Yearで日本のモンスターとネクスト・モンスターが2位につけていたのが、12月4日のこと。

ここにきて、まずKO Of The Yearで中谷潤人がブライアン・メンドーサを逆転。このまま独走態勢に入りそうです。

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そして、まだ日本人が一度も手にしていないFighter Of The Year、野球で例えるとMVP、サッカーならバロンドールです。

野球では大谷翔平が2度、イチローが1度、サッカー女子では澤穂希が獲得していますが、ボクシングの世界でも井上尚弥が激しくチャージしています。


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12月4日に12ポイント差あったテレンス・クロフォードと井上の差は、なんと2ポイントまで肉薄。

こんなことを書いている間にも逆転してそうです。

そして…12月4日からずっと0%のヘイニー、晒し者です。多分、那須川天心の方が票集めます。

好きなファイターではありませんが、悪い選手じゃありません、もう何日間も0%なんて、私がヘイニーなら「ノミネートすんのやめろ!嫌がらせか?!」とリング誌に怒りが向かいます。





気を取り直して、井上の推薦文を書くとしたら…


▶︎4団体時代でのUndisputed Title2階級制覇にクロフォードが6年かかったのに対して、井上はわずか1年と13日であります。

対戦相手の質についても多くの人が、根本的に誤解しています。

「ジュリアス・インドンゴ&エロール・スペンスJr.」と「ポール・バトラー&マーロン・タパレス」を比べる前に、人気階級と超軽量級の認知度の差を考慮しなければならないはずです。

もちろん、それを差し引いても前者の方が上かもしれませんが、その差は大きく縮まるはずです。

「バトラーとかタパレスって誰だよ」と馬鹿にするなら、階級に貴賎があると認めていることになります。


PFPのように階級の人気を度外視して平等に評価してくれないのなら、Fighter Of The Yearは人気階級だけで勝手にしてくれと言いたくもなります。

まず、ボクシング17階級を平等に見るなら、井上は階級傑出度という点でクロフォードを上回っています。

さらに、Undisputed Title2階級制覇という点では5ヶ月遅れたものの、「2階級制覇」に費やした時間を見ると井上はクロフォードの6分の1。

「2階級制覇」については、「5ヶ月早いが6年かかったクロフォード」と「5ヶ月遅かったが1年で片付けた井上」という視点での比較を失念してはなりません。

南蛮の輩のカレンダーイヤーはクリスマスで終わり、12月26日の試合の前にBWAAはアワードを決めてしまうのです。



お前ら、大晦日に井岡一翔がホスベル・ペレスを誰も見たことがないスペクタクルなKOで葬っても、KO Of The Yearはシレッとメンドサにするんやろ!

クリスマスで一年終わり、みんなホリデーはええわい、でもそれならアワードもクリスマス締めで、新年は12月26日から始まるようにしろ。

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シュガー・レイ・ロビンソン トロフィー。カッコいいです。


・・・・・ボクシングファンとして、日本人がFighter Of The Yearに輝くのを見てみたいという興味はあります。

ただ、PFPほど酷くはなくても、Fighter Of The Yearは野球のMVPやバロンドールとは違い、さまざまなメディアや認定団体が勝手気ままにやってるもの。

「やってる」と書いたのは、多くの場合(PFPは全ての場合)で表彰式とトロフィーが用意されていないということです。


それ以前に、そもそもが人が決めるもの。そんなものに執着してたらボブ・ディランと大谷翔平に笑われそうです。その一点で、正直、くだらないと思います。

ただ、それは獲って言うこと。

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若いタクシーの運ちゃんと、泥酔しながらタイガース話をしながら、Fighter Of The Year、獲れる気がしてきました。

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リング誌電子版の読者投票

もちろん、正式なものではありません。

Fighter Of The Yearはテレンス・クロフォード、井上尚弥、デビン・ヘイニー、ティム・チューの4人がノミネート。

うーん、チューか?

そして、こんなのに投票してる物好きは少ないんでしょうけど、それにしてもヘイニーは0%って。

53%の票を集めてトップはテレンス・クロフォード。2位が井上尚弥で41%との一騎打ち。この数字を鵜呑みにして、12月26日の試合内容が考慮されるのなら、モンスターの逆転も十分あり得ます。

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KO Of The Yearは中谷潤人がアンドリュー・モロニーを斬り落とした一戦は37%で、ブライアン・メンドーサがセバスチャン・フンドラを倒壊させた43%に迫ってます。


リング誌電子版から誰でも投票できますが…。「もう一丁!」とか遊んでると、これ、俺と数人しかやってないんじゃないか?!という恐ろしい世界にハマり込んでしまいますからね…。

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THE RING MAGAZINE DECEMBER2013

リング誌2023年12月号の表紙を飾ったのは、ダニー・ガルシア

ルーカス・マティセとのスラッガー対決を制したWBA/WBCジュニアウェルター級王者ガルシアは、27戦全勝16KOの25歳。

エリック・モラレス(UD=空位のWBC王座獲得)、アミール・カーン(4ラウンドKO=WBA王座獲得)、モラレス2(4ラウンドKO=WBA/WBC防衛①)、ザブ・ジュダー(UD=防衛②)、そしてマティセ(防衛③)と人気階級のビッグネームを撃破、その実力に懐疑的だったメディアやファンを強烈な左右フックで沈黙させました。

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史上唯一無二のアジア人のスーパースター、マニー・パッキャオがブランドン・リオスを迎える特集には、20ページも充てられていました。

「全盛期ならリオスは4ラウンドも立っていることができないだろうが、34歳になったアイコンは完全に終わっている」「大きくフィリピン人を支持しているオッズは実力ではなく人気を反映している蜃気楼」…パッキャオが敗れる波乱を予想する声も。

前年は2戦して2敗。ティモシー・ブラッドリーにWBOも認めた不当判定とはいえ敗北、宿敵ファン・マヌエル・マルケスには痛烈にノックアウトされていたのですから、リング誌の論調も肯けます。

このとき、パックマンが10代、20代、30代、そして40代も含めて4つの年代で世界王者に君臨することになるとは、誰も予想できませんでした。

この号のPFPは①フロイド・メイウェザー、②アンドレ・ウォード、③マルケス、④ウラジミール・クリチコ、⑤セルヒオ・マルチネス、⑥マニー・パッキャオ、⑦エイドリアン・ブローナー、⑧ティモシー・ブラッドリー、⑨カネロ・アルバレス、⑩ギレルモ・リゴンドー。

日本人ではジュニアライト級で内山高志が1位(王座は空位)。一つ下のフェザーではマイキー・ガルシアが王者、一つ上のライト級は1位がブローナー、無敗の快進撃中だったテレンス・クロフォードも10位に。

内山は〝一つ間違えば〟スター選手とメガファイトを戦っていてもおかしくない、軽量級の最前線で強打を振るっていたのです。

そして、米国の人気階級から外れる超軽量級では日本の実力者たちが顔を揃えていました。

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ジュニアフライには4位に井岡一翔、10位にまだキャリア4戦の井上尚弥。フライでは王者に八重樫東、6位に五十嵐俊幸、ジュニアバンタムの6位に赤穂亮、10位に亀田大毅。バンタムでは1位が山中慎介、2位が亀田興毅、9位に亀田和毅。

なかなか賑やかです。

ちなみに、八重樫のリング誌タイトルは、ポンサクレック・ウォンジョンカムを大番狂せでKOしたソニー・ボーイ・ハロから五十嵐、そして八重樫へと渡った幸運なベルトでした。

のちに完全実力でバンタム級のリング誌タイトルを掴み獲る井上尚弥は、当時は何者なのか大橋秀行も本人もわかっていなかったのかもしれません。

わかっていたら、アドリアン・エルナンデスなどではなく、専門家評価の高いロマゴンかドニー・ニエテスにぶつけてたかもしれません。


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「メイウェザーvsカネロ」の余震、「これぞボクシングの授業」という試合をドロー(114−114)と判定したCJ・ロスと、彼女をジャッジ席に座らせたネバダ州アスレティック・コミッションを糾弾する記事も。

こうしたおかしな判定は、世界的な統括団体が不在ではなくなるわけがありません。。。
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