10年前の今頃に我が家のポストに届いていたThe Ring magazine MAY 2014。
不可解な判定で初戦を落としたマニー・パッキャオとティモシー・ブラッドリーとの再戦を26ページにわたって大特集したTHE REMATCH ISSUE!。
パッキャオは、このレベルで取り上げられた史上唯一のアジア人ボクサーです。
米国のボクシングファンの目をアジア人に向けさせるにはどうしたらいいのか?それを非常にわかりやすく表現したのが、パッキャオのキャリアでした。
深刻な販売不振と経営難に喘いでいたリング誌には、すでに「廃刊近し」の噂が立ち上っていましたが、このときはまだ114ページの雑誌体裁を維持、年12回発行していました。
日本のボクシングファンから見ると「これ、リング誌?」と思うようなCARD GIRL OF THE MONTHも絶賛連載中。この号に登場したのは、パッキャオの大ファンというリンゼイ・イルトハムさん。
ブラッドリーとの再戦は、その人気にも後押しされて圧倒的有利とされていたパッキャオでしたが、劣化の兆候はあちこちに見られ「PEAKS AND VALLEYS(山あり谷あり:こんな直訳で最高な表現に出会えるのも外国語を学んでて面白いところです)」と銘打った資料や記事で詳しく解説してくれています。
しかし、今夜紹介するのはリンゼイさんのエッチな肉体でも、過去の再戦名勝負でもありません。
当時、LAドジャースのファーストベースを守っていた強打者エイドリアン〝タイタン(巨神)〟ゴンサレスが、トレーニングにボクシングを取り入れているという記事です。
エイドリアンでゴンサレス、まさにボクサーになった方が良いような名前です。
ところが、彼はまさにこの2014年シーズンで打率276、本塁打27、そして116打点で打点王!とキャリアハイをマークするのです。
もともとボクシングに興味があったゴンサレスは、地元サンディエゴの教会で元世界ヘビー級王者クリス・バードと出会ったことをきっかけに、スピードバッグやサンドバッグ、ミット打ちなどを教えてもらうようになっていました。
ボールを投げる、バットでボールを打つ、野球の動きがパンチを繰り出すのと非常に似ていることを知っていたバードは最高の教師になります。
’’Boxing's mechanics are lot like Baseball’’
ボクシングと野球の動きには多くの共通点がある。(バード)
バードがファイターに教えるのと同じようにゴンサレスを指導したことも、大きな副産物を生みました。ゴンサレスの野球への取り組み姿勢にファイターの資質、ハングリーさがブレンドされたのです。
カリフォルニアの自宅にジムまで作ったタイタンは、バードの指導を週2回受けるようになってから2年で栄光の2014年シーズンを迎えたのですから、打点王はボクシング効果と言って良いでしょう。
早朝ロードワークや、スピードバッグ、サンドバッグはもちろん、なんとスパーリングまでやっていたというのですから驚きです。
このシーズン前のスプリングキャンプに入るまでに、バードが教えていた若いファイターたちを相手に50ラウンドのスパーリングをこなします。
その若手の中には当時ジュニアミドル級のカネロ・アルバレスもいたと記事にありますが、あの時点ではカネロはただのアイドル(今でもそうとも言えますが)、私は普通に読み進めてました。
「エイドリアンは身体能力が頭抜けている。サウスポーでパンチ力もある。ボクサーになっても世界王者になっていた」(バード)。
ドジャースは日本で最も馴染みのあるMLB球団でしたが、あれから10年、まさかこんなことになるとは。
10年前。私たちはカネロが何者かもわからなかった以上に、大谷翔平が何者かを全くわかっていなかったのでした。
不可解な判定で初戦を落としたマニー・パッキャオとティモシー・ブラッドリーとの再戦を26ページにわたって大特集したTHE REMATCH ISSUE!。
パッキャオは、このレベルで取り上げられた史上唯一のアジア人ボクサーです。
米国のボクシングファンの目をアジア人に向けさせるにはどうしたらいいのか?それを非常にわかりやすく表現したのが、パッキャオのキャリアでした。
深刻な販売不振と経営難に喘いでいたリング誌には、すでに「廃刊近し」の噂が立ち上っていましたが、このときはまだ114ページの雑誌体裁を維持、年12回発行していました。
日本のボクシングファンから見ると「これ、リング誌?」と思うようなCARD GIRL OF THE MONTHも絶賛連載中。この号に登場したのは、パッキャオの大ファンというリンゼイ・イルトハムさん。
ブラッドリーとの再戦は、その人気にも後押しされて圧倒的有利とされていたパッキャオでしたが、劣化の兆候はあちこちに見られ「PEAKS AND VALLEYS(山あり谷あり:こんな直訳で最高な表現に出会えるのも外国語を学んでて面白いところです)」と銘打った資料や記事で詳しく解説してくれています。
しかし、今夜紹介するのはリンゼイさんのエッチな肉体でも、過去の再戦名勝負でもありません。
当時、LAドジャースのファーストベースを守っていた強打者エイドリアン〝タイタン(巨神)〟ゴンサレスが、トレーニングにボクシングを取り入れているという記事です。
エイドリアンでゴンサレス、まさにボクサーになった方が良いような名前です。
ところが、彼はまさにこの2014年シーズンで打率276、本塁打27、そして116打点で打点王!とキャリアハイをマークするのです。
もともとボクシングに興味があったゴンサレスは、地元サンディエゴの教会で元世界ヘビー級王者クリス・バードと出会ったことをきっかけに、スピードバッグやサンドバッグ、ミット打ちなどを教えてもらうようになっていました。
ボールを投げる、バットでボールを打つ、野球の動きがパンチを繰り出すのと非常に似ていることを知っていたバードは最高の教師になります。
’’Boxing's mechanics are lot like Baseball’’
ボクシングと野球の動きには多くの共通点がある。(バード)
バードがファイターに教えるのと同じようにゴンサレスを指導したことも、大きな副産物を生みました。ゴンサレスの野球への取り組み姿勢にファイターの資質、ハングリーさがブレンドされたのです。
カリフォルニアの自宅にジムまで作ったタイタンは、バードの指導を週2回受けるようになってから2年で栄光の2014年シーズンを迎えたのですから、打点王はボクシング効果と言って良いでしょう。
早朝ロードワークや、スピードバッグ、サンドバッグはもちろん、なんとスパーリングまでやっていたというのですから驚きです。
このシーズン前のスプリングキャンプに入るまでに、バードが教えていた若いファイターたちを相手に50ラウンドのスパーリングをこなします。
その若手の中には当時ジュニアミドル級のカネロ・アルバレスもいたと記事にありますが、あの時点ではカネロはただのアイドル(今でもそうとも言えますが)、私は普通に読み進めてました。
「エイドリアンは身体能力が頭抜けている。サウスポーでパンチ力もある。ボクサーになっても世界王者になっていた」(バード)。
ドジャースは日本で最も馴染みのあるMLB球団でしたが、あれから10年、まさかこんなことになるとは。
10年前。私たちはカネロが何者かもわからなかった以上に、大谷翔平が何者かを全くわかっていなかったのでした。