フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

      Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。

カテゴリ: 世界の軽量級,世界に挑む日本人

PFPなど、所詮は十人十色の脳内妄想のお遊びで、大きな意味も価値もない。

とはいっても、投票制で全員が1位に推すような万票を集めるようなPFPキングは、十人十色ではなく、もはや脳内妄想ではないかもしれません。

最近では全盛期のマニー・パッキャオとフロイド・メイウェザーです。あの当時、彼らが世界最高のボクサーであったことはきっと真実です。

万人が同じ幻覚を見たのなら、それは幻覚とは呼ぶべきではないでしょう。

ただし、巷に溢れる多くのPFPはほぼ全てが妄想であり幻覚です。

現在、リング誌のPFPキングはカネロ・アルバレスです。せっかく脳内であれこれ妄想するのに、どうして卑劣なキャッチウェイトを繰り返すドーピングの前科持ちをNo.1に選ぶ必要がありましょうか。

「卑劣なキャッチウェイトを繰り返すドーピングの前科持ち」が〝仕組まれた勝利〟を重ね、PFPの王座に座るのは仕方がありません。

しかし、妄想ランキングにまで卑怯者が座る椅子はあってはいけません。せっかくの妄想世界です、そこは清廉潔白であるべし!


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赤毛の悪口はこの辺にしておいて…。

Boxing News 24 がユニークなPFPを発表しています。1位=100点から15位=1点のポイント制の投票で、オリジナル8のオールタイム最強と30位まで、全階級歴代最強と25位までを選出しようというお遊びです。
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1位=100点、15位=1点というのが気に入りました。多くの投票の場合、1位=10点、10位=1点のような1点刻みですが、1位票は特別でなければなりません!!!

第1回は、もちろんフライ級。日本が誇る伝統のクラスです。
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1位は2200点を稼いだジミー・ワイルド。1位票も19/24を集めました。

ミゲール・カント、パスカル・ペレスと続き、10位にはフライ級では実績のないリカルド・ロペスがランクイン。「オリジナル8の時代ならフライ級で戦い、十分なレガシーを築いただろう」という評価です。

そして、惜しくも10傑からこぼれたのが11位の大場政夫。

18位のローマン・ゴンザレスは現役。

19位にはファイティング原田、22位は海老原博幸。25位の張正九はジュニアフライでの実績です。

27位にジュニアバンタムで絶対王政を敷いたカオサイ・ギャラクシー、29位にはユーリ・アルバチャコフ。

マイケル・カルバハルを入れていないのが、通な目利きを感じさせますね〜。

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そして、第2回はバンタム級。

1位はもうあのブラジリアンしかないのですが、我らがファイティング原田は5位!歴代バンタムで堂々のトップ5入り!
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6位はあのパナマ・アル・ブラウンですから、原田の海外評価の高さが実感出来る順位です。

原田の時代は1団体10階級。今とは違い、世界王者であることに価値があった時代です。そんな時代でもやはりボクシングは「誰に勝ったか」が選手評価で最大の物差しなのです。

フライ級でも19位の原田は、このPFPでも〝2階級制覇〟。
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 現役ではノニト・ドネアが13位、井上尚弥は落選。

ジュニアフェザー級のバズーカ砲ウィルフレド・ゴメスが23位、フライ級に続いてカオサイがバンタムでも30位に食い込みました。

2235点をマークしたエデル・ジョフレは60年代最高ボクサー、「黄金のバンタム」がこの座から落ちる日がいつか来るとは考えられません。

このあと、フェザーからヘビー級、歴代PFPに続くようですが、もう日本人は登場しないでしょう。

「このブログの話はすべて続きがある!完結しない!」と書いた覚えがありますが、この話はこれでおしまい。あしからず。 
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JBCの規定では「37歳を迎えたボクサーのライセンスは自動的に失効」してしまいます。

しかし免除特例もあります。

現役の王者(世界/OPBF/日本)ならタイトルを失うまで、さらに元王者、世界挑戦経験者、現役の日本ランカーも健康診断で異常がない場合はライセンスの交付を受けられます。
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読売新聞7月28日夕刊から。

2016年8月を最後にプロのリングを離れた高山勝成の場合、37歳の節目を迎える5月12日までに試合を行うことで「元王者」の特例が発効するはずでしたが、予定されていた試合が新型コロナの感染拡大の影響を受けて中止に追い込まれてしまいました。

現役延長を求める嘆願書を提出した高山に、JBCは救済措置を認めます。

復帰の試合はまだ決まっていませんが「思い出作りで戻ってきたわけじゃない」とジュニアフライ級での世界奪取、2階級制覇を目指しています。

東京五輪を目指したアマチュアでの挑戦では、代表の座に手は届きませんでした。

それでも、大きなグローブでより的確にパンチを当てる技術が向上、カットの癖がついていた左まぶたの古傷も癒え「肉体的なダメージも完全に抜けた」とフレッシュな状態で戦える手応えを感じています。

今年3月の「プロ復帰」発表を受けてストロー級10位にランクインしたWBAには、米国をはじめ世界中のメディアが非難しましたが、高山の責任は一片もありません。

スピードと回転力、軽量級らしい機敏さを武器にしてきた37歳が再び世界で躍動できるのか?

残された時間もチャンスも、多くはありません。

一つの敗北で夢は途中で砕け散る可能性が高く、世界挑戦のチャンスはあるとしても1回か2回。

敗北から這い上がる時間も猶予も残されていない高山に、幸運のドアが開かれることを願っています。

正直、良い意味でも悪い意味でも軽量級らしい高山のボクシングは大好きなスタイルではありません。

「4団体のベルトをコンプリート」というのも、野球でいうサイクルヒット的な稀少さはあるものの、完全統一王者でもあるまいし大偉業とは思えません。

ローマン・ゴンザレスに健闘したとはいえ、強豪にはきっちり負けている律儀なボクサーです。

そうはいっても、往生際の悪いアスリートは嫌いじゃありません。大好きです。
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エマヌエル・ナバレッテが返上したジュニアフェザー級タイトル、WBOのピースの新王者が決定しました。

ニューメキシコ・アルバカーキ出身でラスベガス在住のアンジェロ・レオ26歳です。
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PHOTO BY AMANDA WESTCOTT/SHOWTIME

対戦相手のトレメイン・ウィリアムスは変則サウスポー。序盤は戸惑いも見せたレオですが、中盤以降はしつこいボディ攻撃でゲームを支配、3−0で世界初挑戦をモノにしました。

コネティカット州アンキャスビルのモーゲン・サン・カジノで行われたプレミア・ボクシング・チャンピオンズのメインイベントを飾ったレオは、26歳。渾名はEl Chinito(中国人)。

「中国人」の渾名は最近ではマルコス・マイダナも。El Chinitoとは微妙に違う El Chino とコールされていましたが、いずれにしても「親しみを込めた意味での中国人」です。

このあたりの渾名の感覚は日本人には理解できません。不幸な歴史があるとはいえ、よく似てるからという理由で日本人に「コリアン」とか「チャイニーズ」という渾名はまずつけません。

遠い遠い異国だからそう呼ぶことに躊躇がないのかもしれませんが、グレグ・リチャードソンの〝ザ・フレア〟(蚤=のみ)も衝撃的でした。

それを言い出すと、日本人ならフライ(ハエ)ではなくビートル(カブトムシ)級とかにするでしょうし、バンタム(雄鳥・軍鶏)もホークとかコンドル級にするでしょう。

…しかし、そうなると、フライやバンタムより重いフェザー(羽毛)が厄介ですね。根本的に変えなきゃなりません。フェザーの由来は諸説ありますが「軽量級(ライト級)よりもさらに軽い」ことを強調した意味があります。

話がどんどん逸れる前に、アンジェロ〝El Chinito〟レオに戻します。

この空位のWBOジュニアフェザー級王座は、当初対戦相手に予定されていたステファン・フルトンが新型コロナに感染して離脱。セミファイナルに出場予定だったウィリアムスが繰り上げられました。

WBOは、6ヶ月以内のフルトンとの防衛戦をレオに義務付けました。

このご時世ですから、地元米国人の世界戦はリング誌やESPNなど専門メディアで大きく取り上げられましたが、レオの実力には疑問符しか浮かんできません。

20戦全勝ながらKOは9。このクラスでは特別パンチがないわけではありませんが、明らかに決定力に欠けます。「面白いのが出てきたなぁ」という高揚感はゼロです。

アルバカーキはこれまで3人の個性溢れる世界王者を輩出してきました。

2階級制覇した〝キッド・ダイナマイト〟ダニー・ロメロに、映画のような人生を駆け抜けたジョニー・タピア、そしてロンダ・ラウジーを世紀の大番狂わせで沈めたホーリー・ホルムもボクシングの世界王者でした。

アルバカーキが生んだ4人目の世界王者〝El Chinito〟は地味なパフォーマンスで戴冠しましたが、果たしてドラマティックな先輩たちにどこまで迫れるでしょうか?

そして、井上尚弥が122ポンドに侵略の刃を向ける日まで、レオはベルトを腰に巻いているでしょうか。 
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ボクシングに限らず、階級制のスポーツでは人気の格差、すなわち階級による貴賎が存在します。

また、陸上競技でもほぼ同じ距離を走る100mと110mハードルでは、その注目度は天地の差があります。

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体が小さく米国の人気階級で戦うのは難しいと自覚していた少年フェルナンド・モンティエルの夢の場所はラスベガスでビッグファイトの前座か「日本・東京のリング」でした。

もちろん、WOWOWのエキサイトマッチで「バンタム級は日本でこそ黄金とか言ってますが、世界的には層が薄く、欧米ではほとんど関心のない階級です」「アブネル・マレスやレオ・サンタクルスが踏み台にして去ってからは人気選手も皆無、上下を挟むジュニアフェザーやジュニアバンタムの方がまだマシです」なんて事実を口にできるはずがありません。

WOWOWでは17階級全てが「強豪ひしめくクラス」である事は仕方がないのです。

ただ、観る側までそれを真に受けてしまうのはどうなのか…。

軽量級が欧米で軽視されるのは仕方がありません。この後に及んで米国に軽量級を売り込むのは、草履を革靴よりも高い値段で売ろうとするのと同じです。

靴を知らない人々に、草履を売ろうとするのならわかります。

しかし、彼らはすでにヘビー級やウェルター級という履き慣れた靴を履いているのです。マーケットがジリ貧である米国では新しい需要は生まれません。ヘビーとウェルター、フライ&バンタムの3本柱などはありえません。

すでに、今年のアスリート長者番付でフォーブ誌は「米国市場でヘビー級と中量級は両立できない」と市場はパイの食い合いになっていることを指摘しています。

米国で歴史的・実績的・文化的にも、現在の関心度でも異様に低い軽量級がメガファイトに成長する土壌はありません。

長谷川穂積vsフェルナンド・モンティエルで、ジミー・レノンJr.に「世界的に最も注目されている二人のスーパースターが激突する。リングアナにとってこれ以上の名誉はない。私はオファーを受けたとき、ノーギャラで引き受けた」と言わせた帝拳。

あんな嘘丸出しのヤラセは要りません。

そして「西岡利晃のMGMメイン。パッキャオやタイソンが戦ったリングに日本人がメインで上がる」という、今では関係者の誰もが恥ずかしくて箝口令を敷くような馬鹿な真似は、これ以上繰り返してはならないのです。

いまの「井上尚弥のトップランク」からも、信者の反応からは全く同じ匂いが漂っています。
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リング誌では戦前予想もされなかった井上vsドネアでしたが、英国ボクシングニューズ誌は「食べず嫌いは損をする」と、軽量級に興味がなくても「ロマゴンや井上の試合を見てみろ」と啓蒙してくれました…効果はありませんでしたが。〜自宅横の栗の木からベランダに落ちたイガグリとともに〜

一番の被害者は、騙されっぱなしのファンではありません。過去から学習できない馬鹿は、本当の馬鹿です。

長谷川も西岡も井上も、必死で戦っているからこそ、その舞台はその情熱と才能にふさわしいリングであるべきです。

欺瞞は要りません。

井上vsエマヌエル・ロドリゲス、メインは地元のジョシュ・テイラーだったにもかかわらず、グラズゴーのアリーナは上階席は封鎖される寂しいものでした。

同じ規模の横浜アリーナでやってたらチケットは即売のフルハウスで地上波生中継されていたことは間違いありません。

トップランクのボブ・アラムの「井上の試合は埼玉に2万2000人を集めた。日本人は米国やラスベガスに憧れを抱いているから、その中のアッパー層10%2000人近くがベガスに押し寄せる。彼らはハイローラー(富裕層)。ホテルやカジノにとんでもないカネを落として楽しんでくれる」という目論見を「アホか?」と思うのは当然です。

しかし、アラムがプロモートする米国の試合をフジテレビやWOWOWが高額で買うとしたら、あながち見当はずれな期待ではありません。 「日本のビッグテレビが全く興味を示さなかった失敗例(ドネアvsモンティエル)とは事情が違う」のです。

ラスべカスやニューヨークのメガファイトでは絶対に主菜になれない、ストローからジュニアフェザーの欧米目線でいう〝超軽量級〟。

日本から見た重量級三役=スーパーミドル、ライトヘビー、クルーザーも同じですが、中量級のスーパースターが侵略したり、ヘビー級に近いことからも、日本でも三役階級は「エキサイティングな導火線」と見ています。

一方で、ライト級=軽量級の欧米からは、そこに進出してくるかもしれないフェザー級が興味の下限の精一杯です。「バンタムやフライはいくらなんでも小さすぎて無理」なのです。

しかし、欧米にとっての死角「ジュニアフェザー以下」 にこそ、ボクシングの面白さが凝縮されていることに多くの日本人ファンは気づいているでしょう。

というわけで、スピードとスタミナで中重量級を上回る軽量級の現時点の地勢図から、日本のボクサーがどこまで勢力を伸ばして、版図を拡大できるのかーーその可能性と、立ち塞がる恐るべきライバルの戦力を分析してゆきます。
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ハイジ:御爺(おんじ)がボクシングの階級、忘れてもうたゆうねん。どうしても思い出せない階級が一つだけあるゆうて。


クララ:なんや、ボクシングの階級ゆうたら17もあるからな、普通忘れるわ…ちゅうより元々覚えてないんちゃうの?


ハイジ:御爺がゆうには、特徴はわかるけど階級の名前だけが思い出されへんねんて。


クララ:特徴わかったら、階級の名前も絞れるがな。ほんで、御爺はなんてゆうとった?


ハイジ:御爺がゆうには日本では不良少年の主人公が最後に真っ白な灰になるボクシング漫画が、むかーし大ヒットしたらしいねんけど、その主人公が戦った階級らしいねんけどな…。


クララ:そら簡単や!もうーわかったがな。あしたのジョーの矢吹丈やがな。ジョーゆうたら矢吹も辰吉もバンタム級で決まりや。


ハイジ:私もそう思てんけどな、御爺がゆうにはな、その階級はアメリカでも人気がものすごうてラスベガスやニューヨークのおっきい興行でメイン張ることもあんねんて。


クララ:ラスベガスやニューヨークのおっきい会場でメイン?ほな、バンタムちゃうなあ。バンタム級はおっきいイベントに出ることがあっても100%前座やからなあ。そら、絶対にバンタム級とちゃうわ。


ハイジ:せやけどな、御爺がゆうにはその階級は黄金の階級って呼ばれてるらしいねん。


クララ:それ、黄金のバンタムやないか!やっぱりバンタム級や。ちなみに、それ階級やのうてエデル・ジョフレいうグレートの渾名やからな。黄金のバンタムが一人歩きして、バンタム級はレベルが高い、みたいな全く見当違いの誤解が日本の一部だけで広がっとるけど、あれは大間違いや。まーでも、御爺が忘れてたんはバンタム級で決まりや。


ハイジ:せやねんけどな。その階級は変態なフィリピン人やら下劣な銭ゲバやらがPPVで450万件も売ってフォーブスのアスリート長者番付でワンツー飾ったこともあるんやて。


クララ:PPV!そんな年に3回くらいしかないメガファイトにバンタム級は出たとしても前座やから全く関係ないわ。それやったら、絶対バンタムちゃうわー。

変態フィリピン人とか下劣銭ゲバはウェルター級やからな、バンタム級とはなんの関係もないわ。

そもそもバンタム級のボクサーがフォーブスの長者番付なんて、ワンツーどころか100位まで勘定してても、歴史上1人も入ったことないねんから、そら絶対バンタム級ちゃうわ、ありえへん。


ハイジ:せやけどな、御爺がゆうには、その階級あたりのボクサーは小さいけど、スピードも手数もスタミナも抜群で、想像以上にパワーも楽しめて、アクションが多くて、テレビで見るには一番面白いねんて。


クララ:はな、やっぱりバンタム級やろ。ジョフレやオリバレス、サラテ、辰吉、ドネア、長谷川、山中、井上あたりのボクシングは、そら見ててメッチャおもろいがな!

あしたのジョーに、黄金のバンタム、見てておもろいとなったら、もうバンタム級以外、考えられへん。

もうバンタム級で決まりや。


ハイジ:そうなんやけど、私もそれバンタム級やって御爺にゆうてんねんけど、御爺が言うにはバンタム級ちゃうって。


クララ:えー?御爺がゆうてんねんやったら、そらバンタム級ちゃうやん!


ハイジ:せやけど、横からペーターが「それクルーザー級ちゃうか?」ゆうてきてんけど…。


クララ:あるか!絶対クルーザー級ちゃうわ!クルーザー級やったら矢吹も力石もあそこまで減量苦労せぇへんやろ!
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プロボクシング興行が7月12日、愛知県刈谷市あいおいホールで再開されました。

中日本新人王戦を無観客で実施でしたが、JBCと関係者、出場選手、ビジネスとしては非常に厳しい中で、最初い挑戦した勇気には感謝と感動しかありません。

東海地域は野球でもサッカーでも、東京や大阪とは違うパイオニアな気質があります。



世界のボクシングも動いています。



日本のボクシングファンが最も待ち望んでいる「井上尚弥vsジョンリール・カシメロ」はまだ、具体的な日程が発表されていませんが、バンタム級戦線にはさざ波が立っています。

先月、MGMグランドの会議室を改造したThe Bubbleで行われたジョシュア・グリーアとマイク・プラニアのノンタイトル10回戦。

WBCコンチネンタル・アメリカ、WBO北米の地域タイトルをコレクトするグリーアが無難にプラニアをさばくと見られていましたが、2度もダウンを奪われる完敗。トップ戦線から引き摺り下ろされました。

このマイルドアップセットでマジックマンの渾名を持つ23歳のフィリピン人が、リング誌とESPNでともに10位にランキングされました。
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王者に認定されている井上を含めてリング誌ランキングは11人をラインアップ。7位だったグリーアがランクアウト。

1位には井上を最も追い詰めたノニト・ドネア、2位はWBCのストラップを持つノルディーヌ・ウバーリ、3位はWBOのカシメロとなっています。

もう一つの〝権威〟あるランキング、ESPNはチャンピオン制度を取っていないので井上が1位。

リング誌では10位内にランクされていないルイス・ネリが1位、ドネアは6位。リング誌で8位のギレルモ・リゴンドーが3位と、ネリを入れて拓真を外している以外の名前は一致しますが、評価は微妙に違います。

BANTAMWEIGHT (UP TO 118 POUNDS)
 
1. Naoya Inoue  
Record: (19-0)
Last: W (UD12) Nonito Donaire, Nov. 7
Next: TBA vs. John Riel Casimero
 
2. Luis Nery  
Record: (30-0)
Last: W (KO9) Juan Carlos Payano, July 20
Next: TBA vs. Aaron Alameda
 
3. Guillermo Rigondeaux  
Record: (20-1)
Last: W (SD12) Liborio Solis, Feb. 8
Next: TBA
 
4. Nordine Oubaali  
Record: (17-0)
Last: W (UD12) Takuma Inoue, Nov. 7
Next: TBA vs. Nonito Donaire
 
5. John Riel Casimero  
Record: (29-4)
Last: W (TKO3) Zolani Tete, Nov. 30
Next: TBA vs. Naoya Inoue
 
6. Nonito Donaire  
Record: (40-6)
Last: L (UD12) Naoya Inoue, Nov. 7
Next: TBA vs. Nordine Oubaali
 
7. Zolani Tete  
Record: (28-4)
Last: L (TKO3) John Riel Casimero, Nov. 30
Next: TBA
 
8. Jason Moloney  
Record: (20-1)
Last: W (TKO7) Leonardo Baez, June 25
Next: TBA
 
9. Emmanuel Rodriguez  
Record: (19-1)
Last: L (KO2) Naoya Inoue, May 18
Next: TBA
 
10. Mike Plania  
Record: (24-1)
Last: W (MD10) Joshua Greer Jr., June 16
Next: TBA

ジュニアフェザー転向が濃厚のネリはさておき、このコンテンダーの中で井上の脅威になりうるのはカシメロとリゴンドーくらいでしょうか。

正直、井上を除くと現状のバンタム級は誰が見ても薄っぺらのクラスです。

ただ、今のジュニアフェザーもけしてレベルが高い階級ではありません。

フェザーもシャクール・スティーブンソンが「ビッグファイトが期待できない」と愛想を尽かしたように層が厚いのは確かですが、地味な名前のオンパレードです。

ジュニアフェザーとフェザーはバンタムよりはマシといっても、では「バンタム完全統一王者、The Undisputed Champion」になるのと、レイ・バルガスやダニエル・ローマンらに勝つのと、どちらが値打ちがあるか?となると、間違いなく前者でしょう。

「ボクシングは誰に勝ったかが全て」と、最近も書いた気がしますが、現状のバンタム級やジュニアフェザー級ではそんな贅沢は言ってられません。貧相なのしか残ってません。

ジュニアバンタムの強豪が早く上がってきませんかね?

まあ、亀田和毅と日本でやるなら超弩級のメガファイトになるとは思いますが、それもなんだかなぁ、です。 
 
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エマヌエル・ナバレッテが正式にWBOジュニアフェザー級タイトルを返上しました。

代理人のギレルモ・ブリトー・ロドリゲスはフェザー級転向の理由を「122ポンドを作るのはもう限界。126に上げる以外の選択肢はない」と声明を出しました。

ナバレッテは、WBOに世界挑戦が最優先されるフェザー級1位の座を要求、WBOも王者のまま返上した選手には新階級で1位を用意する内規を適用する見通しです。

WBO王者のシャクール・スティーブンソンは「ビッグファイトが望めないフェザーにとどまる理由はない」と、130ポンドに上げることをすでに明言。

ナバレッテはWBOフェザーのトップ5の誰かと空位のタイトルを争うことになりそうです。

現在の1位がWBOとWBAのインターコンチネンタル二団体統一王者(それって何の意味があるのかは誰にもわかりませんが)マイケル・コンラン、2位はやはり無敗の米国人WBOインターナショナル王者ルーベン・ビリャ、3位は英連邦フェザー級王者ライアン・ウォルシュ、4位はドネアを倒したWBC米国王者ジェシー・マグダレノ、そして5位には日本の森武蔵がランクされています。
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弱冠二十歳の森は11戦全勝無敗6KOのサウスポーで、WBOアジア・パシフィックのタイトルホルダー。

リチャード・プミクピックに大苦戦するなど、そのボクシングは発展途上。ジョンリール・カシメロのスパーリングパートナーの一人としても有名です。

コンラン、マグダレノはナバレッテと同じトップランク傘下ですが、いきなりナバレッテvsコンランはないか?

このコロナ禍では太平洋を挟む森とナバレッテの対戦も現実的ではなく、米国拠点でWBOコネクションも太いビリャに落ち着きそうです。

といっても、アルファベット団体のやることですから完全な咬ませ犬をいきなりランキング5位以内に放り込んでくる可能性も十分です。
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エマヌエル・ナバレッテが井上尚弥との戦いに絶対的な自信を語っています。

まあ、試合予定もないし、おそらく交渉もされていないでしょうが、きっとみんなジッとしてられないんです。選手もメディアも、ファンも。

 'Vaquero'(カウボーイ)の異名をとる25歳のメキシカンは、ジュニアフェザー級統一と井上との決戦をかねてから熱望していましたが、減量苦からフェザー級転向が濃厚で、階級統一も井上戦も実現可能性は非常に低いと見られています。
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「井上は私のような獰猛で手数とパワーと根性で攻めてくるタイプは苦手だろう。 井上が強いという人はドネア戦を見てないのか?アイザック・ドグボエも私と戦うまでは階級最強と騒がれていたが、彼がどうなったかみんな見ただろう、ドグボエと40歳(昨年の井上戦では36歳)のドネアでは階級も若さも違いすぎる」。

「ジュニアフェザーからKO出来なくなったドネアは、この7〜8年でさらに劣化を進めて、上の階級では通用しないから層の薄いバンタムに逃げ帰ったロートルだ」。

「井上は防御と耐久力では複数の欠陥を抱えているのは、多くのメディアが指摘している通り」。「彼のスタイルは非常に教科書通りで予想しやすく、しかも打たれ弱い」。 

I don't think he can take what Dogboe put up with, and so it's like a bonus. Inoue is fast and has good combinations, but Dogboe connected on me and he did not hurt me. Comparing them, I don't give Inoue as many possibilities  to win. 

  
「井上がドグボエと戦ったとして、互角の展開に持ち込めるとは思えない。井上は速くて良いコンビネーションを持ってはいるが、井上以上のドグボエですら私を傷つけることは出来なかった。どう考えても私が井上に負ける要素はない」。

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ナバレッテも相当に欲求不満が溜まってますね。

階級を無視して、対戦相手の質という点だけで見ると井上が圧倒的に上です。ナバレッテが勝ったまともな相手はドグボエだけです。

ただ、両者が戦うとなってポイントになるのは、階級差です。

井上の場合、最初のタイトルがジュニアフライ級(108ポンド)でしたが、これは複数階級制覇の数字稼ぎのために無理やり体重を落として獲った刹那の王座でした。実質、ジュニアバンタム(115)でスタートするのが自然でした。

それでも、7ポンド上のジュニアフェザー(122)は大きく、完全劣化版のドネアを持て余したのを目の当たりにしてしまうと、ナバレッテは相当に荷が重いと思います。

身長165㎝/リーチ171㎝の井上に対して、170㎝/183㎝のナバレッテはまさにフレームが違います。

確かに、井上はヨアン・ボワイヨ(171㎝/176㎝)とジェイミー・マクドネル(176㎝/182㎝)と大きな相手との対戦経験があります。

しかし、ボワイヨは世界基準では完全雑魚で本業は引っ越し屋さん。マクドネルは満場一致の階級最弱王者で、井上戦では重病人状態でした。ナバレッテと同列に語るボクサーではありません。

ただ「最低でもフェザー」を目指すなら、ナバレッテレベルは通過点でなければなりません。
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軽量級の大きな需要が全く米国で大きな成功を得るには、アラブのマネーとコネクションを駆使したナジーム・ハメドのようなやり方しか考えられません。

回収を目的としない、そもそも回収など出来ない莫大なの資金でショウタイムの番組枠を買うなり、イエメンやサウジアラビアがしたようにESPNに法外な放映権料を支払うのです。

もちろん、それだけではハメドのような成功には届きません。
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米国人の目をエキゾチックに楽しませるパフォーマンス、日本人なら能面をかぶって歌舞伎の役者モドキの出で立ちで、日本刀を振り回して入場するなどオーバーな演出が求められます。

ただ、ハメドには母国にまともなリングがありませんでした。もし、イエメンに大きなボクシング産業が存在していたらそこでメガファイトを繰り広げていたでしょう。

ハメドは、韓国のSamsungやKポップのように米国を目指すしかなかったのです。そして、SamsungやKポップはSONYやJポップを遥かに凌駕する大きな成功を世界で収めました。

もちろん「国内市場で事足りる」ことにアグラをかいてガラパゴス化した日本の産業や音楽と、軽量級ボクシングは違います。

軽量級はすでに日本が「世界の中心」なのです。 

SONYやJポップには、韓国と同じように国内市場よりもバカでかい世界市場が存在しました。ただ、異国に挑戦するリスクを賭けるには国内市場があまりにも肥沃でした。

一方で軽量級ボクシング、特にジュニアフェザー級以下は日本が最も大きな市場で、アジアや中南米はもちろん欧米もマーケットサイズは日本よりも遥かに卑小で、そもそも国外へ出て行く必要性がないのです。

「三浦隆司や伊藤雅雪らのように軽量級も世界に打って出るべき」という声が聞かれますが、それは「ボクシングには階級格差がある」という事実を知らない人の戯言です。

〝SONY〟や〝Jポップ〟は世界を目指した韓国に惨敗していますが、ここで見逃してならないのは「世界」って何だろう?ということです。

経済の「世界」は欧米市場です。 そして中国です。

では、ボクシングなどスポーツも含めた文化における「世界」は?もちろん、欧米もあるでしょうが中国や台湾、アジアも巨大市場です。 

そして、アジアでは韓国までも飲み込んで日本の文化は圧倒的にリスペクトされています。韓国が事実上の国策としてKポップを米国に売り込んだのに対して、日本の音楽やスポーツがアジアで尊敬されるのは ほとんど「素」のままです。

もちろん、変にアジアに擦り寄るのは逆効果かもしれません。その点も含めて「アジアから見た日本への憧れ」は「日本から見たアメリカ」によく似ています。

【希望的観測】でふれた、軽量級ボクシングの魅力を日本で凝縮して日本から発信するやり方が成功したら…。

間違いなくアジアの有力都市が招致に乗り気になるはずです。

そして、アジアで大きなムーブメントを起こせば、今度はラスベガスが招致するでしょう。

もちろん、レギュラーではないものの、アジアで大人気の「フライ・バンタム祭り」には大相撲ラスベガス場所のように大きなアリーナが用意され、ボクシングに関心がなかった上客たちも「小さな巨人の戦い」に興味を持つはずです。

そのためには、日本で大きな成功を収めることが大前提ですが …。

行く手を阻む障害はいくつも転がっています…。 

 

【絶望的憶測】… へと続きます。
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世界中の軽量級ボクサーが「日本で日本の人気選手と戦いたい」と希求しながらも、強豪王者や人気選手が呼ばれることは滅多にありません。

その原因は、日本のプロボクシングが「ジム経営ビジネス」 であることに尽きます。

競技の指導をするジムが、選手をマネジメントし、マッチメイク、興行主まで担う。


そこで何が起きるか?


「有望な選手を集めたい」そして「有望な選手は大事に育てたい」 。

当然です。「プロモーター・ビジネス」の米国でもそれは同じか、むしろ強い傾向があります。

米国型の「プロモーター」優先では、対立プロモーターの強敵と戦わせることは敬遠しますが、傘下の人気選手をどこでぶつけるかを考えてイベントを構成「今日圧勝した二人が次(か次?か次?)に激突しますよ!」と、ファンの関心と期待を煽ります。

しかし、日本の「ジム」は会員の月謝と、スポンサーの援助、プロ選手の報酬から差し引くマネジメント料が経営の柱、高額のマネジメント料が期待出来る王者を育てるのは大切なビジネスです。

日本王者は JBC管轄、ランキングも一つで王者や挑戦者を選ぶことは難しいのが現状です。

日本レベルの方が苦労していた選手が世界王者になると防衛戦で快勝をマークするーーその原因が「日本人に長期政権を築いてほしい」というアルファベット団体の思惑から雑魚挑戦者が送り込まれることにもあるのは明らかです。

NHKですら長谷川穂積の特集番組「あの負けで私は強くなった」で「強い挑戦者をあえて指名して10度防衛」というだけでも失笑ものですが、ネストール・ロチャ戦を映してしまうお粗末さ。

民放が「絶対王者」と騒ぐもの当然です。そして、その報道を真に受けて、長谷川信者が育まれてしまったことも。

同じ番組では「世界で認められたボクサーだけがラスベガスで戦うことを許され、巨額のファイトマネーを得る」と明らかに誤解を生むことまで語ってしまっています。

もちろん「世界で認められたボクサーだけがラスベガスで戦うことを許され、その全員が10億円以上の巨額のファイトマネーを得る」と報じるとお詫びと訂正を出さなければならない虚偽です。

10万ドルでも虚偽です。可哀想なフェルナンド・モンティエルはラスベガスで2階級制覇したのに報酬は1万5000ドルでしたから。実際には1000ドル以下のボクサーも当たり前にいます。当然です。

そして、ロチャを「ゴールデンボーイ・プロモーションが送り込んだ最強の刺客」というのも〝違法性のある誇大広告〟とまではいえません。

実際にオスカー・デラホーヤはビデオレターで「ロチャは軽量級のエース」と語ってますから「世界一美味いラーメン屋」と看板出すのと同じです。全然OKです、真に受ける方がバカです。

「ジム経営」を最優先すると、強豪相手の試合は「負ける可能性」「相手の報酬も高い」という思い十字架を二つ重ねで背負うことになるのです。

どんなジムに取っても〝ロチャ〟は必要なのです。

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「内藤大助vs亀田興毅」と「井上尚弥vsノニトvsドネア」のメガファイトは、欧米から見ると軽量級の常識を大きく覆すSURREAL(非現実)でした。「バンタム級がメインで2万人?2000万人が視聴した?…ありえない、そんなの(米国では)現実じゃない」。
 
 
「ショービジネス」への意識が欠落している(そうならざるをえない)日本の構造で、世界の有力選手が集う軽量級のメッカになれるのか…?


 
【希望的観測】

世界の強豪が東京や横浜などの大会場に集結し、トッペレベルの技量を披露する。

これを実現した格闘技がキックボクシングと MMAです。

世界的に人気がないキックボクシング、黎明期のMMAという間隙を突いた試みでしたが、刹那的とはいえK1とPRIDEはボクシングの世界戦を凌駕する巨大な成功を収めました。

欧米で関心が低い軽量級も「間隙」ビジネスであることは間違いありません。

そして、キックボクシングや黎明期のMMAのように欧米では間隙でも、日本ではメインストリームなように、ボクシングの軽量級も歴史的に馴染みがあるスポーツです。

そして、何よりも1億3000万人が同じ方向を向く国民性は、高いテレビ視聴率を叩き出しやすく、すなわち高額の放映権料も発生することはK1とPRIDEが証明済みです。

ボクシングではまず見られない外国人選手への愛着・応援も、少なくとも無差別級では明らかに大きな成果を挙げました。

日本人が敗退して外国人同士の決勝戦になっても、ファンは納得して離れませんでした。 

K1やPRIDEは、ボクシングと比較すると非常に痩せた土壌をゼロから耕して大きな成功に導きました。

日本のボクシング熱は捨てたもんじゃありません。

また、外国人選手についても「アラブ王家の寵愛を受ける悪魔王子バダ・ハリ」「霊長類最強」のような明らかなパクリやウソも必要ありません。

キックや黎明期MMAのような明らかなウソをつかなくても良い「世界の真実」をボクシングは持っているのですから。

他の階級ではもちろん、バンタムでも温厚な紳士であるドネアが「約束の期限が過ぎても試合日程・場所が発表されない」「事務局と連絡が取れない」と不信感をあらわにし「離脱」までほのめかしました。

ゾラニ・テテは故障を理由に離脱しましたが、WBSSが承認料を差っ引く井上戦を回避「WBSS抜きで井上と戦いたかった」と推測されています。

それでも、日本で行った2試合は大成功を収めました。WBSSの試みを日本独自に行っていても、きっと成功したはずです。


しかし、この国のリッチはガラパゴス・リッチです…。

欧米ではありえない軽量級への尊敬・理解があり、WBSSや他の格闘技での成功例もある。

それでも…。 【絶望的観測】へ、続きます。
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